配位結合と共有結合にはどんな違いがあるんでしょうか?
共有結合と配位結合は区別できないという説明も見かけますが、どういう意味で区別できないのでしょうか?
配位結合と共有結合の違いは同じ?見分け方は?
配位結合と共有結合の違いについて詳しくは「化学の新研究」を参照するのがいいと思います。
配位結合は非共有電子対を用いて結合します。例えば、水分子の酸素原子の非共有電子対に水素電子が配位するように。
配位結合は共有結合の一種です。
結合に関与する電子が一方のみから提供されている場合を配位結合と言います。
これと違い共有結合はお互いに電子を出し合って共有電子対を作り結合します。
共有結合では2原子が互いに電子を出し合って、その電子を共有しますが、配位結合では片方の原子だけが電子を提供し、もう片方は電子を差し出しません。
もっと砕けて言うと、配位結合は電子2個と電子0個で結合、共有結合は電子1個と電子1個で共有電子対を作って結合します。
ですが、結合してしまえばアンモニウムイオンなどは、共有結合でくっついてる水素原子と配意結合でくっついてる水素原子に差はありません。
ちなみに、共有結合でできた共有電子対(マイナスに帯電している電子)がどちらかの原子の原子核の正電荷にひきつけられ偏った場合、イオン結合になります。
結合するまでの過程に違いがあるだけで、結合してしまえば、配位結合と共有結合は見分けがつきません。
結合を形成する電子はそれがどちらの原子に由来するかにかかわらず同等なので、配位共有結合の性質は、共有結合の性質と変わりません。
A・→ ←・B (共有結合) ⇒ A:B
A:→ ← B (配位結合) ⇒ A:B
見ての通り、結合してしまえば同じです。
例えば、アンモニアNH3のN-H結合は、共有結合です。
しかし酸性のものと反応させると、そこにH+が配位してNH4+となります。
このとき、4本のN-H結合はすべて等価になります。つまり、どのHが先に共有結合してたやつか、後から配位したのはどれか、区別がつかなくなるのです。
配位結合と共有結合の違いまとめ|強さはどっちが強い?
ちなみに、原子間の結合はまず共有結合を基本に考えればよいと思います。
非金属原子どうしのつながりはほぼ二つの原子が持つ不対電子を対にして共有する共有結合に当たります。
共有結合された二つの原子間で、電子(共有電子対)を引く力に大きな差がある場合。
この場合、確率的に共有電子対は電子を強く引く原子の周りに片寄って存在することになります。
結果として、正の電荷を持つ原子(プラスイオン)と負の電荷を持つ原子(マイナスイオン)が電荷によって結合しているような形になるわけです。
これがイオン結合です。金属-非金属原子の結合はこれになります。
金属結合とは、金属原子間の結合であり、最外殻電子が自由電子として金属の塊の中を移動する形をとります。
配位結合とは、非共有電子対に空軌道を持った原子が重なる形で起こる結合です。
酸素原子はの持つ二つの不対電子と二組の非共有電子対を持ちます。二つの不対電子に水素が共有結合すれば水となります。
さらに水素イオンが一つの非共有電子対と配位結合することでオキソニウムイオンを生じます。
ただこの場合、OH3という塊全体で正の電荷を示すのであり、どの水素が配位結合によるものかを判別することはできません。つまり、配位結合と共有結合の区別はできないということです。