科学実験で過冷却を利用してペットボトルに入った水を一瞬で凍らす方法は?
家庭冷凍庫で確実に過冷却水を作るやり方のコツは?
水を一瞬で凍らせる方法!過冷却の実験のコツは?
過冷却とは、水などの液体が個体に状態変化する凝固点と呼ばれる温度(凍って個体になる温度)を下回っても個体にならず液体のまま冷やされること。
たとえば、水は本来であれば0度以下になると凍りはじめ個体に状態変化していきますが、ある条件を満たすと0度以下でも凍らず、液体のまま冷やされ続けることがあります。
原理的には、水をいれたペットボトルを冷凍庫で3~4時間ほど静かに置いて0℃以下に冷やしておいて、ペットボトルに刺激を与えれば、水の結晶化が一気に進み一瞬で凍るはずです。
過冷却状態にある水に刺激が加わると凝固が始まってしまうので、次の点に注意することが水を一瞬で凍らせる過冷却の実験のコツとなります。
①水道水でいいですが、なるべく不純物がない方がいいのでお茶ではダメかも。
②タオルを巻くか、保冷用ペットボトルホルダーに入れて冷凍庫へ入れます。
③冷凍庫を-3~-5℃に設定します。急速冷凍はダメです。
冷凍庫が強烈過ぎる場合はチルド室かパーシャル室でして下さい。
④冷凍庫で氷になってしまったら、時間を短くしてやり直してください。
⑤冷凍庫からは静かに出してください。振ったら凍ってしまいます。
⑥お皿は冷やしておいて下さい。お皿で温度が上がったら氷になりません。
⑦氷といってもシャーベット状です。
⑧お皿で失敗しても、残りを振るとシャーベット状になります。
⑨シャーベット状にならなかったら0℃以下じゃないということです。
⑩水のままだったら時間を長くしてやり直してください。
水道水の場合には、一度沸騰させた湯ざましを使うようにしましょう。(溶けている気体を追い出します)
ペットボトルは中までよく洗剤で洗っておいて、実験中は冷蔵庫や冷凍庫を開け閉めしないように注意します。
この状態で、3~4時間静かに置いて水温が0℃以下(出来れば-4℃~-5℃)になっていれば、静かにペットボトルを取り出して、ふたを少しだけ緩めて降り混ぜると、一瞬で凍るのを見ることができます。
この方法でうまくいかなければ、少量の食塩や砂糖を溶かすことによって、凝固しにくくなりますので、食塩や砂糖を少量溶かしてみてもいいかもしれません。
■参考:過冷却の原理
水の分子は液体の状態では自由に動き回っています。しかし、氷の状態では決まった位置に落ち着いて結晶化しています。水が氷になるには、水の分子が「自由に動き回る状態」から「決まった位置に落ち着く状態」にならなければなりません。そのためには、氷の種となる微少な氷の結晶(氷核)が必要ですが、氷核ができるにはきっかけとなるわずかなエネルギーが必要になるのです。ところがゆっくり均一に冷やされると、このエネルギーが得られなくなり、条件によっては-10℃以下でも凍らない場合があります。物質が液体から固体に変わる温度(凝固点)以下の温度でも液体のままでいる状態を過冷却といいます。この過冷却の水に衝撃を与えたり氷のかけらを入れたりすると、一瞬にして氷に変わるのです。
https://site.ngk.co.jp/lab/no81/
冷蔵庫で水を一瞬で凍らせる(過冷却)やり方は?
原理的には、純水でも冷凍庫で3~4時間静かに置いて、0℃以下に冷やした水に刺激を与えれば、結晶化が一気に進み一瞬で凍るなずなのですが、現実には、冷蔵庫の開け閉めや、モーターの振動などで凍り始めてしまい、うまくいかないようです。
過冷却水は振動やちょっとしたきっかけ(ほこりの侵入)などであっという間に凍ってタダの氷になってしまいます。
「小さなほこり」でも「結晶の種」になってしまいますので、実験器具の洗浄はしっかりと。
事前に冷蔵庫で水を冷やすことで水温を全体的に下げ、開始温度を一定にしておきましょう。
家庭用冷蔵庫ってモーターやドアの開け閉めでけっこう振動しているため、出来る限りモーター音の静かな冷凍庫(無振動タイプが利用できれば一番良い)を使うようにしましょう。
またゆっくり冷えるように保冷用ペットボトルホルダーにいれます。タオルでもいいですが、「ゆっくり冷える」が大事です。