学生のころからつい最近まで、僕は生きるというのは基本的につらいことだと思っていた。ところが、そのつらさの大部分が簡単に消えてしまったのでこんなこともあるんだという意味で伝えてみたい。
長いので1度に読み切るのは大変だと思うので、ブックマークで入れておくことをおすすめします。
※この記事は「はてなブックマーク」で1000件以上もブクマされた人気エントリーを題材にしています。
気分の浮き沈みが激しい原因をわずか数日の食事療法で改善した話
中学生のころから、いつも体のだるさを感じていた。お腹も弱く、何かあると下痢してばかり。当然元気なんかあるわけなく、高校生のころもあんまり前向きな人間ではなかった。
でも頑張ればなんとかなると思える若さもあり、インスタントコーヒーに砂糖をぶちまけて勉強をしたら大学には合格した。
大学では典型的な怠惰な学生で、起きるのはデフォルトで午後、授業には半分も出ていないと思う。無気力で今にして思うと鬱状態だった。
何とか卒業してIT企業にシステムエンジニアという名の末端プログラマとして就職したが、そこでの仕事の仕方も追いたてられてやっているような感じで、いつも綱渡りをしているような気分で全く余裕はなかった。
それでも20代のうちはなんとかなったし、結構業績もあげたので30前半も20代の貯金でなんとかやっていけていた。
けれど30半ばになって全く新しい仕事をやらなくてはならなくなり、そこでクラッシュして休職した。
復職してからは自分の頭や体の調子を冷静に見るようになって、ヘビースモーカーだったのを禁煙したり、ランニングを始めたり、食べ物に気をつけたりしたところ、
少しずつだけど調子は上向きになっていったけど、根本的に何かおかしいと思っていた。以下ここまでで出ていた症状。
- 朝はどんなに寝ても起きるのがつらい(体が痛かったり、悪夢を見たり)
- 特に疲れていなくても昼食後異常に眠い
- 弱いお腹(煙草をやめたらずいぶんましになったがラックビーは手放せない)
- お腹がすきやすい
- お腹がすくと頭がふらふらして働かなくなる
- なので甘いものが異常に食べたくなる
- どうでもいいことで怒りっぽい
- どうでもいいことに緊張する
- どうでもいいことに傷ついて落ち込む
- 夕方過ぎの焦り、無気力
- 突然やってくる自己嫌悪発作
- 関節のだるさや痛み
- 走ると膝が怪我しやすい
- 蕁麻疹
- アレルギー
- 疲れやすい
- 集中できない
- 寝つきが悪い
- 寝覚めも悪い
- シニカルなものの見方
- 反・非社会的言動
- ランダムなおしゃべりを楽しめない
- 飲み会の最中に寝てしまう
- 食事をしてもだるくて楽しめない
- 性欲亢進
- たちくらみ
- 頭痛
- めまい
- 耳詰まり
仕事は、失敗するのが怖くて異常に神経を集中させてやる。だからうまくいくときはいいけど、失敗すると目も当てられない。うまくいってもうまくいかなくても疲弊してしまう。うまくいった仕事は、人の手助けとか責任がなくて気軽にやったものがほとんど。
こういう状態だから、とても悩んでいろんなメンタルの本や啓発系の本を読んだけど解決するには至らなかった(違う意味で色んな示唆は受けたけど、特に瞑想とか)。
そんなある日、アメリカ人の書いた本を読んだところ、こんなことが書いてあった。
炭水化物を減らす
炭水化物は”全粒”がキーワードです。白いパンや白いご飯、白いパスタなどの精製された炭水化物は血糖値を急激に変化させ、気分をコロコロ変えてしまいます。
「脳にいいことだけをやりなさい」マーシー・シャイモフ、三笠書房
アメリカの啓発系の本は説教くさくなくプラクティカルなので好きなんだけど、早速、玄米やライ麦パンを試してみたところ、頭がすっきりした感じがした。
個人的にこの本を全面的に評価するわけではなく、最後のほうにはカルトっぽい不穏な記述もあるので、要は部分的にでも役立てばなんでもいいんじゃないかと。
