ドラフト2019の本指名の後に行われる2字ドラフト(通称、育成ドラフト)では
33人の選手が指名され、2017年の32人という記録を更新することになりました。
プロ野球選手を志す野球少年・青年は育成ドラフトを拒否してあくまでも支配下登録にこだわる選手もたくさんいますが、
そもそも支配下登録選手と育成選手の違いは何なのでしょうか?
【ドラフト】支配下登録・育成の違いは?
ドラフト会議の本指名の後にひっそりと行われるのが「育成ドラフト」では、
今後将来が期待され、未来の看板選手になる逸材が「育成選手」が指名されていきます。
育成選手にとってはまずは支配下登録されることが目標となり、
決して門戸は広いとは言えないものの、巨人の山口鉄也選手やソフトバンクの甲斐拓也捕手のように、
プロ野球のスター選手へ登りつめた選手もいます。
支配下登録選手とは、1軍・2軍問わずすべての試合に選手として出場できる選手のことで
NPBでは支配下登録選手枠の上限が最大70人までと定められています。
それに対して育成選手とは、
- 一軍の試合には出場不可
- 背番号は3ケタ
- 契約期間は3年間
- 契約金はなし
といった制約があります。
なお育成選手については特に人数制限は設けられていないようです。
育成選手は一軍の試合に出場不可
育成選手は一軍の試合に出場する権利が認めてられていません。
二軍の試合に出場することができるものの、
1試合に出場できるのは5人までと決められています。
つまり、育成選手にとってはまずはコンスタントに二軍で試合出られるようになることが、
支配下登録されるための最初の関門ということになります。
育成選手の背番号は3ケタ
育成選手と支配下登録選手の区別を明確にするために育成選手の背番号は「3ケタ」と決められてます。
三ケタであれば良いので、背番号の割り振り方は球団によってまちまちで、
たとえば巨人や楽天は「スタッフの番号と間違える」という理由から「001」「002」といった風に
0から始まる番号が見られます。
育成選手の契約期間は3年間
支配下登録選手の場合、3年以上の複数年契約をするケースも頻繁にみられますが、
育成選手の契約期間は3年間と決められています。
3年目以降は1年間の自由契約となり、他の球団からオファーがあればそれを受けることができますが、
逆に契約期間3年間は原則として球団側は解雇させることができません。
育成選手に契約金なし
ドラフトで本指名された選手は「契約金」を受け取ることができます。
田中将大投手、ダルビッシュ有、大谷翔平投手といったメジャーで活躍する選手は、
1億円もの契約金を受け取ったと言われていますが、育成選手には契約金という名の金額を受け取ることはできません。
その代わり代わりに「支度金」が支払われますが、育成選手の契約金や年俸については、
支配下登録選手と比較しながら後で詳しく説明をします。
育成選手から支配下登録されて活躍した選手は?
シーズン中には支配下登録の期限が設けられていて「7月末」が最終期限とされていることから、
育成選手にとって7月末までは熾烈なアピール合戦を繰り広げることになります。
逆に支配下登録選手を育成選手へシーズン中に契約の切り替えは認められておらず、
シーズン終了後に一旦戦力外通告をしたうえで、支配下選手が育成選手として再契約することは認められています。
育成選手から支配下登録されるのは決して簡単な道のりではないものの、
晴れて支配下登録で球団を代表するするような活躍ぶりを見せている選手はもちろんいます。
ソフトバンクの千賀滉大選手は、育成選手として入団してわずか二年目で実力が認められ、
支配下登録に昇格すると
2017年 最高勝率
2019年 奪三振王
という目覚ましい活躍を果たし、2017年のWBC日本代表にも選出されています。
同じくソフトバンクの甲斐拓也捕手は甲斐キャノンという言葉まで産まれたほどで、
ベストナイン 2017年
ゴールデングラブ賞 2017年、2018年
というソフトバンクの中核をなす選手になりました。
巨人・山口鉄也選手も育成出身で、
支配下登録後は巨人の不動のリリーフとして活躍を続けていて、
2009,2012,2013と最優秀中継ぎ投手を獲得しています。
他にも、
ロッテの岡田幸文選手、西野勇士選手
巨人の松本哲也選手
なども育成選手から支配下登録されて活躍した選手です。
育成から支配下登録で契約金は?
育成選手には契約金が支払われない代わりに「支度金」という名目でお金が支払われます(標準額は300万円)。
育成選手の年俸下限は「240万円」されているのにちして、支配下登録選手の下限は「440万円」。
ただ1軍の最低年俸1300万とされているようなので、
実質的に支配下登録されても2軍のままだと最低年俸440万といった感じです。