ゴミ屋敷と言えば、これまでは種類を問わずなんでもかんでもため込んで、
家の中だけじゃなくて家の外にまでゴミであふれかえっているようなケースばかりでした。
グッディが特集した札幌市のゴミ屋敷では、
ゴミはゴミでも鉄くずばかりを集めた「金属積み上げ屋敷」!
「金属積み上げ屋敷」のネーミングもさることながら、
なぜ鉄くずばかりを集めるようになったのか?その点も気になりますよね。
グッディの「金属積み上げ屋敷」に行政処分や違法性はないの?
グッディのゲスト出演していたNPO法人家づくり援護会
1級建築士・植田達二さんによると、
「北海道の家は積雪荷重に耐えられるように建てられているが、
それ以上の鉄が乗っているとみられ、非常に危険な状態なのは間違いない」。
とのこと。
私は北海道出身北海道育ちですが、
本州と北海道の家で決定的に違うところは、
まずは屋根が挙げられます。
北海道の家は基本的にトタン屋根で雪を滑らせるような構造をしているか、
そうじゃなければ自分で屋根に昇って雪下ろししなきゃいけないパターンが多いです。
札幌市の行政としても警察と連携し「金属積み上げ屋敷」の家主に対して、
悪臭と歩道に出たゴミについて9年も前から何度も指導しているものの、
改善の兆しが見られないまま今日に至っています。
グッディでは、みずほ中央法律事務所・三平聡史弁護士に違法性について尋ねたところ、
鉄パイプなどを家に積み重ねること自体は違法でもなんでもないとのこと。
歩道に私物を溢れさせるのは道路交通法(禁止行為)違反に該当するもの、
「金属積み上げ屋敷」はそこまでひどい状態ではないので強制執行は難しい。
ただ、崩れた鉄パイプなどが人にあたって死傷させれば、
過失傷害罪、過失致死罪の可能性が出てくるし、
建築物を破損させることがあれば器物破損の可能性も出てくるとのこと。
実際に、グッディの放送では、近所の住人にもインタビューをしていて、
「自宅の庭に鉄パイプが落ちてきたことがある。」という風に語っていました。
グッディの「金属積み上げ屋敷」で鉄くずを集める目的は?
「金属積み上げ屋敷」の近所の人からのヒアリングでは、
家主はもともと鉄道関係の職員をしていて、引っ越してきてすでに34年。
現在は80代ということですから40歳前後でここにやってきたということですが、
妻と子どもがいたものの現在は別居。
「金属積み上げ屋敷」の家主は集めた鉄くずで
「自分で家を造るのが夢」だと語っていました。
80代にもかかわらず夢を持つことは素晴らしいことだとは思うし、
夢があるからこそ「金属積み上げ屋敷」の家主は今でも元気なんじゃないかと思います。
ただ、周囲に迷惑をかけてしまっている点に関しては、
やはり何らかの改善が必要になってくるんじゃないでしょうか。
ここまで「金属積み上げ屋敷」が成長してしまうと、
家主としても苦労して鉄くずを集めたことに達成感があり、
おいそれと整理する気持ちにもなれないんじゃないでしょうか。
だからこそ、札幌市なりと相談をして片付けの手順にめどをつけ、
整理を始めるべきじゃないかと思います。
万が一、「金属積み上げ屋敷」の家主がこのままの状態でこの世を去ってしまったら、
残された家族にも迷惑をかけることになりますしね。