洗濯マグちゃんは金属の中でも水に溶けやすい性質(といってもごく微量)を持つマグネシウムが主原料の洗剤で、
通常の水(水道水)のPHをわずかにアルカリ性にすることで洗濯ものの汚れを落とす洗浄効果が期待できます。
「マグネシウムは金属だから毒性があるんじゃないの?アレルギーは?」という不安を持つ人もいると思いますが、
そもそも私たちの体を健康的に維持するためにはマグネシウムは鉄やナトリウム、カリウムなどと同じく必要なミネラルの一つ。
一度に大量にマグネシウムを過剰摂取しなければ無害と言って良いですし、
同じように環境に悪影響を与える心配もありません。
気になるのはマグネシウムが主原料の洗濯マグちゃんの洗浄効果ですが、
残念ながら効果が期待できるケースと期待できないケースがあります。
洗濯マグちゃんで消臭・除菌効果は期待できるのは「酸性汚れ」と呼ばれるもので、具体的には
汗
糞尿
皮脂
よだれ
涙
血液
といったものになります。
人間や動植物が分泌するような臭い汚れに関しては洗濯マグちゃんで消臭・除菌効果は期待できますが、
「アルカリ性汚れ」に関しては洗濯マグちゃんでは消臭・除菌効果は期待できません。
「アルカリ性汚れ」の洗濯、消臭・除菌に関しては洗濯マグちゃんではなくて
酸性の性質をもつ洗剤などを使う必要があります。
酸性の性質をもつ洗剤とは具体的に、
クエン酸
セスキソーダ
過炭酸ナトリウム
などがあります。
洗濯マグちゃん効果なし?消臭、除菌効果は?
洗濯マグちゃんはマグネシウムを利用した洗剤で、マグネシウムが水に溶けてアルカリ性のアルカリイオン水が制裁されることで洗浄力を発揮します。
化学的には
Mg + H2O2 → Mg(OH)2 + H2
Mg:マグネシウム
H2O2:水
Mg(OH)2:水酸化マグネシウム
H2:水素
といった感じで、使用量にもよりますが洗濯マグちゃんは使うことで水のPHは9.5くらいのアルカリ性を示すようになります。
洗濯マグちゃんを使えば通常の洗濯用洗剤や柔軟剤を使わなくても、高純度のマグネシウムからアルカリイオン水と水素が生成され、部屋干しの臭いの防臭や汚れを落とす洗浄効果が期待できます。
市販の洗剤には洗浄剤として環境への影響が懸念される界面活性剤が含まれているものの、
洗濯マグちゃんなら界面活性剤を使わずに済むので、人にも環境にも優しい上に汚れ落ちも良い洗剤として注目を集めています。
ただ、洗濯マグちゃんの口コミを見てみると、利用した人全員が効果に満足しているわけではありません。
中には「臭いがとれない」「汚れが落ちない」といった口コミも見られますが、
その理由としては洗濯マグちゃんは万能な洗剤ではなくやはり得意・不得意があるからです。
洗濯マグちゃんが洗浄効果を生み出す仕組みをもう少し詳しく説明すると、
洗濯用の水をアルカリ性に傾けることで、洗濯物に付着している酸性汚れを中和させて洗濯物から取り除きます。
賛成汚れとは何ぞや?というと具体的には、
汗
糞尿
皮脂
よだれ
涙
血液
といったものが挙げられ、こうした汚れに関しては洗濯マグちゃんでしっかりと洗浄、消臭・除菌効果が期待できます。
洗濯マグちゃんの場合さらに、水素でも汚れを落とすことができます。
消費者庁は27日、洗濯補助用品「洗たくマグちゃん」を洗濯機に入れると、マグネシウムの効果で洗剤や柔軟剤を使わずに洗濯できると表示したのは根拠がなく、景品表示法違反に当たるとして、販売する「宮本製作所」(茨城県)に再発防止などを命じた。対象は布製の袋に粒状のマグネシウムが入っている商品で、他に「ベビーマグちゃん」と「ランドリーマグちゃん」も含まれる。
同庁によると、宮本製作所は包装や自社ウェブサイト上で、商品を洗濯機に入れると「水道水がアルカリイオン水に変わる」「洗浄力は洗剤と同等」「除菌効果は99%以上」などのほか、部屋干し臭も防ぐとうたっていた。
水素自体の洗浄力はほとんど期待できないものの、分子が小さい水素ガスが洗濯物の繊維の隙間に入りこんで汚れを落とす効果が期待できます。
実際に洗濯マグちゃんの口コミを見てみるとこれまで市販の洗剤では落ちなかった汚れが落ちた!と言う人もいます。
その反面、洗濯マグちゃんでは「アルカリ性汚れ」を落とすことはできません。
アルカリ性汚れには具体的には
といったものがあり、これらの汚れに関しては洗濯マグちゃんで洗浄するのは難しく、消臭・除菌効果が期待できません。
1回の洗濯で洗濯マグちゃんの使用量は?
