「薬屋のひとりごと」で指切り(ゆびきり)の意味は?
猫猫は母親・鳳仙によって小指の先を切られましたが、理由はなぜなんでしょうか?
薬屋のひとりごと|指切り(ゆびきり)の意味は?
「薬屋のひとりごと」で登場する指切り(ゆびきり)は、古来からの日本の風習や文化に由来しています。
指切りは、古代の遊女たちが、自分の小指の一部を切って相手に渡す行為から始まりました。これは呪いというよりは、真の愛情や覚悟を示す行為でした。遊女たちは自らの小指を切って相手に渡し、「商売文句ではなく、私は本当に貴方の事を愛しています」という覚悟を伝えました。この風習は、江戸時代に吉原で盛んに行われていました。
現代では、「指切り」は恋人同士が約束を交わす際に、お互いの小指を絡めることで行う風習として残っています。この行為は、「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ます」という言葉とともに、「約束を守ることを誓う」という意味を持ちます。
したがって、「薬屋のひとりごと」での指切りは、本当の愛情や覚悟を示す行為として、物語の中で重要な意味を持っています。
薬屋のひとりごと|猫猫の小指なぜ切られた?
「薬屋のひとりごと」で、猫猫が母親である鳳仙によって小指の先を切られた理由は、鳳仙が自分の覚悟と気持ちを伝えるためでした。
鳳仙は、かつて羅漢という男性に心から愛されていました。しかし、身請け金の問題や予期せぬ出来事で羅漢が長い間帰ってこなかったため、鳳仙は絶望しました。3年もの間、羅漢から音沙汰がなかったことで、「羅漢に捨てられた、騙された、嘘だった」と感じ、自暴自棄になりました。
それでも、鳳仙は自分の本当の気持ちを伝えたかったのです。そこで、古来の日本の風習である「指切り」を参考にしました。指切りは、愛情や覚悟を示す行為であり、鳳仙は自分の覚悟を示すために、自分の小指と猫猫の小指を切って、羅漢に送りました。これは、「本当に愛してる、子供も産んだ」という想いを伝えるための行為でした。
薬屋のひとりごと|羅漢は鳳仙を捨てた?愛していた?
「薬屋のひとりごと」で羅漢は序盤こそ鳳仙のことを「気に入った妓女がいた」程度にしか話していませんが、羅漢は鳳仙の事を心から愛していました。鳳仙も羅漢の事を愛していました。
だけど妓女である鳳仙を妻として迎える為には身請け金が必要で、当時の羅漢には到底払えない金額でした。
金もツテもない2人は、鳳仙の妓女としての価値を落とし他の客からの身請け話を無くす事を考え実行します。
計画は上手く行き、あとは責任を取る形で鳳仙を身請けするだけだったのですが、タイミング悪く羅漢は父親の命で遠く離れた地に追いやられてしまいます。
直ぐに帰れるだろうと羅漢は楽観視していたのですが、予想とは裏腹に3年間帰れなくなってしまいました。
その間、鳳仙は猫猫を産み羅漢が迎えに来てくれるの待っていましたが、3年もの間音沙汰無かったので「羅漢に捨てられた、騙された、嘘だった」と我を忘れてしまいます。
それでも諦めきれなくて、切った指を羅漢に送ることで「本当に愛してる、子供も産んだ」と自分の覚悟と気持ちを伝えようとしました。
まとめ:薬屋のひとりごと|指切り(ゆびきり)の意味は?猫猫の小指なぜ切られた?
「薬屋のひとりごと」における「指切り」は、呪いではなく、鳳仙が羅漢への愛と覚悟を示す行為です。
3年間、羅漢に会えず、「捨てられた」「弄ばれた」と感じた鳳仙は絶望し、自暴自棄になります。しかし、最後の望みとして、羅漢への真摯な想いを伝えるために、「本当に愛している」「子供も産んだ」「嘘じゃない」という気持ちを込めて、自分と猫猫の指を切り落としました。
「指切り」は、江戸時代の遊女が好意を寄せる男性に、変わらぬ愛情の証として小指の先を切り渡したことから始まったと言われています。
現代では、約束を守る印として、お互いの小指を絡ませ、「指きりげんまん、嘘ついたら針千本飲ます……」と誓い合う風習があります。