ニューヨークの国連本部で9月23日に開催されている「気候行動サミット」で、
グレタ・トゥンベリさんというスウェーデンの高校生環境活動家の国連演説が話題となっています。
グレタ・トゥンベリさんは、今や数百万人が参加していると言われる
地球温暖化問題に関する「学校ストライキ」活動を始めた高校生として知られています。
実際に国連の「気候行動サミット」で演説をするグレタ・トゥンベリさんの様子がyoutubeにも動画がアップされています。
国連演説したグレタ・トゥンベリさんの学校ストライキ(未来のための金曜日)とは?
「気候行動サミット」はグテレス国連事務総長の主宰で、
60以上の国の首脳らが集まり気候変動対策の具体策を表明する会議で、
日本からは小泉進次郎環境相が演説の予定こそないものの出席しています。
「気候行動サミット」では成果物として強制力のある「成果文書」を出さないまでも、
世界各国に対して地球温暖化対策に向けた取り組みを具体化させる政治的機運を高める狙いがあるとされています。
サミットでは、脱炭素化や脱石炭火力発電などのテーマ別に議論を実施されるということでしたが、
なんとグレタ・トゥンベリさんというまだ16歳の少女が招かれて国連演説を行いました。
グレタ・トゥンベリさんとは、毎週金曜日に学校の授業をボイコットして(休んで)
議会前で地球温暖化対策を大人たちに迫る抗議活動「未来のための金曜日」運動を始めた人物。
2019年9月20日には世界各地で学校ストライキ(未来のための金曜日)が開催され、
主催者の推計によると
- 豪州 35万人
- ロンドン 10万人
- ベルリン 27万人
- ダブリン 2万5千人
という動員数を記録し計137か国・5000か所でストライキで行われたとのこと。
グレタ・トゥンベリさんの世界各地で学校ストライキ(未来のための金曜日)は
南極大陸を含む全大陸でストが行われるようになるほど活発化した動きを見せ、
日本では23都道府県で約5000人が街頭行進などを展開したと発表されています。
国連演説したグレタ・トゥンベリさんwikiプロフィールは?
- 本名:グレタ・エルンマン・トゥーンベリ(Greta Ernman Thunberg)
- 生年月日:2003年1月3日
- 出身地:ストックホルム(スウェーデン)
オペラ歌手の母、俳優の父のもとに生まれたグレタ・トゥンベリさんは、
2018年8月にスウェーデンで起きた自然災害を目の当たりにしたこと経験から、
「9月9日に行われる総選挙まで学校に通わない」と宣言し、
スウェーデン政府にパリ協定を遵守するように要求。
リクスダーゲン(スウェーデン議会)の前で
「Skolstrejk for klimatet」(気候変動問題のための学校ストライキ)
と書かれたプラカードを掲げて毎週金曜日に座り込みをする抗議活動を続けた結果、
世界中のメディアから注目を集めるようになり一大ムーブメントへと発展。
これまでにグレタ・トゥンベリはいくつかの賞を受賞していて、
- Fryshuset scholarship of the Young Role Model of the Year
- タイムの2018年世界で影響力のある未成年25人選出
- 国際女性デーで最も重要な女性(スウェーデン)選出
- 3名のノルウェー人弁護士が2019年のノーベル平和賞に推薦
- Special Climate Protection賞
といったものがあります。
トゥンベリさん国連演説全文の文字起こし
グレタ・トゥンベリさんが演説した国連「気候行動サミット」には
当初は地球温暖化対策に懐疑的なトランプ米大統領は欠席するとみられていたものの、
短時間ではあるものの出席したそうなので、グレタ・トゥンベリの演説も耳にしているかもしれません。
私はグレタ・トゥンベリといいます。15歳です。スウェーデンから来ました。「クライメート・ジャスティス・ナウ」の代表として演説しています。
スウェーデンは小国なので、私たちが何をしようと問題ではないと言う人がたくさんいます。
でも私は、どんなに小さくても変化をもたらすことができると学びました。
もし、たった数人の子どもが学校へ行かなかっただけで世界中の注目を集めることができるのなら、私たちが真に望めば力を合わせて何ができるかを想像してみてください。しかしそのためには、それがどんなに不快なことであっても、はっきりと発言しなければなりません。
あなた方は人気低落を恐れるあまり、環境に優しい恒久的な経済成長のことしか語りません。非常ブレーキをかけることだけが唯一の理にかなった対策なのに、あなた方は私たちをこの混乱に陥れた、あの悪いアイデアを推進することしか口にしません。
それは大人気のない発言です。その重荷をも、あなた方は私たち子どもに負わせているのです。でも私は人気取りのことは考えません。私は気候の正義と生きている惑星のことを考えます。
私たちの文明は犠牲にされています。ごく少数の人たちが莫大なお金を稼ぎ続ける機会のために。
私たちの生物圏は犠牲にされています。私の国のようにお金持ちの国の人たちがぜいたくな生活をするために。その苦しみは、少数の人のぜいたくのために、多くの人たちが払う代償なのです。
2078年に、私は75歳の誕生日を迎えます。もし私に子どもがいたら、一緒に過ごしているでしょう。子どもたちは私にあなた方のことを尋ねるかもしれません。まだ行動できる時間があるうちに、なぜあなた方は何もしなかったのかと。
あなた方は、自分の子どもたちを何よりも愛していると言いながら、その目の前で、子どもたちの未来を奪っています。
政治的に何が可能かではなく、何をする必要があるのかに目を向けようとしない限り、希望はありません。危機を危機として扱わなければ、解決することはできません。
化石燃料は地中にとどめ、公正さに目を向けなければなりません。この制度の中で解決することがそれほど難しいのであれば、制度そのものを変えるべきなのかもしれません。
私たちは、世界の指導者たちに相手にしてほしいと懇願するためここへ来たのではありません。あなた方はこれまでも私たちを無視してきました。そしてこれからも無視するでしょう。
私たちは言い訳を使い果たし、時間も使い果たそうとしています。
私たちは、あなた方が望もうと望むまいと、変化は訪れると告げるためにやって来ました。真の力は人々のものなのです。
ありがとうございました。
https://www.cnn.co.jp/world/35130247.html
グレタ・トゥンベリさん国連演説の要約
グレタ・トゥンベリさんの国連演説を要約すると、
- 私たちの文明は犠牲にしたごく少数の人たちが金儲けが、多くの人たちの苦しみと犠牲によって成り立っている
- 大人(主に政治家を指していると思われます)は人気低落を恐れるあまり、非常ブレーキをかけることに躊躇している。
- 大人は環境に優しい恒久的な経済成長のことしか語らず、政治的に何が可能かではなく、何をする必要があるのかに目を向けようとしていない
- 化石燃料は地中にとどめ、公正さに目を向けるなど危機を危機として扱わなければ、地球温暖化を解決することはできない
- 既存の制度の中で地球温暖化の解決が難しいのであれば、制度そのものを変えるべきなのではないか
グレタ・トゥンベリさんの国連演説にはどこか、
「世界一貧しい大統領」で有名なウルグアイのムヒカ元大統領を髣髴とさせます。