柔道の団体戦で階級の違いについて。
柔道団体戦は、男女3階級ずつ、計6試合で争われますが、柔道団体戦はどういう仕組みなんでしょうか？階級差は？
柔道の団体戦｜階級の違い・階級差はなぜ？パリ五輪2024
柔道団体戦は、男女3階級ずつ、計6試合で争われます。 4勝したチームが勝ちとなりますが、3勝3敗になった場合は、抽選で階級を決める代表戦で勝敗を決めます。 出場選手は試合ごとに入れ替えることができ、チーム全体で戦う競技です。
階級の異なる選手が出場するのは、時間的制約と戦術的な面白さを出すためです。 全員が4試合も5試合もしたら、最後までもたないため、試合ごとに下の階級から出したりして、選手のコンディションを調整します。
監督やコーチは、対戦相手のメンバーを見て、勝つ可能性が高い選手を各試合で起用します。 例えば、日本の73kg級の橋本選手は個人戦でフランスのガバ選手の組手争いのスピードに翻弄され敗北したため、団体戦ではよりスピードがあり、ガバ選手に対応できると判断した阿部一二三選手が出場しました。 結果的に阿部選手は敗北しましたが、監督・コーチ陣は各選手の状況を鑑み、戦略的に選手を起用しています。
決勝戦では、6試合を終えて3対3となり、抽選によって男子90キロを超えるクラスで代表戦が行われました。 その結果、日本の斉藤選手がフランスのリネール選手に敗れ、日本は2大会連続の銀メダルとなりました。 この抽選は、コンピューターの専用のソフトが使われていて自動で階級が選ばれる仕組みで、数年前から国際大会で使われています。
柔道の団体戦｜なぜ階級が違う選手同士が対戦するのか？
チーム全体の力を見せる: 柔道は体格差が勝敗を大きく左右するスポーツです。しかし、団体戦では、ある程度の体重差があっても、技や戦略でカバーすることが求められます。これは、チーム全体の総合力を見せる上で重要な要素となります。
戦術の幅を広げる: 体格差がある選手同士の対戦は、通常の試合では見られないような戦術が生まれる可能性があります。例えば、軽量級の選手が相手の体格差を利用して、相手のバランスを崩すような技をかけるなど、様々な戦略が考えられます。
選手の育成: 体格差のある相手との対戦は、選手にとって貴重な経験となります。異なる体格の相手との対戦を通じて、技術や戦術の幅を広げ、より総合的な力をつけることができます。
柔道の団体戦｜パリ五輪2024は階級の違い・階級差で銀メダル
パリ五輪2024の柔道混合団体戦は、男女3名ずつ、計6試合で争われ、先に4勝したチームが勝利となります。3勝3敗になった場合は、抽選で階級を決定し、代表戦で勝敗を決します。 出場選手は試合ごとに入れ替えることができ、チーム全体で戦う競技です。
混合団体戦の特徴は、自身の階級と異なる選手と対戦する場合があることです。 例えば、決勝のフランス戦で、日本は階級差のある対戦を強いられました。 48キロ級で金メダルを獲得した角田夏実選手は、2階級上の選手と対戦し、得意の巴投げで果敢に攻めましたが、持ち上げられてしまう場面もありました。 しかし、角田選手は試合展開に応じて冷静に戦術を組み立て、巴投げで一本勝ちを収めました。
一方、66キロ級で金メダルを獲得した阿部一二三選手は、1階級上の選手との対戦となりました。 阿部選手は自身の柔道を出し切りましたが、相手のジョアン＝ベンジャミン・ギャバ選手に防がれ、延長戦の末、敗北しました。 このように、階級差は試合展開に大きな影響を与える可能性があります。
また、78キロ級の高山莉加選手は、本来出場するはずだった最重量級の素根輝選手が怪我のため欠場したため、階級が上の選手と対戦することになりました。 高山選手は果敢に攻め、大内刈りで技ありを奪い、優勢勝ちをおさめました。
決勝戦は、6試合を終えて3対3となり、抽選の結果、男子90キロを超えるクラスで代表戦が行われました。 この抽選は、コンピューターの専用のソフトを用いて自動的に階級が決定される仕組みで、数年前から国際大会で使用されています。 代表戦では、日本の斉藤立選手がフランスのテディ・リネール選手に敗れ、日本は2大会連続の銀メダルとなりました。
柔道の団体戦｜阿部一二三の階級の違い・階級差についてパリ五輪2024