さらに調べてみたところ「低血糖症」のキーワードにたどりついた。
特に下の本には大いに驚かされた。
「低血糖症と精神疾患治療の手引き」マリヤ・クリニック院長 柏崎良子、イーグレープ
この本によると、低血糖症患者(反応性低血糖症の場合)は食後の血糖値が急激に上昇するために、インスリンが出過ぎてしまい3-4時間後に血糖値が異常に低くなってしまうとのこと。
血糖値が低くなりすぎたりすると、血糖値を上げるためにアドレナリンやノルアドレナリンが分泌され、分泌されたアドレナリンやノルアドレナリンが情動を司る脳の分野(大脳辺縁系)を刺激して感情的興奮を引き起こす。
具体的には怒り、憎しみ、敵意、焦燥感、恐怖感、落ち込み、悪夢、不眠、自殺観念といった感情を招き、脳全体の機能のバランスが悪くなり、感情をコントロールできずに「キレる」症状を起こす原因の一つともなります。
とのこと。症状はより詳しく以下のものがリストされている。
- 攻撃的行動
- うつ的衝動
- 性格の異常化
- 感情の抑制ができない
- 判断の統合ができない
- 引きこもり
- 自律神経失調症
- 完璧主義になる
- 健康の認識基準が低い
- 自責の念が強い
- 過度に目的志向型になる
- 幻聴幻覚の症状
- 不眠と悪夢
- 「キレて」止まらない症状
- ストレスへの対応
- 感情表現の欠如
また、コルチゾールも分泌されるが、血糖値を上げるためだけに使われてしまい、アレルギーや炎症が出るとのこと。これも自分のつらい症状とドンピシャ。
極め付けはこの文章。
青少年期から低血糖症の患者は、低血糖の異常状態に慣れていて、それを通常の状態であると誤認していることもあります。低血糖症がもたらす他の症状のために来院し、検査の結果、低血糖症であることがわかり、治療して後、体質も性格も変わり、自分の健康状態、正常な状態を知って驚くことも多くあります。
メディアでも砂糖の取り過ぎが精神疾患のリスクになるという専門機関の研究結果を紹介しています。
東京都医学総合研究所などの研究班は11日、思春期に砂糖を取りすぎると統合失調症などの精神疾患を発症するリスクの一つになる可能性があると発表した。マウスを使った実験でわかったという。同研究所の平井志伸主任研究員は「砂糖の過剰摂取に気を付けてスイーツを楽しんで」と呼びかけている。
統合失調症や双極性障害は若い世代で多く、遺伝的な要因と患者を取り巻く様々な環境要因が重なって発症すると考えられている。また、患者には清涼飲料水を1日2リットル飲むなど、多量の砂糖を取る傾向があることが知られている。
https://www.asahi.com/articles/ASPCB6G0BPCBULBJ00Q.html
これだけ言われたら試すしかないと思い、駄目だったら田舎にでも引っ込んで低位安定の人生を送ろうと決心。
試行錯誤の末、食生活をこんな風に変えてみた。
マクロビオティクスとは穀物や野菜など日本の伝統食をベースとした食事法のこと。
厳密にはその土地の旬のものをバランスよく丸ごと食べようというもので食文化研究家の桜沢如一(さくらざわ ゆきかず)氏が提唱し世界に広まったとされています。
最適な食べ方は人によって違ってくるとだろうけれど低GIで少量頻食にするのがポイント。
ミネラルバランスに配慮して、そもそも内臓系に疾患がないか検査しておくことをおすすめします。
マクロビオティクスでは必然的に野菜を食べる量が多くなるが、もし食費にもう少しお金を回せる余裕があるなら、野菜宅配(オイシックスなど)を利用するのがおすすめ。
農薬が悪だとは言うつもりはさらさらなく、単純にちょっと高い無農薬野菜は本当に味が濃くて料理の美味しさが見違えるように変わる。野菜スティックでも十分に酒のつまみになる。
生活が厳しくてぎりぎりというのであれば、もちろん、近所のスーパーで売っている野菜で構わない。
