告別式を含めて通夜や葬儀、3回忌などの
法事に持っていく数珠の色は特に指定はありません。
数珠には、赤、透明、白、黒、紫、ピンク
などいろいろな色がありますが、
自分の好きな色の数珠を選んで構わないものの、
地域のルールがあるかもしれません。
各家庭でのしきたりが存在する場合もあるので、
どんな数珠を使えば良いのか心配になったら、
両親や祖父母などに相談をするのが良いです。
数珠に関して、色には特に指定は存在しないものの、
男女では数珠の球の数・大きさに違いがあります。
また数珠は貸し借りしてはいけないとされていて、
1人が1つ持つべきものとされています。
もし数珠をまだ持っていない、もしくは、
数珠の用意が間に合わないような場合であっても、
誰かの数珠を借りるようなことは避けましょう。
告別式の数珠の色や材質ごとの意味
告別式に参列するにあたって、
どんな色の数珠を持っていかなければいけないのかというと、
数珠の色や珠数などのデザインには特にしきたりやルールはありません。
ただ地域によっては、数珠の色によって赤は慶事用とか、
葬儀では透明の珠に房が白の数珠を使うとか、
その他の法事には色のついた珠で房も色物を使うなど、
細かいルールが存在している可能性もあります。
他の地域からやってきて、数珠をこれから用意するという場合には、
周囲に1度、相談をしてみるのが良いでしょう。
厳密に言うと、浄土真宗や曹洞宗など、
各仏教宗派によって正式な数珠(本式数珠)というのがあります。
ただこれは、僧籍のある僧侶が持っていれば十分で、
一般の私たちが持つ数珠に関しては、
どんな仏教宗派でも共通して使える略式数珠を選べばOKです。
数珠の色に関しては、七宝が良いとされていて、
七宝とは、大乗仏教の経典「無量寿経」に出てくる
- 金
- 銀
- 瑠璃
- 玻璃
- しゃこ
- 珊瑚
- 瑪瑙(まいかい)
の7つです。
見慣れない漢字が使われていますが、
瑠璃はラピスラズリ(青い色)と推定されて、
玻璃は無色の水晶を指しています。
シャコはシャコガイの殻
珊瑚は白色系サンゴ
瑪瑙は赤色系の宝玉を指すと言われています。
実際に数珠の色でよく見かけるものには、
- 黒
- 茶色
- 赤
- 紫
- 水色
- 白
- 透明
といった感じです。
このうち、いくつかの数珠の色・材質について説明をしていくと、
透明(水晶)
水晶の数珠は「千億倍の福」があるとされています。
真言宗の開祖である空海(弘法大師)が
師である恵果阿闍梨から授けられた数珠も
水晶だったと言われています。
水晶の持つ力として、
「あらゆる報障を除滅し、一切の悪業染着すること能わず」
と経典にも説かれています。
白色(白珊瑚や白瑪瑙、真珠、ホワイトオニキスなど)
白は清楚で上品な印象があるので、
告別式などの法事では喪服と良くなじみます。
白色には強い浄化の力があるとされています。
女性用の数珠で白色を好んで選んでいる人が多いです。
黒(黒檀や紫檀など)
木から作られることもあれば、
タイガーアイやオニキス、黒曜石といった
天然石が使われることもあります。
黒曜石は古来から交易やお守りにも
使われてきた、私たちの祖先が良く親しんでいた鉱石です。
黒い色は静かな強さ・格調の高さを司っています。
紫(アメジスト)
アメジストはずっと昔から高貴な石とされていて、
宗教儀式に用いられることが多かった鉱石です。
強い癒しの力を持つとされています。
水色(アクアマリンやブルートパーズ)
水色や青色には、
沸き立った感情を穏やかにしてくれるパワーがあるとされています。
房の色や選び方
数珠には房がついているタイプも良く見かけますが、
房の色やデザインに関しても、
法事ごとに特にしきたりがあるわけではりません。
告別式など個別の法事にとらわれることなく、
同じ房の数珠を使って構いません。
房にもいろいろなデザインがあり、
- ピンク
- 黒と白銀ライン
- 濃えんじ色
- 白色
- 紫
などいろいろな色がありますが、
自分の好みで選んで構いません。
数珠とは?