混合団体戦における階級差の影響について、阿部一二三選手を例に上げると、パリ五輪2024の決勝で本来の階級である66キロ級ではなく、一つ上の73キロ級で戦いました。
これは、対戦相手のジョアン＝ベンジャミン・ギャバ選手の戦術を考慮した上での戦略的判断でした。 73キロ級の橋本壮市選手は、個人戦でギャバ選手と対戦した際、組手争いのスピードに翻弄され、効果的な技を出せずに敗北していました。 監督やコーチは、よりスピードのある阿部選手であれば、ギャバ選手の激しい組手争いにも対応できると判断したと考えられます。
阿部選手は試合の中で、持ち前のスピードと技術を活かして果敢に攻めましたが、階級が上のギャバ選手を相手に、決定打を与えることはできませんでした。 結果として、阿部選手は延長戦の末、すくい投げで一本を奪われ、惜敗しました。 この試合は、階級差が試合展開に影響を与え、たとえ個人戦で金メダリストであっても、階級が上の選手との対戦では苦戦を強いられる場合があることを示す好例と言えるでしょう。
柔道は、ほんの数百グラムの体重差が勝敗を分ける競技です。 混合団体戦では、チームの戦略上、時には選手が本来の階級とは異なる階級で戦うことがあります。 このような状況下では、選手は階級差を克服するために、自身の技術や戦術を最大限に発揮するだけでなく、対戦相手の分析や戦略の練り込みがより一層重要となります。
まとめ：柔道の団体戦｜階級の違い・階級差はなぜ？パリ五輪2024
柔道団体戦は、チーム全体としての強さを競うものです。そのため、個人戦とは異なり、選手は必ずしも自身の本来の階級で戦うとは限りません。 チームの総合的な勝利を目指し、対戦相手やチーム全体のバランスを考慮して、監督やコーチが戦略的に選手を配置します。
例えば、オリンピックの柔道混合団体決勝では、日本チームは以下のように階級の異なる選手を起用しました。
- 高山莉加選手: ふだんは78キロ級ですが、70キロ超級の試合に出場し、本来出場するはずだった素根輝選手の欠場をカバーしました。
- 角田夏実選手: 48キロ級で金メダルを獲得しましたが、混合団体決勝では、2階級上の57キロ級に出場し、勝利しました。
- 阿部一二三選手: 66キロ級で金メダルを獲得しましたが、混合団体決勝では、1階級上の73キロ級に出場しました。
これらの例が示すように、団体戦では、選手が自身の本来の階級とは異なる階級で戦うことが一般的です。監督やコーチは、対戦相手の分析、選手のコンディション、チーム全体の戦略などを考慮し、勝利の可能性を高めるために最適な選手を各階級に配置します。 特に、強い選手が限られているチームでは、同じ選手を出し続けなければならないため、不利になる場合もあります。
しかし、階級が上の選手と戦うことは、選手にとって大きな挑戦となります。体重差は柔道において重要な要素であり、階級が上の選手は、パワーやスタミナの面で有利になることが多いからです。
実際、阿部一二三選手は、73キロ級のジョアン・ベンジャミン・ギャバ選手との試合で、延長戦の末に敗北を喫しました。 阿部選手は持ち前のスピードと技術で果敢に攻めましたが、階級が上のギャバ選手を相手に決定打を与えることはできませんでした。 この試合は、階級差が試合展開に影響を与え、たとえ個人戦で金メダリストであっても、階級が上の選手との対戦では苦戦を強いられる場合があることを示す好例と言えるでしょう。
しかし、階級差を克服し、勝利を収めた選手もいます。角田夏実選手は、本来の階級より2階級上の選手を相手に、得意の巴投げで勝利しました。 高山莉加選手も、本来の階級より上の選手相手に、粘り強い戦いと戦略によって勝利を収めています。
これらの例は、階級差がある試合においても、選手の技術、戦略、そして精神力が重要な要素であることを示しています。選手は、階級差を克服するために、自身の強みを最大限に活かし、相手の弱点を突く戦略を練る必要があります。また、階級が上の選手であっても、油断することなく、常に挑戦者の気持ちを持って試合に臨むことが重要です。
結論として、柔道団体戦における階級の違いは、試合展開に大きな影響を与える要因となります。監督やコーチは、勝利のために最適な選手起用を戦略的に行う必要があり、選手は階級差を克服するために、技術、戦略、精神力のすべてを高める必要があります。
