映画「ラストマイル」とドラマ「miu404」「アンナチュラル」のつながりについて
映画「ラストマイル」とドラマ「アンナチュラル」7話は、白井一馬という登場人物を通して、彼が「許されるように生きる」道を選んだことが描かれています。
一方で、同じように過激な行動に出た筧まりかという存在を通して、「赦し」の難しさや、それでも生きていくことの大切さを問いかけています。
ラストマイル（映画）関係・つながり｜miu404の3話
映画「ラストマイル」とドラマ「MIU404」の第3話「分岐点」は、登場人物とテーマの両面で密接に関係しています。
1. 登場人物の繋がりと成長
- 勝俣奏太: ドラマ「MIU404」3話で描かれた、高校生の勝俣奏太は、窃盗事件を起こした先輩をかばい、陸上部の廃部という憂き目に遭います。 仲間と共に警察を欺くゲームに熱中する様子は、未熟で行き場のない怒りを抱えた若者の姿でした。 しかし、映画「ラストマイル」では、陣馬耕平の相棒として警視庁刑事部第4機動捜査隊に所属する刑事として登場します。 これは、彼が「MIU404」3話で伊吹と出会い、自身の過ちを反省し、更生したことを示唆しています。 実際に「MIU404」最終話で、勝俣は「人生やり直し中」というアカウント名で「つぶったー」に登場しています。
- 陣馬耕平: 「MIU404」でも描かれていたように、陣馬は若手の育成に熱心な人物です。 映画「ラストマイル」では、かつて過ちを犯した勝俣を、自身のバディとして迎え入れ、成長を促しています。
2. テーマの繋がり：社会システムと個人の責任
- 「ラストマイル」における社会システム: 映画「ラストマイル」は、巨大化する物流システムの裏側にある、過酷な労働環境や、責任の所在の曖昧さといった問題を浮き彫りにしています。 「What you want?」という偽CMのキャッチコピーは、利便性を追求する消費者の欲望が、そうしたシステムを生み出しているという現実を突きつけています。
- 「MIU404」3話における社会システム: ドラマ「MIU404」3話では、不正を隠蔽しようとする高校や、ネット上のゲームに影響されて犯罪に走る若者たちの姿を通して、現代社会におけるモラルの低下や、システムの歪みが描かれています。
- 個人の責任: どちらの作品も、大きなシステムの中で、個人がどのように責任を果たしていくべきなのかを問いかけています。 「MIU404」3話で、伊吹は、勝俣に対して「逃げるか、来るか、今決めろ」と迫ります。 これは、自らの行動に責任を持つことの大切さを突きつける言葉であり、「ラストマイル」で刑事として成長した勝俣の姿は、その問いかけに対する一つの答えを示しています。
3. 対比:
- 「MIU404」3話で描かれたもう一人の少年: 「ラストマイル」で刑事として成長した勝俣とは対照的に、「MIU404」3話で登場したもう一人の少年・成川岳は、違法ドラッグの売人によって、闇の世界に堕ちていきます。 これは、同じような境遇に置かれても、その後の選択によって、全く異なる未来が待ち受けていることを示唆しています。
映画「ラストマイル」とドラマ「MIU404」3話は、登場人物たちのその後の姿や、社会システムと個人の責任という共通のテーマを通して、私たちに様々な問いを投げかけています。
miu404の3話あらすじネタバレ
「MIU404」の第3話「分岐点」では、西武蔵野署管内で頻発するイタズラ通報に対応する伊吹と志摩の姿が描かれます。 このイタズラ通報は、通報者が警察から逃げ切ったら勝ちというネット上のゲームを模倣したものでした。
■犯人は元陸上部員
犯人は、廃部になった私立バシリカ高校の元陸上部員たちでした。 彼らは、先輩たちのドーナツEP売買の責任を負わされ、最後の大会出場を奪われたことに対する鬱憤から、犯行に及んでいたのです。
■真木の拉致と勝俣の選択
元陸上部員たちは、元マネージャーの真木カホリに通報役をさせていました。 しかし、彼らが再びイタズラ通報を行っている最中、真木が連続わいせつ犯に拉致されるという事件が発生します。 伊吹は、犯人の一人である勝俣に「俺は今から真木を助けに行く。逃げるか来るか今決めろ」と迫ります。 勝俣は、伊吹たちの助けを求め、真木は無事に助け出されます。
■成川のその後
一方、勝俣と共にイタズラ通報を行っていた成川岳は、その場から逃走します。 そして、彼の前に、ドーナツEPを持った謎の男（菅田将暉）が現れます。
