7月31日のなつぞらでは、なつや坂場一久がいよいよ
長編映画の製作に取り掛かることになりました。
坂場一久が駄々をこねて、こだわりぬいた演出で長編漫画映画
「神をつかんだ少年クリフ」を制作したいと主張するのに対して、
あれやこれやと受け流す仲努(井浦新)の姿が新旧入れ代わりの雰囲気を予感。
来週からは長編漫画映画を軸としたストーリー展開になると予想されますが、
「神をつかんだ少年クリフ」の原作モデルはあるんでしょうか?
「神をつかんだ少年クリフ」の原作モデルは太陽の王子ホルスの大冒険か?
なつぞらでは掲示板(ホワイトボード?)に手書きで、
長編漫画映画のタイトルは「神をつかんだ少年クリフ」と発表されました。
なつぞらではこれまでに登場してきたテレビ漫画や長編漫画映画は、
ほぼすべてに原作モデルとなる漫画・アニメがありました。
神をつかんだ少年クリフにも原作モデルがあるだろうと推測されますが、
1968年7月に公開となった「太陽の王子ホルスの大冒険」ではないかと思われます。
なつぞらの設定では時代は昭和40年頃となっているので、
同じころに東映アニメーション(東洋動画のモデル)から発表された長編漫画映画には、
- ガリバーの宇宙旅行(1965年)
- サイボーグ009シリーズ(1966年、1967年)
- 少年ジャックと魔法使い(1967年)
- アンデルセン物語(1968年)
といったものがあるものの、「神をつかんだ少年クリフ」にもっとも近い設定なの緒は、
「太陽の王子ホルスの大冒険」ではないかと思われます。
それに「太陽の王子ホルスの大冒険」で演出を担当しているのが
坂場一久のモデルとなっている「高畑勲」だし、
下山克己(川島明)のモデルとなっている大塚康生も作画監督として参加している点も一致します。
そしてもちろん、神地航也(染谷将太)のモデルとなった宮崎駿も
場面設計・美術設計として「太陽の王子ホルスの大冒険」に参加しているので、
「神をつかんだ少年クリフ」のモデルだと断定しても良いんじゃないでしょうか。
仲努・なつが作画担当する「神をつかんだ少年クリフ」のキアラとは?
「神をつかんだ少年クリフ」の作画を巡っては、
坂場一久がダメ出しを通り越してわがまま(?)を言うようなシーンが印象的でしたね。
特に大きく取り上げられていたのが「キアラ」という少女の作画。
「神の怒りと人間の愛に引き裂かれていくような登場人物なんです」
ということですが、キアラとは「太陽の王子ホルスの大冒険」では、
どのキャラクターがモデルになっているのかというと、
順当に行くとヒロインに当たる「ヒルダ」ではないかと思います。
ヒルダの作画は森康二さんという方が担当していて、
仲努のモデルとなった人ですね。
「ヒルダ」とは悪魔に無理やり妹にされた人間で、
その代わりに永遠の命を持つというキャラクター。
まさに人間の心と悪魔の心を両方を持って、
常に葛藤するキャラクターなのでヒルダ=キアラと考えて良いでしょう。
ちなみに、「太陽の王子ホルスの大冒険」のヒルダの声優は、
市原悦子さん。
市原悦子はレミ子のモデルではないか?と噂になっている人です。
(レミ子のモデルは野沢雅子さんという意見もあります。)
「神をつかんだ少年クリフ」の原作モデル「太陽の王子ホルスの大冒険」とは?
東映アニメーションで初めて制作トップに立った
高畑勲の初監督作品で、アイヌの伝承をモチーフにした
『チキサニの太陽』がベースとなってい間sう。
動画枚数48255枚という当時としては記録的な作画数を誇ったものの、
興行収入では東映アニメーションの長編漫画の最低を記録したとされています。
製作段階でも予算・納期超過などを起こしていたため、
高畑勲らは待遇面で他と格差をつけられたことから、
独立に向けて本格的に動き出すきっかけになったのではと考えられます。
太陽の王子ホルスの大冒険のネタバレあらすじ
ホルス少年が悪魔グルンワルドを退治するまでの冒険ストーリーで、
ホルスの父親はグルンワルドからホルスを守るために
他の人間の許から離して育てます
成長したホルスはある日、岩男モーグに出会うと、
肩に刺さった剣「太陽の剣」を抜いてやるとモーグはお礼だと言って、
太陽の剣をホルスにわたします。
父親が死んだこともあって再び村に戻ったホルスは、
グルンワルドの手下から村を救い、一躍村の英雄となります。
その反面、村長とドラーゴの嫉妬を買い
さらにグルンワルドにも生存がばれて村が襲撃に遭います。
ただホルスを中心に一致団結した村人で追い払い、
討ち逃したグルンワルドの手下の銀色狼を追うなかで、
ヒロインのヒルダと出会います。
ヒルダに翻弄されつつもホルスはグルンワルド討伐の糸口をつかみ、
モーグらの協力もあって「太陽の剣」でグルンワルドにとどめを刺してハッピーエンドを迎えます。