映画やアニメなどの批評で「外連味のない」というコメントを見かけることがありますが、外連味のないとは意味・読み方は?
外連味のないとは意味・読み方は?ほめ言葉?けなす言葉?
外連味のないとは読み方は「けれんみ」。
「外連味」の意味は辞書を見ると「俗ウケを狙ったいやらしさ。はったり。ごまかし。」と書いてある通り
ですから、「外連味がない」とは、「俗受けをねらったいやらしさがない。はったりがない。ごまかしがない。」ということで、ほめる程ではないものの、好感がもてるといったところでしょうか。
映画やアニメなどの批評で「外連味のない」と称されるのは、そもそも作品作りにおいて「ごまかし」や「はったり」は必要不可欠な要素だからでしょう。
例えば、往来で悪事の真っ最中の悪人たちの頭上から、「待てッ!」と ヒーローの声が響いてきたとします。が、舞台は街中だったはずなのに、 声のする方を悪人達が見上げると、いきなり断崖絶壁の端っこから ヒーローが見下ろしていたり…こんな光景は良くあると思います。 あるいは、野球マンガで投手が渾身の決め球を投げる際、いきなり 背景に炎が噴き上がり、空に暗雲が立ちこめたりします。ボールだって 空中でお餅みたいにひしゃげて、何十秒も滞空したりもします。 球場で試合中にそんな怪現象が実際に起きたら、即刻コールドゲームに なるでしょう(笑)。 映像作品では、こういった「はったり」の「でたらめ」が素晴らしい 劇的な効果となりうるのです。演出で盛り上げるのに、「ウソ」は 強力な武器になります。 理詰めで正確で正しい、論理的なキチッとした作風も良いですが、 作品を盛り上げる為には、そういった正確さ、整合性といったものを あえて無視して、理屈に合わない無茶苦茶なごまかしやインチキを、 堂々と観客に叩き付けて見せる事も時に大事なのです。
外連味を使った言葉に「外連味たっぷり」と言う言葉があります。
こちらはイヤミを含めた意味で使用しますので、纏めると
外連味は少ない方が好まれ、多いと嫌がられる
ということではないでしょうか。