乾雪と湿雪、積もりやすいのはどっち?
天気予報で「湿雪」と「乾雪」という表現ありますが 車の運転においては、どちらが滑りやすいんでしょうか?
乾雪・湿雪|積もりやすいのはどっち?
乾雪と湿雪について、まず、湿雪は水分を多く含んでおり、たくさん降らないと積もりません。気温も0℃以上で降ることが多く、積もった場合でも通行がほとんどない場所が一般的です。湿雪は重いため、雪かきがしんどく、急に気温が下がるとスケートリンクのような路面になります。浅田真央さんのようなスケートリンクができることもありますが、4WD車でも滑りやすいです。
一方、乾雪はすぐに積もり、雪が乾いているほど積もりやすいです。外気温が低いほど積もりやすく、乾雪は風で吹き上がりやすいため、一度積もるとなかなか溶けません。ただし、粒が小さく、さらさらしているため風で吹かれやすい性質があります。乾雪は雪合戦には向かないことも特徴です。
湿雪は粒が大きく、断続的に降るとどんどん積もり、大雪となることがあります。一方、乾雪は降り始めると一面真っ白になり、積雪が早く形成されます。湿雪は湿度が高い地域でよく見られ、乾雪は乾燥した寒冷地域で積もりやすい傾向があります。
雪の質によっても積雪の特性が変わり、湿雪は重たいため被害が大きくなりがちです。一方、乾雪は積雪量に対して軽いですが、被害は風での飛散や物の折れ曲がりなどが主になります。
イメージがわきやすいように具体例を示すと
湿雪とは、雪だるまが作りやすい雪のことです。
・水分が多く含んでいるために、粘着力があり雪がくっつきやすい(雪玉を転がすだけで雪玉が大きくなります)
(もちろん、かまくらも作りやすいです。)
・乾雪だと水分が少ないため、固まりにくく、さらさらしているために、雪がくっつきにくい(雪だるまがつくれません)
乾雪とは、スキーヤーやスノーボーダー(特に中級者以上)が喜ぶ雪のことです。
・水分が少なく軽いため、深い雪の滑走面でもスキー板の抵抗が少なくて滑りやすく、最高に楽しい滑りが出来ます。
(ニセコのパウダースノーのとりこになったスノーボーダーは、全国に数多くいます。)
・水分が多い湿雪だと重いため、スキー板の抵抗が大きく、深い雪の斜面だと前に進みにくく、スキーになりません。
乾雪・湿雪|滑りやすいのはどっち?運転は?
乾雪と湿雪、滑りやすいのはどっちかというと、乾雪よりも、湿雪の方が滑りやすいと言えます。
雪が滑りやすいかどうかは、以下の2つの要素によって決まります。
路面の摩擦係数
タイヤのグリップ力
路面の摩擦係数が高いほど、滑りにくくなります。逆に、路面の摩擦係数が低いほど、滑りやすくなります。
タイヤのグリップ力が高いほど、滑りにくくなります。逆に、タイヤのグリップ力が低いほど、滑りやすくなります。
■乾雪
乾雪は、粒が小さく、水分量が少ないため、路面との間に空気が入り込み、摩擦係数が高くなります。そのため、乾雪の上では、車や人が滑りにくいと言えます。
ただし、乾雪は風に吹き飛ばされやすいため、視界が悪くなる「ホワイトアウト」の原因となります。また、乾雪が降り続いて凍結すると、ブラックアイスと呼ばれる非常に滑りやすい路面になることがあります。
■湿雪
湿雪は、粒が大きくて、水分量が多いため、路面との間に空気が入り込みにくく、摩擦係数が低くなります。そのため、湿雪の上では、車や人が滑りやすくなると言えます。
また、湿雪は乾雪よりも重いため、車の重さで押し潰されにくく、厚い雪の層が残りやすい傾向があります。厚い雪の層の上では、タイヤのグリップ力が低下するため、さらに滑りやすくなります。
乾雪・湿雪を問わず雪道の運転は要注意
雪道の運転における注意点について、まず、雪道での運転には様々な注意が必要です。雪道をノーマルタイヤで走行することは非常に危険ですので、スタッドレスタイヤやチェーンを必ず装着してください。スリップによるトラブルを避けるため、急な車線変更や急ブレーキは厳禁です。先行車との車間距離を十分に取り、発進時はアクセルをじわりと踏み込んでゆっくり発進しましょう。また、屋根に積もった雪はブレーキ時にフロントガラスへ雪崩を起こし、視界が不良になる可能性があるため、運転前には必ず除雪を行ってください。
