大河ドラマ「光る君へ」の「かささぎ語り」について。
「かささぎ語り」はオリジナル脚本？架空？
実在したけれど 現存していない？ 現存しているのでしょうか？
かささぎ語り｜光る君へ（大河ドラマ）で紫式部（まひろ）
結論から言うと、大河ドラマ「光る君へ」に登場する「かささぎ語り」は、作者の大石静さんによる創作であり、実在しない物語です。 この物語は、紫式部が「源氏物語」を執筆する前に書いたとされており、宮中の女性たちの間で評判となり、藤原道長の耳にも届いたという設定になっています。 道長は、娘の彰子を楽しませるために「かささぎ語り」を読ませたいと考えますが、原稿は既に燃えてしまっていました。 そこで道長は、彰子のために新しい物語を書いてほしいとまひろに頼みます。
「かささぎ語り」の内容は、「男装した女」と「女装した男」の物語であり、 作者は、従来の男女の役割を逆転させることで、ジェンダーや社会規範について問題提起を試みているのかもしれません。 また、カササギは七夕の伝説で、織姫と彦星を橋渡しをすることから、男女の縁を結ぶ力を持つ象徴として用いられています。
「かささぎ語り」はドラマ中の創作ではありますが、「源氏物語」が誕生するきっかけとして重要な役割を果たしています。 まひろは「かささぎ語り」を執筆した経験から、自分らしい物語を書こうと決意し、「源氏物語」を書き始めます。 結果として、「源氏物語」は道長の思惑通り、彰子が一条天皇の寵愛を得るためのツールとして機能することになります。
かささぎ語り｜光る君へ（大河ドラマ）第30回「つながる言の葉」感想
第30回「つながる言の葉」では、紫式部（まひろ）と和泉式部の出会いや、まひろを取り巻く人間関係、そして「源氏物語」誕生のきっかけが描かれました。
特に印象的だったのは、以下の3点です。
- 和泉式部の斬新な登場: 鮮やかな色の衣装をまとった和泉式部（あかね）が、自身の歌を披露するシーンは、彼女の自由奔放な性格をよく表しており、強い印象を与えました。 また、和歌の勉強会でまひろと出会い、歌を介して心を通わせる様子は、二人の関係性が今後どのように変化していくのか、興味を引くものでした。
- 「枕草子」の流行と道長の焦り: 宮中で「枕草子」が流行し、一条天皇が亡き定子を偲んでその文章を楽しんでいる様子が描かれました。 それを見た道長は、自身の娘である彰子に天皇の関心が向かない現状に焦りを感じ始めます。 この焦りが、後の「源氏物語」誕生へと繋がっていく重要な伏線となっています。
- 「源氏物語」誕生の兆し: まひろは、道長の依頼で「かささぎ語り」という物語を書き始めますが、娘の賢子に燃やされてしまいます。 その後、道長から彰子のために新しい物語を書いてほしいと頼まれたまひろは、自分らしい物語を書こうと決意し始めます。 これは、まひろが「源氏物語」の作者として、そして一人の女性として成長していく重要な転換点と言えるでしょう。
その他にも、藤原公任とその妻・敏子の夫婦関係や、まひろと賢子の親子関係など、様々な人間模様が丁寧に描かれていました。
次回以降、「源氏物語」の執筆が本格的に開始されると思われます。まひろがどのような物語を紡ぎ出すのか、そして「源氏物語」がまひろや道長、そして彰子の人生にどのような影響を与えるのか、今後の展開が非常に楽しみです。
かささぎ とは？｜光る君へ（大河ドラマ）第30回「つながる言の葉」感想
カササギ (鵲、学名: Pica pica もしくは Pica serica) は、スズメ目カラス科に分類される鳥類です。日本では北海道、新潟県、長野県、愛媛県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県で繁殖が確認されており、その他多くの県でも生息が確認されています。
カササギの特徴
- 体長は約40cmで、体の半分以上が尾です。
- 羽から胸にかけて白と黒のツートンカラーが特徴です。
