「宴もたけなわ」の由来は?
よく宴会席の締めの挨拶で「そろそろ宴もたけなわですが…。」と言いますが「たけなわ」とは何が語源なのでしょうか?
宴もたけなわ|由来・語源は?
たけなわとは、もともとは「酣」と書きました。
この漢字は、「酒+甘」がルーツです。
またこの漢字の意味は「お酒を発酵させている時に、だんだんと甘く美味しくなってきたころ」というイメージです。
やがて、酣(たけなわ)は、行事・季節などが最も盛んになった時。盛りが極まって、それ以後は衰えに向かう時。
また、そのようなさま。真っ盛り。真っ最中。というような意味でも使われるようになりました。
なお、今でもお酒を製造する職人さんたちは、発酵が進み、甘く美味しくなってきた頃のじょうたいを「タケナワ」というそうです。
「酣」は、酒を楽しむ・酒宴最中・盛んなの意。
「闌」は、盛りを過ぎたさまを表わす。
という意味。
また、
続・国語語源辞典(山中襄太著・1985年・校倉書房)には、
酣(カン、たけなわ)の字は、「酉(サケ)が甘(ウマイ)」意から、
酒ヲ楽シム、酒宴ノサカリ、物事ノサカリの意。
闌の字音はランだが、カンの音もありうることは、
柬(カン)、諫(カン)、揀(カン)などの例からもわかる。
酣(カン)と同音だから、仮借用法として、
この字を酣の意に使うのだろう。
とあります。
それぞれの意味は上の通りです。
では、
『宴もタケナワですが』の『タケナワ』ですが、
どちらでも完全なる間違いとは言えませんが、
上から考えると【酣】の方が良いようですね。
まとめ:宴もたけなわ|由来・語源は?
「たけなわ」の意味を簡単に説明すると、行事・季節などが最も盛んになった時をいいます。
「宴会が今、たけなわ。」とか「春たけなわ」などと使います。
酣(たけなわ)とは物事のピークを指します。宴会終了10分前あたりに幹事が「宴も酣ですが、今日はこれにてお開きとさせていただきます」などと言いますね。つまり、「一番盛り上がっているのに申し分けない(残念)だが、今日はおしまいにしましょう」と言うわけです。
場面に応じて「宴もたけなわなので」も「宴もたけなわですが」も使えます。
宴を終わりにしようとする時に
「宴もたけなわですがそろそろお開きにしたいと思います。」
というのが最も耳になじんでいるかと思いますが、
「宴もたけなわなのでそろそろ○○さんの自慢の喉を聞かせていただきましょう。」
などというのもありです。
言葉の使い方はいろいろです。