「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」という短歌の意味を解説!
作者・石川啄木の「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」という短歌の感想文は?
どんな表現技法が使われているんでしょうか?
不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心の意味を解説
「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」という短歌の意味を現代語訳すると、
十五歳のとき,不来方のお城(=盛岡城)の草に寝ころんで,(空を見ていると) 心まで空に吸われてしまったようだ。
15歳の啄木は,盛岡中学(現在の,盛岡第1高校)の生徒でした。学校の近くにある盛岡城趾は,草原が広がっていていました。啄木は,学校近くの城趾にあった草原に寝転んで,空を見ていた時の様子を歌ったものです。
■品詞分解
不来方(名詞)の(格助詞)
お城(名詞)の(格助詞)草(名詞)に(格助詞)
寝転び(動詞バ行4段連用形)て(接続助詞)
空(名詞)に(格助詞)吸わ(動詞ハ行4段未然形)れ(助動詞受身)し(助動詞過去)
十五(名詞)の(格助詞)心(名詞)
不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心|表現技法は?
「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」という短歌の表現技法は
体言止め
倒置法
擬人法
体言止め
『心』という体言(名詞)で終わっているので。
体言で終わる事により,余韻を残す。
倒置法
心(主語)と吸われし(述語)の順序が逆。
強調。印象的。
擬人法
「空に吸われし」の部分
句切れ
三句切れ。
(四句目からは心情を述べている。)
不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心の感想
石川啄木の短歌「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」は、15歳の啄木が盛岡城の草原に寝転んで空を見上げたときの様子を歌ったものです。
「不来方のお城」とは、岩手県盛岡市にある盛岡城のことです。盛岡城は、13世紀に築城された城で、江戸時代には南部氏の居城として栄えました。現在は城郭のほとんどが残っていませんが、草原が広がり、市民の憩いの場となっています。
啄木は、盛岡中学(現在の盛岡第一高校)に通っていた頃、この盛岡城の草原によく通っていました。彼は、草原に寝転んで空を眺めるのが大好きで、この短歌は、そんな彼の思い出を歌ったものです。
「空に吸はれし十五の心」とは、空を見上げているうちに、心が空に吸い込まれていくような感覚を表現したものです。これは、15歳の啄木が、まだ何も知らない、将来に希望に満ちた頃の心境を表しているのかもしれません。
この短歌は、啄木の青春時代の思い出を歌った、美しい作品です。また、この短歌は、私たちに、将来への希望と夢を与えてくれる作品でもあります。