雪道に関する予備知識として、雪道を走る前に対策を講じることが重要です。通常のウォッシャー液では凍結する可能性があるため、寒冷地用のウォッシャー液に入れ換えましょう。スタッドレスタイヤを装着していても、タイヤチェーンとジャッキは必須です。冬場は不測の事態に備え、ブースターケーブルや毛布も用意しておくと安心です。
雪道での運転において、特に気をつけるべきポイントがいくつかあります。まず、靴についた雪をしっかり落としてから運転を始めることが大切です。靴底に雪がついたまま運転すると、アクセルやブレーキのペダルを踏み外す可能性があります。運転のはじめには、アクセルやブレーキの具合をチェックし、雪道に慣れるよう心がけましょう。車間距離を広めに取り、坂道では上り坂ではアクセルの踏み込みを一定に、下り坂では低めのギアでエンジンブレーキを使用して安全に運転しましょう。急な操作は避け、無理な車線変更や追い越しは行わないようにしましょう。
雪道路面の摩擦係数が低下することにより、スリップや制動距離の延長などのリスクが高まります。雪解け水が凍結してできる「アイスバーン」にも注意が必要です。このアイスバーンは種類によって異なり、圧雪アイスバーン、ブラックアイスバーン、ミラーアイスバーンがあります。それぞれの特徴に留意して慎重な運転が求められます。
初心者が雪道で運転する際には、特に以下のポイントに留意することが重要です。まず、適切なタイヤを使用し、追い越しや急発進・急ハンドル・急ブレーキといった急な操作は避けましょう。車間距離を確保し、轍の上を走ることで安全な道を見つけやすくなります。危険なポイントでは特に慎重に運転し、冷静な判断が求められます。
まとめ:乾雪・湿雪は積もりやすいのはどっち?滑りやすいのは?運転は?
乾雪と湿雪、積もりやすいのはどっちかというと、環境・気象条件にもよりますが、おおむね積もりやすいのは、乾雪です。
雪が積もりやすいかどうかは、以下の2つの要素によって決まります。
雪の粒の大きさ
雪の水分量
雪の粒が大きければ大きいほど、雪同士がくっつきやすくなり、積もりやすくなります。一方、雪の水分量が多いほど、雪同士がくっつきにくくなり、積もりにくくなります。
乾雪は、粒が小さく、水分量が少ないため、積もりやすいと言えます。
湿雪は、粒が大きくて、水分量が多いため、積もりにくいと言えます。
ただし、積雪量という観点では、湿雪の方が積もりやすいと言えます。
乾雪は、粒が小さく、空気を含むため、体積が大きく見えます。しかし、実際には、水分量が少なく、重量が軽いため、積雪量は少ないと言えます。
湿雪は、粒が大きくて、水分量が多いため、体積が小さく見えます。しかし、実際には、水分量が多く、重量が重いため、積雪量は多いと言えます。
乾雪と湿雪の滑りやすさについては、まず、積もった雪で車が滑りやすいのは湿り雪です。湿雪は水分を多く含んでいるため、除雪しづらくなり、車が滑りやすい状態になります。湿雪が積もった場合、路面が湿っているので凍る心配はありませんが、シャーベット状になり、ハンドルがとられることがあります。
一方で、乾雪はそのまま飛んでいくか踏まれて固まるかで、比較的走りやすい性質があります。特に極低温での乾雪は、風で吹かれやすく、吹き溜まりができやすいため、注意が必要です。北海道の非都市部などでは、吹き溜まりを突破しながら走破することがあるそうです。
湿雪は水分が多くてガリガリに凍りつくことがあり、ワイパーにこびりつくこともあるため、運転に支障をきたすことがあります。一方で、乾雪は滑りにくいですが、走行風で舞ってホワイトアウトすることがあります。
湿雪と乾雪、少量の雪でも厄介なのは湿雪で、多量になると厄介なのは乾雪です。湿雪は水分を多く含むため、積っただけでも問題はありませんが、翌日の早朝に凍りついてブラックアイスになりやすく、乾雪よりも厄介な要素があるといえます。
路面が凍結していなくて、タイヤの排水が追いついていれば、部分的な湿雪は滑ることはないでしょう。しかし、湿雪の上を踏み潰せない場合はずるずると滑りやすくなります。ノーマルタイヤでは雪の影響を受けやすいため、冬用装備が必要です。