食事で気を付けなえればいけない重要な点は次の3つ。
- お腹半分でまでしか食べないこと
- 空腹のタイミング(糖質ゼロの時間帯)を作らないこと
- ソースも含め砂糖とブドウ糖果糖液を徹底的に避けること
食べるものは基本的にマクロビオティクスに肉と卵を足したものだと思えばいい。最初はSoyJoyも食べていた(症状が重くなければ十分効果があると思う)。
そして仕事をするとき、ハムスターのようにミックスナッツをボリボリ食べると大体お腹が満たされる。13時〜14時の魔の時間帯も眠気対策になり仕事がとても捗る。
ただこのミックスナッツが意外に高価だ。スーパーなどで買おうにも少量しか売っていなかったりする。安くお得に買いたければコストコかAmazonで大量買いに尽きる。
酒は翌日に残っていたのが残らなくなったのであんまりセーブしていないがビールを飲むととたんにおかしくなるのでで飲む種類は蒸留酒と赤ワインがメイン。むしろ野菜と肉と魚でお酒を飲むと眠くならないし飲むのが楽しくなってきた(甘いつまみは厳禁だけど)。
ちなみに、頭が働かない時にブドウ糖や甘いものを、と宣伝されているけど、あれは砂糖業界の陰謀だとしか思えない。その一瞬はいいけど、すぐに悪循環に入ってむしろ悪化する。たんぱく質だって脂肪だって時間はかかるけどブドウ糖に分解される(厳密に言うと糖新生される)ので最終的な効果は一緒で、プロテインのほうがいきなり吸収されないぶん血糖値を上げず安全だったりする。
だから泰葉みたいに砂糖を食べてはいけなくて、ふらふらする前にたんぱく質か低GI食品を食べるのが正解。
効果は笑っちゃうくらいすぐ出た。2日~3日もするとまず日中の集中力が圧倒的に戻ってきて、仕事でいい資料は作れるし、ミーティングで効果的な発言はできるように
客に嫌味を言われても精神的ダメージが薄れ、むしろ冷静に指摘としてとらえられるメンタルへと切り替わってきた。
寝る前にもナッツとプロテインを補給しているせいか朝は気持ちよく目覚めるし、いらいらすることがないから性格も丸くなった。
ちなみにプロテインの種類は、なんでも良いわけじゃなく「ウエイトアップ」「ウエイトゲイナー」などの名前がついていると糖質メインのプロテインなので、血糖値を無駄に上げやすくあまりおすすめできない。
空腹感を減らすには胃腸内でゆっくりと吸収され腹持ちが良い「カゼインプロテイン」や「ソイプロテイン(大豆プロテイン)」がおすすめ。
自分は食物繊維も含まれていて日ごろ不足しがちな栄養素も併せて摂取できる「アルプロン 大豆プロテイン100」(アミノ酸スコアが100!)を愛用してる
なによりうれしいのは、「ひらめき」が継続して発展させられるようになったこと。
以前だったら、プライベート・仕事を問わず調子のいい時に思いついたアイデアも昼食をとるとリセットされていた。
それが今では結構ややこしい問題に関する説明資料を1ヵ月かけて作って客のお偉方にプレゼンしたりなんてことが、簡単ではないにしても十分に手ごたえを感じられるパフォーマンスを出せるように。
もしもう少し若い時に同じことができていたら、高給取りのコンサルになれたのになと思ったりもする。今や仕事の企画を考えるのが楽しくて仕方がない。
ランニングも調子よく、以前だったらハーフマラソンに出るたびに怪我をしていたのが、今回はフルマラソンを走っても3日後には練習が再開できるくらい。
胃腸については、お腹を壊すことはほぼなくなり、肉を大量に食べても以前のように次の日にトイレに監禁されることもなくなり難なく消化できるようになった。
おまけに、インスリンダイエットとプロテインダイエットを同時にやっているようなものだからいい感じに引き締まってきた。もともと痩せていたが、初老のジジイのようなだらしない体型だった。