- 雑食性で、昆虫、ミミズ、貝類、魚類、カエル、果実、穀物、豆類などを食べます。
- 繁殖期は2～5月で、高い木の梢や電柱の上に、小枝や竹などを使って巣を作ります。
- 最近では、樹木よりも電柱に営巣する傾向が強くなっており、巣材にハンガーや針金を使うこともあるようです。
- 産卵数は巣によって異なり、平均で5～8個です。
- ヒナは約20～25日で巣立ちますが、親鳥から完全に独立するまでには、さらに1ヶ月ほどかかります。
- 天敵はカラス、ネコ、ヘビ、イタチ、フクロウなどが挙げられます。
日本におけるカササギ
- 日本では、カササギは古くから知られており、七夕伝説では、織姫と彦星の間をつなぐ掛け橋の役を担う鳥として登場します。
- しかし、古代の日本には、カササギは生息していなかったと考えられています。
- 現在、日本に生息しているカササギは、17世紀に朝鮮半島から人為的に持ち込まれたものが起源だとされています。
- 豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に持ち帰られたという説もありますが、確かな記録は残っていません。
- 江戸時代には、佐賀藩と柳川藩で主に保護され、珍重されていました。
- 1923年には、佐賀県の生息地が国の天然記念物に指定されました。
- 佐賀県では、1965年に県鳥にも指定されています。
カササギと文化
- カササギは、その白と黒のコントラストの美しさや、複雑な形の巣を作る器用さから、多くの文化圏で特別な存在として認識されてきました。
- 東アジアでは、カササギは吉兆を運ぶ鳥として、古くから絵画や文学のモチーフとして用いられてきました。
- 特に、七夕伝説との関連は深く、中国や韓国、日本など、東アジアの広い地域で、カササギは織姫と彦星を結びつける橋渡し役として描かれています。
- 一方、西洋文化では、カササギは「おしゃべり好き」「泥棒」といったイメージで語られることもあります。
NHK大河ドラマ「光る君へ」におけるカササギ
- 第30回「つながる言の葉」では、紫式部が「かささぎ語り」という物語を書いていたという設定が登場します。
- この物語は、心は女なのに男として生きている者と、心は男なのに女として生きている者を描いたものでした。
- カササギは、この二人を引き合わせた存在として描かれています。
- しかし、この「かささぎ語り」は、紫式部の娘である藤原賢子によって燃やされてしまい、その後、再び書き直されることはありませんでした。
- この出来事がきっかけとなり、紫式部は「源氏物語」を執筆することになります。
まとめ：かささぎ語り｜光る君へ（大河ドラマ）で紫式部（まひろ）
「光る君へ」で登場した「かささぎ語り」は、実在しない架空の物語であり、ドラマの中で紫式部が創作した物語として描かれています。この「かささぎ語り」は、単なる架空の物語ではなく、実際の『源氏物語』の創作に深く関わる重要な要素となっています。
■「かささぎ語り」が持つ意味
実験的な物語: 「かささぎ語り」は、紫式部が様々な物語の形式やテーマを試すための実験的な作品だったと考えられます。男女の性別の入れ替わりという斬新なテーマは、後の『源氏物語』における多様な恋愛模様の描写に繋がっている可能性があります。
作家としての成長: 「かささぎ語り」を書くことで、紫式部は物語の構成や人物描写、テーマ設定など、作家としての基礎を築いたと考えられます。
道長との関係: 「かささぎ語り」は、道長との関係を深め、紫式部が宮廷で活躍するきっかけとなった重要な作品です。
■「かささぎ語り」と『源氏物語』の共通点
テーマの多様性: 両作品とも、恋愛、友情、家族、社会など、様々なテーマを扱っています。
人物描写の深さ: 登場人物の心理描写が深く、読者に共感を呼び起こします。
物語の構成: 複雑な物語構造を持ち、読者を飽きさせません。