■その他
- この回では、「アンナチュラル」の毛利刑事と向島刑事が登場し、「MIU404」と「アンナチュラル」の世界が繋がっていることが示されます。
- ラストシーンでは、桔梗に子供がいたことが明らかになります。
「MIU404」第3話は、一見軽い悪ふざけに見えた事件の裏に、高校生の行き場のない怒りや、犯罪に走る若者たちの問題、そして真木を襲ったような現実社会の闇が存在することを浮き彫りにしています。
ラストマイル（映画）関係・つながり｜アンナチュラルの7話
映画「ラストマイル」とドラマ「アンナチュラル」の第7話「殺人遊戯」は、登場人物の繋がりと成長、そして「赦し」と「贖罪」というテーマにおいて深く結びついています。
■登場人物の繋がりと成長：白井一馬のその後
- 「アンナチュラル」7話での白井一馬:
- 高校生だった白井は、親友・横山伸也がいじめが原因で自殺したことに絶望し、加害者を罰するために自殺に見せかけた復讐を企てます。
- しかし、ミコトの言葉と、中堂の「許されるように生きろ」という言葉によって、自殺を思いとどまります。
- 「ラストマイル」での白井一馬:
- 映画「ラストマイル」では、白井はバイク便の配達員として登場します。
- 久部のもとにメディカル便を届けるシーンは、彼が命を軽視していた過去を乗り越え、「命を繋ぐ仕事」に就いていることを象徴的に示しています。
■テーマ：赦しと贖罪
- 白井一馬の贖罪: 白井の職業選択は、彼が横山の死を背負い、「許されるように生きる」ための贖罪の道を選んだことを示唆しています。
- 筧まりかの贖罪:
- 一方で、映画「ラストマイル」の犯人である筧まりかは、恋人の山崎佑を死に追いやった会社と社会への復讐として、連続爆破事件を起こします。
- 彼女は、自らの命と引き換えに、社会に問題提起をしようとしました。
- 「赦し」の難しさ:
- 中堂は筧の行動を「見上げた根性だ」と評しますが、ミコトは「そんな根性ならいらない」と反論します。
- これは、どんな理由があっても、人の命を奪う行為は許されるべきではないという強いメッセージ性を感じさせます。
- 白井は「許されるように生きろ」という言葉の通りに生きていますが、筧は「自らの命と引き換えに罪を償う」という道を選びました。
- 2人の対比を通して、「赦し」の難しさと、それでも生きていくことの大切さを訴えかけていると言えるでしょう。
■その他の共通点
- 「アンナチュラル」7話と「ラストマイル」の犯人の共通点: 「ラストマイル」の筧まりかと、「アンナチュラル」7話に登場する白井一馬は、どちらも大切な人を失い、その悲しみから、過激な行動に走っています。
- 白井は自殺を図ろうとし、筧は連続爆破事件を起こしました。
- どちらも、自らの行動によって、「世の中に何かを訴えかけよう」としていたという点で共通しています。
アンナチュラル7話あらすじネタバレ
「アンナチュラル」7話「殺人遊戯」では、高校生・白井一馬が「殺人者S」と名乗り、親友・横山伸也の死の真相を明らかにするため、インターネット生配信を使った殺人劇を計画します。
物語の始まり: 三澄ミコトの弟・秋彦の予備校に通う白井一馬は、クラスメイトの横山伸也と共に、クラスメイトの小池たちからいじめを受けていました。
事件発生: ある日、白井は「殺人者S」と名乗り、インターネット上で生配信を開始します。配信には、被害者である横山の遺体と、人質として捕らえられたもう一人の人物の姿が映し出されます。白井は視聴者に対し、横山の死の真相を解き明かすようミコトに要求します。
ミコトの推理: ミコトは、中堂の協力も得ながら、限られた情報から推理を進めます。
* 白井の意図: ミコトは、白井が単なる殺人犯ではなく、横山の死といじめ問題を世間に知らしめようとしていることを見抜きます。
* 横山の死因: 配信映像や証拠品から、横山は背中を3箇所刺されて死亡したことが分かります。当初は他殺が疑われましたが、ミコトは傷跡の形状や状況証拠から、横山が自ら背中を刺した自殺であると断定します。
白井の告白とミコトのメッセージ:
* 白井の真意: 白井は、横山が自分を庇ったためにいじめの標的となり、2人で復讐を計画していたことを告白します。しかし、小池たちにアリバイがあったため計画は失敗。追い詰められた横山は、自殺を選んでしまったのでした。
