ひらがなの苗字の人って居るんでしょうか??
平仮名を含む苗字は存在するんでしょうか?
ひらがな苗字は?ひらがなを含む苗字はある?
結論から言うと、ひらがなだけで構成されている名字は、本名としては実在しないようです。
平仮名が混ざっている例であれば、
下り
走り
渡り
回り道
茂り松
という苗字が、実在しています。
苗字は、明治8年(1875)の「平民苗字必称義務令」により、すべての国民が名乗るようになりました。
苗字は家名・氏であり、発音記号である「かな文字」や「カタカナ文字」は、威厳に乏しいとの思いもあったようで、「かな文字だけの苗字」や「カタカナ文字だけの苗字」は、誰も名乗らなかったようです。
仮に名乗ろうとしても、受付されなかったと思われます。
しかし、「かな文字入り」や「カタカナ文字入り」の苗字は、少数ですが名乗る人もいたようです。
また、日本国籍を取得した場合の姓などの登録では、書きやすさ/分かりやすさの観点から、2008年12月8日の国籍法改正にて、「かな文字だけの苗字」や「カタカナ文字だけの苗字」
も使えるようになったそうです。
因みに、カタカナ混じりでは
広エ
新タ
見ル野
反リ目
安カ川
竹ノ子
まとめ:ひらがな苗字は?ひらがなを含む苗字はある?
明治8年に出された【苗字必称令】には、仮名まじりの苗字を使用してはならないことが書かれていませんでした。
それによって、仮名まじりの苗字が発生しました。
例として・・
江ノ口(えのぐち)
井ノ上(いのうえ)
三ツ巴(みつどもえ)
水ヶ崎(みずがさき)
下モ(しも)
更ヱ(さらえ)
い(かなはじめ)
せき山(せきやま)
エ古田(えこだ)
サ藤(さとう)
い丈(いたけ)
運ノ(うんの)
一ツ松(ひとつまつ)
一つ屋(ひとつや)
一ヶ坪(いちがつぼ)
一の瀬
あべ木
すくも田
下り藤
一の宮
反り目
ひじ方
さい藤
そり町
えび原
など。
こういったひらがなの入った名字は、おそらく明治8年の「平民苗字必称義務令」で全国民に名字が義務づけられた際に生まれたものでしょう。それ以前に「許可」は出ていたのですが、許可しただけでは必要を感じないので使おうとしない者が多数いたため、富国強兵で徴兵制を布こうとしてたことなどもあり、「義務」としたのです。この時、もともと姓があった元公家・武士階級はいいとして、それ以外の階級では
1.公ではないが名字を持っていたので、それを名乗った。
(こういう層は、実はかなりいました)
2.地域や集落で連帯感を表すために同じ名字を付けた。
(今も地方には、ほとんどの家が同じ名字という村も実在します)
という方法以外に、
3.庄屋や名主、お寺などにつけてもらった。
4.自分で考えて名字をつけた。
という方々がいました。これらの中に、読みやすさ重視その他の理由で、ひらがな(カタカナも)を入れた名字にした方が居たのでしょう。
なお現在の法律では、ローマ字書きは許されておらず、苗字に使用されるのは、漢字・国字・ひらがな・カタカナの4種です。
ですが、ひらがなやカタカナ「のみ」となると話が変わります。
「ある漢字の置き換え」としてひらがなやカタカナを使うことは出来るのですが、単体として使うのは許されていないようです。
選挙ポスターでは苗字がひらがなだったり、芸能人であれば「あおい輝彦」「つるの剛士」がいますが、つるの剛士さんの苗字には「靏野」という漢字があるように覚えやすくするためです。
ひらがなだけの姓があるとしても、それは通称で戸籍上は違うか、幽霊苗字でしょう。