数珠はお経を読む回数を数えるための道具(仏具)で、
「数を念ずる」とか「数を記す」といった目的があることから、
数珠(もしくは念珠、寿珠)と呼ばれるようになりました。
数珠の起源はお釈迦様が生きていた時代にまでさかのぼります。
疫病が流行って困っていた「難陀国(なんだこく)」
という国の王に釈迦様がこんな風に伝えたとされています。
百八の木けん(木へんに患)子(もくけんし)の実をつないで、
いつも手にして心から三宝(仏・法・僧)の名を唱えなさい。
そうすれば煩悩が消え、災いもなくなります。心身も楽になるでしょう
三宝の名とは
- 南無帰依仏
- 南無帰依法
- 南無帰依僧
と唱えることで、木けん(木へんに患)子とは、
現代で言うと、羽子板の羽根の重しになっている
木の実のことを指しています。
数珠の珠の数は、人間の煩悩の数と同じ
108個が基本と言われています。
ただ実際私たちが普段、よく見かける数珠の数は、
108個ではなくて、持ちやすいように
半分の54個とか27個、22個、18個など、
いろいろな種類があります。
数珠には男性用・女性用がある
数珠は男性用と女性用で珠の大きさや仕立ての色に違いがあり、
男女共用の数珠はありません。
男性用の数珠は女性用の数珠に比べて
一回り以上大きい直径10mm以上の珠が使われているのが一般的で、
黒や茶といった落ち着いた色を良く見かけます。
女性用の数珠は直径8mm以下の珠が使われていて、
明るめの色の珠や房の数珠を選んでいる方が多いです。
男性用の数珠では、珠の数が
22玉のものが現代で一般的だそうです。
20玉や18玉の数珠もありますが、
玉の数が少なくなるほど
1つの玉の大きさは大きくなります。
女性用の数珠は8mm程度の小ぶりのサイズの玉が使われ、
数珠の輪の大きさは約25.5cmほど。
正式数珠と同じ108個の玉が使われている
二重の数珠が一般的です。
八宗用数珠と呼ばれる数珠になりますが、
全ての大乗仏教に使えるオールマイティな
本式数珠だとされています。
数珠は必要?貸し借りはNG?ないとダメ?
数珠には男性用・情勢用の区別があるように、
男女間で貸し借りができないのはもちろんのこと、
同性であっても貸し借りするものではありません。
1人が1つ持つものとされているので、
法事の前にはできるだけ自分用の数珠を用意しておきたいところ。
ただ、数珠の用意がどうしても間に合いそうにない場合は、
法事で数珠は必須というわけではありません。
服装や香典、焼香の際の作法に気を付けていれば、
周囲にひそひそ言われる心配はなさそうですが、
数珠なしだと非常識だとみなされる危険はあります。
社会人になると法事に参加する機会は増えますし、
年齢が高くなればなるほど頻度も高くなりますから、
いずれにしても自分用の数珠は早目に用意しておくのが良いでしょう。
浄土真宗など数珠の選び方(本式数珠・略式数珠)
正式な数珠・念珠(本式数珠)は
- 親珠
- 主珠
- 四天珠
- 弟子珠
- 露珠
- 浄明珠
- 中通しの紐
といったパーツで構成されています。
全部で108つの珠が使われていますが、
珠一つずつが百八の煩悩を司る仏様をあらわしています。
人間のあらゆる煩悩を
数珠が引き受けてくれると言われています。
数珠の大きさや素材の選び方など、
各仏教宗派によって異なっています。
厳密に考えると本式数珠を使わなければいけないものの、
僧籍のない私たちが遺族側(喪主)や弔問客として、
法事に参列する分には、略式数珠で構いません。
略式数珠はどんな仏教宗派にも使えるタイプの数珠で、
仏具店などに行けばどこにでも置いてあります。
浄土真宗など各仏教宗派の数珠の持ち方・使い方
数珠の輪の中に手を通すことで、
仏の世界と自分自身を繋ぐという意味があります。
数珠の持ち方・手の通し方に関して、
各仏教宗派ごとにちょっとしたルールの違いがあります。
天台宗
右手の人差し指と中指の間に掛けるように数珠を持ち、
そのままの状態で合掌します
真言宗
両手の中指に数珠を掛けます。
房は自然に下向きに垂れるように持ちます。
浄土宗
2つある輪の親玉を揃ええるように親指に掛け、
房は手前に下します
浄土真宗
本願寺派の場合は数珠を二重にして合掌した手に掛け、
房を下に垂らします。
大谷派の場合は二重にした数珠を
親指と人差し指の間ではさんで
房は左手側に垂らします。
曹洞宗
数珠を二重にして左手に掛け、
そのまま右手を合わせて合掌します。
日蓮宗
数珠の輪を8の字に捻じって中指に掛け、
右手に二本に房、左手に三本房が来るように持ちます。