洗濯マグちゃんは半永久的に使い続けられるわけではなく洗濯で使用するたびに徐々に消耗していきます。
1度に必要以上の洗濯マグちゃんを使ってしまうと、消耗がそれだけ激しくなってしまうものの、かといって使用量が少なすぎると洗浄効果は期待できません。
では洗濯マグちゃんの1回の使用量はどのくらいが目安になるのかと言うと、
洗濯物5キロに対して洗濯マグちゃんは1個(100グラム)です。
もし汚れが落ち切っていなかったり、臭いがまだ残っているようならば、
洗濯マグちゃんですぐに洗濯を始めるのではなくて、桶などに洗濯マグちゃんと臭いと汚れが残った洗濯物をつけ置き洗いしてから洗濯すると良いです。
つけおき洗いの時間は30分が目安になります。
洗濯マグちゃんのマグネシウムの安全性は?
洗濯マグちゃんの効果について調べていると、微生物に対する毒性を懸念する記事も見かけました。
確かに洗濯マグちゃんの除菌効果とはつまり、微生物を含む雑菌の活動力を弱めたり滅菌・殺菌といった効果に相当するので、
微生物への影響はゼロとは言えないでしょう。
ただ、マグネシウムは人工的な成分ではなくて自然界にもともと存在するミネラルの一種であるし、
1度に大量のマグネシウムを使用したり、アルカリ性を極端に強めたりしなければ、自然の生態系を壊すほどの影響はないと言えそうです。
マグネシウムは人体に0.15%含まれている必須ミネラルで、体重70kgの人は105gがマグネシウムです。
http://www.kaminagahanbai.co.jp/mgwet.html
地殻中に2%、海水に0.13%含まれているので一度の洗濯で0.02~0.05g程度のマグネシウムが環境に出ても環境汚染にはなりません。
ただ、アルカリ性に傾いた水は皮膚を腐食する危険はゼロではありません。
通常の洗濯洗剤や台所用の中性洗剤でも肌荒れするほど肌が弱い人は、
洗濯マグちゃんを使った洗濯水を素手でわからないほうが良いです。
また、洗濯マグちゃんを溶かした水が目に入ったり飲みこんでしまったりすると、
粘膜を傷つけてしまう危険性があるので、その点は気を付けたいところです。
洗濯マグちゃんのメンテナンスはクエン酸?お酢で復活?
洗濯マグちゃんは使っているうちに、最初は銀色でピカピカしていたのがドンドン黒ずんでい来ます。
マグネシウムが酸化して表面に酸化した皮膜ができるからで、この状態だと水に溶けにくいだけではなく水素も出にくくなって洗浄力や消臭・除菌効果が落ちてしまいます。
黒ずんで効果の落ちた洗濯マグちゃんのメンテナンスには、
酸化したマグネシウムを還元してあげればOKで、具体的にはクエン酸もしくやお酢を使って洗濯マグちゃんの表面の皮膜を取取り除きます。
洗濯マグちゃんは浸るくらいの量の水に大さじ1杯ほどのクエン酸を溶かして洗濯マグちゃんを軽くもみ洗いするだけ。
簡単に表面の皮膜が取れていくんですが、ただやりすぎると洗濯マグちゃんを無駄に消耗させてしまうので、適度なところでやめておきましょう。
ちなみにもみ洗いをしていると、洗濯マグちゃんが徐々に温かくなってくるので、化学反応していることが肌でわかると思います。
洗濯マグちゃんはクエン酸併用で消臭効果アップ?
洗濯マグちゃんは酸性汚れに強い反面、アルカリ性汚れには効果はほとんど期待できません。
そこでアルカリ性汚れに効果を発揮してくれるクエン酸と洗濯マグちゃんと併用すれば最強じゃないか?と思うかもしれませんが、
洗濯マグちゃんはクエン酸併用すると逆に洗浄力や消臭・除菌効果はがくんと落ちるので注意が必要です。
洗濯マグちゃんとクエン酸のそれぞれのアルカリ性・酸性がお互いに打ち消しあって相殺されてしまうからです。
併用するのであれば、洗濯マグちゃんとクエン酸は同時に使うんじゃなく別々に使うようにしましょう。