* ミコトの言葉: 自らも自殺を図ろうとしていた白井に対し、ミコトは「あなたが死んで何になるの？あなたをいじめた人たちは新しい人生を生きていく。あなたの人生を奪ったことを忘れて生きていくの。あなたの人生はあなたのものだよ。」(出典：)と語りかけます。
結末: ミコトの言葉に心を動かされた白井は、自殺を断念します。駆けつけた中堂は、白井からナイフを取り上げ、「死んだやつは答えちゃくれない、この先も。許されるように、生きろ」(出典：)と言い残します。
その後: 事件後、中堂はミコトに、8年前に殺害された恋人・夕希子の事件と、同様の痕跡が残る未解決事件の関連を調べようとしていることを打ち明けます。
「アンナチュラル」7話「殺人遊戯」のポイント:
- 「いじめ」という社会問題: 本作は、インターネット生配信というセンセーショナルな題材を通して、「いじめ」という根深い社会問題に焦点を当てています。
- 「生存者の罪悪感」: 横山の死に責任を感じ、自らも命を絶とうとする白井と、過去の事件に苦悩する中堂の姿を通して、「大切な人の死を乗り越え、どのように生きていくべきか」という重いテーマが描かれています。
- ミコトと中堂の対比: 生きることを肯定するミコトと、死者の無念を晴らそうとする中堂。対照的な2人の正義が、事件を通して浮かび上がります。
「ラストマイル」との繋がり:
にもあるように、「ラストマイル」では、白井はバイク便の配達員として登場します。これは、彼が過去の過ちを乗り越え、「命を繋ぐ仕事」に就いていることを示唆しており、「アンナチュラル」7話のラストシーンと深く繋がっています。
まとめ：ラストマイル（映画）関係・つながり｜miu404の3話・アンナチュラルの7話
映画「ラストマイル」は、ドラマ「MIU404」「アンナチュラル」と世界観を共有する作品であり、登場人物の出演や共通のテーマを通して繋がっています。
1. 登場人物の繋がりと成長
- 「MIU404」3話と「ラストマイル」の勝俣奏太: 「MIU404」3話で警察を翻弄するゲームに熱中していた高校生・勝俣は、「ラストマイル」では陣馬の相棒として刑事として登場します。これは彼が伊吹との出会いを経て更生し、成長したことを示しています。
- 「アンナチュラル」7話と「ラストマイル」の白井一馬: 「アンナチュラル」7話で自殺未遂を起こした白井は、「ラストマイル」ではバイク便の配達員として登場します。これは彼が過去を乗り越え、「命を繋ぐ仕事」に就いていることを象徴的に示しています。
2. 共通のテーマ：社会システムと個人の責任
- 巨大システムの歪み: 3作品を通して、巨大化するシステムの裏側にある過酷な労働環境や責任の所在の曖昧さ、モラルの低下といった問題が描かれています。「ラストマイル」では物流システム、「MIU404」3話では不正を隠蔽する高校やネット上の犯罪、「アンナチュラル」では様々な事件を通して、これらの問題が浮き彫りになっています。
- 個人の選択と責任: これらのシステムの中で、個人がどのように責任を果たし、生きていくべきかが問われています。「MIU404」3話での伊吹の言葉「逃げるか、来るか、今決めろ」は、自らの行動に責任を持つことの大切さを示しており、刑事として成長した勝俣の姿は、その問いかけに対する一つの答えとなっています。
3. その他の繋がり
- 「アンナチュラル」UDIラボのメンバー: ミコトを始めとするUDIラボのメンバーは、「ラストマイル」でも爆破事件の犠牲者の解剖や関係者への聞き込みを通して事件に関わります。彼らの存在は、「アンナチュラル」と「ラストマイル」の世界が地続きであることを明確に示しています。
- 「MIU404」の登場人物: 伊吹や志摩といった「MIU404」の主要人物も、「ラストマイル」の事件捜査に登場します。また、桔梗は西武蔵野署の署長として事件の指揮を執り、陣馬は相棒となった勝俣と共に捜査にあたります。
4. 「ラストマイル」と「アンナチュラル」7話における「赦し」
- 白井と筧の対比: 「許されるように生きる」道を選んだ白井と、復讐のために自らの命を犠牲にした筧。2人の対比を通して、「赦し」の難しさ、そしてそれでも生きていくことの大切さが描かれています。
映画「ラストマイル」は、「MIU404」「アンナチュラル」の登場人物たちのその後を描くだけでなく、共通のテーマや伏線を回収しながら、より深く社会問題を掘り下げ、私たちに更なる問いを投げかけていると言えるでしょう。
