「走る取的」は「世にも奇妙な物語」で放送されたオムニバスドラマの一つ。
ストーリーが不条理で「世にも奇妙な物語」でも屈指の怖いエピソードと言われる走る取的の結末ネタバレ!原作は筒井康隆?
走る取的(世にも奇妙な物語)あらすじ
中年のサラリーマン・信田(仲村トオル)と後輩の亀井(音尾琢真)が居酒屋で軽口を叩き、共通の知り合いをやゆしていた。それを自分のことだと勘違いした、店に居た取的(相撲取り)が、店を出た二人を追いかけてきた。恐怖を感じた男たちは、取的から逃げようとするのだが…。
走る取的(世にも奇妙な物語)原作は筒井康隆
「世にも奇妙な物語」で放送されたオムニバスドラマの一つ「走る取的」は1975年に「別冊小説新潮」に発表された筒井康隆さんの短編小説が原作となっています。
取的(とりてき)とは相撲用語で幕下以下、とくに序二段や序ノ口の力士のことですが、原作でも「世にも奇妙な物語」と同様に相撲取りが追いかけてきます。
髷を結い、春先に薄い浴衣一枚で、足元は裸足に草履といういでたちでした。
走る取的(世にも奇妙な物語)結末ネタバレ
後輩と飲みに行く約束のある信田(仲村トオル)は、妻からの電話にややうんざり気味だった。
後輩と飲みに行くからと妻をあしらうと、行きつけの飲み屋で後輩の亀田と合流した。
二人は他愛ない話しで盛り上がる中、知り合いの噂話しになった。
あいつは最近太って、、と相撲取りを例に馬鹿にする様な話しぶりだった。
大声で盛り上がっていると、亀田があることに気がついた。
少し離れたカウンターで1人酒を飲んでいた相撲取り粘着質な視線を向けていた。
どうやら自分のことを笑われていると勘違いしたようで、主人公たちをにらみつけてくる。
今の聞こえちゃったかな、、マズイよ。と気まずそうにする亀田に対し
信田は、お前何気にしてるんだよだいたい俺たちはあの人の話をしてた訳じゃない。しかも相撲取りっていってもあいつはどうみても取り的だよ、たいしたことないない。
亀田はすっかり怯えた表情で出ましょう!とさっさと店をでた。
お前空手やってんだろー、何そんなにびびってんだよ。という信田に
自分の知り合いの空手有段者が過去に幕下力士と喧嘩になり、一瞬で病院送りになったことを話した。
その青ざめた表情に危機感を覚えた信田。
二人は一気に走り出す。
すると、力士もダッシュで追いかけてきた。
百キロをゆうに超す巨漢にもかかわらず、ものすごく速い
街中を逃げても逃げても追いかけてくる。
取的が入れない会員制クラブに逃げ込み、女性とお酒を飲んで時間を潰すも、店を出ると力士は待ち伏せしていた。
その執念深さに信田達は青ざめた。
そしてまた始まる追いかけっこ。
逃げても逃げても追いかけてくる。
路地でもどこでも。
バスに逃げて見ればバスに乗っている。。もう絶対逃げ切れない。
疲弊しきった二人は、車内で力士に謝罪した。
これで一件落着と思ったのも束の間。力士の表情は怒りに満ちていた。
バスを降りると再び一目散に逃げはじめるが、2人の体力は限界でした。
精神的にも崩壊しかけた亀田は、やられる前にやってやる!と工事現場のスコップで力士の背後から殴りかかった。
隙を狙い、亀井がスコップで後頭部を思い切り殴りつけた。
だが、取的は全くこたえる様子が無い。
額から血を流しているものの、致命傷ではないようだ。
そして反撃を一発。
その一発で亀田の首は曲がり、一目で死んでいるのがわかった。
信田は恐怖でいっぱいになり、最後の力をふりしぼって逃げた。
神社に逃げ込むと物陰に隠れ、いきなり突っ張りの練習を始めた取的が過ぎ去るのを待ち続けた。
やっとの思いで逃げ切り、そんな時再び妻から電話が。
さっきは鬱陶しいと思っていたのになんだかとても安堵した。
さあ、帰ろう。
しかし、、背後に人影が。なんと力士に見つかってしまった。殺される!!と思った信田を力士はそっと抱きしめた。
と思った次の瞬間
ばきばきばきっっ!!!
と全身の骨の折れる音が。。。。
絶命した信田から落下したスマホ。その待ち受け画面には、太った女性と太った女の子が写っていた…
取的が追ってきた目的とか素性とか何もわからないままですが、話の途中(逃げてる途中)でもう一人の男性が主人公に「太った人のことを馬鹿にしてるのは何で?」的なことを質問してました。
そして、最後に主人公の落した携帯画面には太った奥さんと娘さんが。これが主人公が太った人を馬鹿にしている最大の理由でした。
彼をいつも尻に敷いている奥さんは、相撲取りのように太った人だったから、彼は執拗に力士のことを貶める発言をした訳です。
つまり馬鹿にしてると罰が当たるよ、という意味でストーリー上、相撲取りが襲ってきたと解釈することができそうです。
追いかけられて無事だった安堵感から、奥さんに泣きながら電話をして、愛や感謝を伝えましたよね?常日頃、そう言った感情を持っていたら、力士をバカにすることもなく、命を落とすことはなかったのに…と言う話です。