一応、病院にも行って、保険適用外の5時間糖負荷検査というのを受けた。検査の最中から慣れ親しんだ嫌な身体的心理的症状が出て、結果は見事に反応性低血糖症(200以上に上がった血糖値が4時間後に50近くまで落ちた)だった。
念のため保険適用外のサプリ(結構高い)も買ったけど、なくても食事とプロテインだけで十分に効果があるのはわかったので使うのはやめた。
低血糖症を治療することでうつ病だけでなく、統合失調症も良くなるらしいとのこと。統合失調症になったことはないのでよくわからないけど。
ただ、不定愁訴系はかなり治るような気がするし、いらいらしてキレやすい犯罪者やDQNは、自分もそうだったから治療可能だと思う。
今の典型的な仕事のやり方はこんな感じ
9時にオフィスに行って仕事の段取りを考えたり、プライベートでやらなきゃいけない振込とかをする。
みんなが来る10時前にはたまったメールも見て簡単だけど急ぎの仕事を片付けてしまう。
午前中は集中しないといけない仕事に取り掛かり、一人でブレストしてアイデアを出す。
昼食はどのみち軽いので、余った時間で本を読む。これも眠くならないのですっと頭に入ってくる。
午後は午前に思いついたアイデアを文書にまとめ、誰かと一緒にレビューする
午後の遅い時間にミーティングをまとめてやる。
夕方以降は明日以降の仕事の準備とか、調べものとか、重めのメールの返信とか。
遅くとも19:30には余裕をもって帰宅。この段階で明日以降の大まかな段取りはできている。
何をやったらいいかわからなくて無為に時間を過ごして、無力感と自責感にさいなまれながらだらだら遅くまでいた以前とは大違い。
起きてから寝るまで苦も無く集中できるということがいかに素晴らしいか痛感する。
マネージャーをしていたころ、組織のしがらみやグダグダの人間関係にとても疲れたことがあったけど、そういう仕事も懐深くできるような気がする(あくまで気がするだけだけど)。
プライベートでもランニングがこれまで以上に楽しくなったほか、もともと好きだった音楽や映画も心の底から楽しめる感覚が本当に久しぶりに戻ってきた。
今はスカンチを聞きなおして曲の良さにほれぼれしているところ。(年がばれるな)
味覚も鋭くなって、豆や野菜の自然なおいしさがよくわかる。自然のおいしさを理解して生かしている料理を食べると嬉しい。
※鉄腕DASHでTOKIOのメンバーが農家に訪問しては「うまい!」「おいしい!」と大げさにアピールしているのは、テレビ用じゃなくてガチの本音だぞ、あれ。丁寧に育てられた野菜はマジで味が濃くてドレッシングなしのほうが逆に美味い。
不健康なものは体が受け付けなくなってきて、二度とチェーンの居酒屋なんか行けないけど。妻や友人と過ごす時間も増え、こんな簡単に幸せになっていいんだろうかと思う。
経済的な不安はまだまだあるけど、幸せっていうのは結局、自分の状態のことなんだなと実感した。
ともかく空腹感や満腹感で良くも悪くも気分や体調が変わってしまう人は試したほうがいいかも。症状が治まった目で見るとそういう人がとても多いように見える。
追記:
一時期はもしかしてセリアック病なんじゃないかと考えだしました。
セリアック病による自己免疫不全でお腹の具合が悪く、小腸から栄養が吸収できないということなのかなと。
ハーフマラソン後に誤って飲んだオレンジジュース(炭水化物30g)で体が発狂(痙攣と胃腸障害)したので
糖尿病の併発も多いようで、結局は低血糖症で言われているのと同じ現象が発生し、治療法もほぼ同じとのこと。
アメリカでは保険適用で4,000万人くらい潜在患者がいるとのこと。日本で普通の治療になったら、長期のうつ病や進行した結果としての糖尿病やメタボが過去のものになるかもしれないと思う。
ただセリアック病のテストを受けてみたところ陰性(ネガティブ)で体質的に炭水化物不耐性で、その症状として低血糖症とみられる症状が起きていたようです。