石川五右衛門は本当に釜茹でにされたんでしょうか？釜茹での刑はどうなる？
石川五右衛門が、豊臣秀吉暗殺を企てた罪で釜茹での刑にされた際、息子（子供）は？
釜茹での刑どうなる？石川五右衛門
釜茹での刑は、油の温度を徐々上げて釜に没した罪人を処刑する性質の刑のようです。
本来、釜茹での刑は釜に湯を張り沸騰させ、縄で吊るした罪人を脚先から浸して引き揚げ、これを絶命するまで繰り返すようです。
巷間の噂では、人は煮られるとゆでだこのように赤くなるという説と白くなるという説があるが、いくつかの事故状況は後者を支持しているようです。
当時日本に来ていたヨーロッパの貿易商が書き、イエズス会の宣教師が注釈をつけた『日本王国記』という史料には、
「Ixicava goyemon」という盗賊が生きたまま油で煮られた、と書かれています。
また当時の公家山科言継の日記『言継卿記』には、名前は書かれていないものの盗賊一人が釜で煎られた、と書かれています。
ただし『言継卿記』には釜で煎られて処刑されたのは頭領一人で、「同類十九人」は磔にされたと書かれています。
ちなみに、以前は石川五右衛門の実在性には疑いがありましたが、現在では彼が実在した人物と考えられています。
さまざまな記録や日誌を総合すると、次のようなことがわかります。
「1594年に盗賊の首領とその仲間約15人から20人がまとめて処刑され、その中の一人、またはその家族（母親や子供）が生きたまま油で釜煎りにされました。釜煎りにされた盗賊の名前は石川五右衛門でした。」
これが石川五右衛門に関する確かな記録であり、彼が盗賊であり、自身または家族ともども釜煎りの刑にされたということがわかります。そのため、彼は非常に凶悪な犯罪者であったか、政治的な意図を持って盗賊行為を行った可能性が高いと考えられます。
それ以外のすべての話は伝説や後世の創作であり、真偽が確かではありません。「秀吉を狙った」「忍者出身であった」「義賊であった」「金の鯱を狙った」「秀吉の香炉を狙ったが失敗した」といった話はすべて真偽が分からない話であり、特に鯱を狙った話は処刑された時代と矛盾する創作であると考えられます。
釜茹での刑で石川五右衛門の息子（子供）は？
石川五右衛門が釜湯の刑に処せられたときに、息子（子供）も釜茹での刑にされたと伝えられています。
子供と一緒に処刑されることになっていたが高温の釜の中で自分が息絶えるまで子供を持ち上げていた説と、苦しませないようにと一思いに子供を釜に沈めた説（絵師による処刑記録から考慮するとこちらが最有力）がある。
またそれ以外にも、あまりの熱さに子供を下敷きにしたという説もありますが錦絵に子供を助けようと両手で掲げて釜茹でにされているものがあります歌川豊国画「石川五右衛門と一子五郎市」）。
また歌舞伎では、釜茹の場面で子供を抱え上げています。
当時は縁座（えんざ）といって、罪を犯した人の身内（乳幼児を含む）も処罰されることがよくありました。
豊臣秀吉は、逃げた侍女を捕らえて処刑した際、侍女の夫、夫との間に生まれた赤ちゃんも釜茹でにしたそうです。
釜茹での刑の場所はどこ？石川五右衛門
1594年、豊臣秀吉に命により、所司代・前田玄以に捕らえられた五右衛門が釜茹での刑に処せられた場所は鴨川の七条辺に釜が淵と呼ばれる場所だとされています。
南区コラム 【京都市公式】京都観光Navi－ によれば「釜ヶ淵」の場所を鴨川と高瀬川の合流点あたりとしており、かつ元々はその地点から北へ約300m上流がその場所であったとしている。
まとめ：釜茹での刑どうなる？石川五右衛門の息子（子供）は？
1593年8月23日、文禄2年、京都の三条河原で、石川五右衛門という盗賊が一族と共に釜茹での刑に処されました（実際には大量の油を使用しました）。この出来事は、当時の貴族の日記である言経卿記や、スペイン人アビラ・ヒロンが来日した際に記した『日本王国記』などに記事があり、ほぼ確かな史実とされています。
つまり、石川五右衛門が豊臣秀吉の時代に実在したこと、そして権力者からは重大な犯罪者と見なされていたことは疑いの余地がありません。
しかし、五右衛門が盗賊だったという情報だけが伝わっており、具体的に何をしたのかはわかっていません。ただし、釜茹での処刑方法は、戦国時代の特異な風習であり、それが五右衛門が何か大きな事件を起こしたのではないかと人々の想像を掻き立てました。
その結果、江戸時代初期には、芝居や小説の世界で五右衛門を義賊とするジャンルである五右衛門物が成立しました。元禄時代以前には『石川五右衛門』という浄瑠璃の上演が行われており、さらに歌舞伎の『金門五三桐』は現在でも人気のある作品です。また、井原西鶴も『本朝二十不孝』で五右衛門を登場させています。
これらの作品群は、義賊としての五右衛門のイメージを強くし、史実とは異なる俗説を多く生み出すことになりました。
