夏の甲子園1回戦、明徳義塾vs藤蔭は6対4で迎えた9回裏の攻撃で、
吉田創の2番、吉田創が最後の打席でショートゴロになり明徳義塾が2回戦進出。
藤蔭は6回に4得点を挙げて2点差まで詰め寄ることができたものの、
そのまま差を縮めることができずに甲子園の土を持ち帰ることになりましたが、
8回裏の藤蔭の攻撃で見られたファールチップの三振判定が誤審ではないか?とネットがざわついています。
藤蔭のファールチップ三振判定は誤審か検証
ファールチップ三振判定が誤審ではないか?と疑いをもたれているのは、
明徳義塾vs藤蔭の8回裏。
6対4と2点ビハインドで明徳義塾を追いかける藤蔭は、
ワンナウトで打者は7番山香拓巳選手。
対する明徳義塾のピッチャーは山田圭祐投手で、
問題となった判定は、2ボール・2ストライクと、
山香拓巳選手が追い込まれているシーンです。
6球目のストレート133kmは山田圭祐投手の手からすっぽ抜けたのか、
山田圭祐投手の頭上めがけて飛んでいきます。
あわや、ヘルメット直撃の死球になるのでは?という局面でしたが、
球審の小林さんは、ファールチップを宣告しバッターの山香拓巳選手がアウト。
野球のルールではファウルチップはストライクとみなされるので、
第3ストライクだと打者は三振でアウトとなります。
バットがボールに当たったと判定したようですが、
ツイッターにあげられたスロー動画を検証してみる限り、
ボールはヘルメットをかすめたようには見えるものの、
バットとは距離があるように見えます。
ボールの軌道もほとんど変わっていないので、
ファールチップとみなすのは少し強引ではないか?とも取れるシーンです。
youtubeでプロ野球の試合でファウルチップとなったシーンをいくつか調べてみたんですが、ファウルチップだとボールの軌道が明らかに変化することがほとんど。
そして、ファウルチップだとピッチャーが捕球できずに落球したり、もしくはマスクや防具にぶつかって負傷するケースが多く見られました。
同じく球審もファウルチップの被害に遭うことが多く、ファウルチップをキャッチャーが捕球するのはかなり難易度は高そうです。
藤蔭のファールチップをもしキャッチャーが落球していたら?デッドボールだったら?
スポーツで「たられば」の話をするのは意味がないことだとは思いますが、
明徳義塾のキャッチャー安田陸選手が藤蔭の打者がこの場面んで落球していたら?
もしかしたら振り逃げが適用されいた可能性も考えられます。
振り逃げが成立する条件は、
- 第3ストライクの投球を、捕手が正規に捕球しなかった。(落球した)
- 一塁に走者がいない
- スリーバント
といった点が挙げられます。
もちろん、球審がやはりファウルチップだと判定した場合には、
振り逃げには当たらないにしても、ストライクには該当しないので、
山香拓巳選手はアウトにならず、ヒットを打つチャンスは残されていました。
今回の場合には、明徳義塾のキャッチャーがしっかり捕球したわけですが、
落球するようなことがあれば球審の判断はまた違っていたのかもしれません。
もしくは頭部へのデットボールという風に判定された場合、
山香拓巳選手は1塁に進塁していたことになりますね。
※頭部デットボールとも言い難い状況でもありますが。
プロの場合だと、頭部デッドボールだと危険球とみなされて一発退場となるケースが多いですが、
高校野球(甲子園)ではどうかというと、危険球で退場となることはめったにないようです。
高校野球で危険球となるのは意図的にデッドボールとなるような球を投げた場合のみで、
偶発的に頭部デッドボールのような事態になっても、ピッチャはそのまま投球を続けられるようです。
ただもちろん、判定を下すのは球審なので、絶対に危険球退場にはならないとは言い切れません。
ファウルチップとキャッチャーフライの違い
ファウルチップの際、審判は左手で握り拳を作って
頭上付近で右手と軽くこするジェスチャーをすることがあります。
ファウルチップはキャッチャーフライの一種と言えるものの、
キャッチャーフライでは2ストライクでも1ストライクでもアウトになるのに対し、
ファウルチップは1ストライクに相当し、打者は2ストライクを取られていなければ、
まだ打席にチャンスが残されます。
走者にしてみても、ファウルチップかキャッチャーフライは大きな違いで、
キャッチャーフライだった場合には、捕球された後じゃないと盗塁はできません。
それに対してファウルチップだと捕球前から盗塁スタートできるため、
ファウルチップとキャッチャーフライには、侮れない違いがあります。