マーファライト(マルファライト、Marfa lights)とは、米国テキサス州マーファで目撃される怪光現象のこと。
光源が見当たらないのに、光の玉が空を飛び跳ねたり、消えたり現れたりすることから、ある種の人々にはミステリーとして受け取られてきました。
宇宙人のための誘導灯や 幽霊だったり、あるいは沼地で発生したガスだったり、放射能の爆発や球状 の雷(プラズマ)など様々な説が飛び交っていました。
マーファライトとは?
マーファライトとは、マーファ・ゴースト・ライトとも呼ばれ、周囲を砂漠や荒野で囲まれたマーファという町で見られる怪光現象のこと。
マーファは伝説のハリウッドスター、ジェームズ・ディーンが主演した「ジャイアンツ」のロケ地としても知られている場所。
目撃場所もだいたい決まっておりマーファの東に位置するミッチェル・フラットの国道67号線付近で
または国道90号沿いのポイントが有名で、テキサス州高速道路事務所は、国道沿いに観察ポイントを一般向けに提供している。
目撃されるのは夕方から夜間にかけてで、大きさはバスケットボール大と言われているが、目撃談によって差異がある。
分裂したり合体したりすることもあります。光の色は通常、黄橙色ですが、緑、青、赤などの色も見られます。
幽霊やUFO、ウィル・オ・ジ・ウィスプなどの超常現象ではないかと言われ、有名になったことから、
地元マーファでは「マーファライト・フェスティバル」という祭りまで毎年開催されているらしい。
この「マーファライト」は、1883年に白人がマーファに入植し始めた頃から目撃されているようだ。
彼はパイサノ峠で牛を走らせているときに荒野の遠くで明滅する光を見て、はじめはアパッチ・インディアンのキャンプファイヤーではないかと思ったそうです。
馬に乗って近辺を捜索したところ、それが人為的に燃焼させた火ではないことに気づいたそうである。
他の入植者たちもよく光を見たが、調査しても灰やキャンプ場の証拠は見つからなかったと証言しています。
このような目撃例はその後も途切れることがなく、輸送手段が馬から自動車へと変わった現代においても目撃談は続いている。
マーファライトの原因は?
さて、マーファライトの正体であるが、これについても様々な説がこれまで議論されてきましたが、科学的には、自動車のヘッドライトやキャンプファイヤーによる大気の反射であると考えられている。
2004年にテキサス大学ダラス校の物理学生協会のグループが実施した調査では、自動車のヘッドライトの光によるものと結論づけている。
交通量監視装置、ビデオカメラ、双眼鏡、追跡車などを使って、4日間かけて調査・記録した結果、彼らの報告書には次のような結論が導き出されています。
U.S.ハイウェイ67号線は、マーファの光を見る場所から見える。
展望公園の南西にあるライトの頻度は、U.S.67の車の通行頻度と相関している。
観察された光の動きは、67号線に対応して一直線になっていた。
U.S.67に車を停めてヘッドライトを点滅させると、観測地点ではこれが見え、マーファの光のように見えたという。
駐車した車を追い越す車は、観測地点ではマーファの光が別の光を追い越しているように見えた。
展望公園の南西部で4晩にわたって観測されたすべての光は、テキサス州マーファとプレシディオの間のU.S.67を走行中の自動車のヘッドライトによるものと考えて間違いないという結論に達した。
マーファライトの原理は蜃気楼?
2008年、同様にライトが街灯やキャンプファイヤーに関連していることを発見した他のチームによって、この調査結果を裏付けする発表が出ています。
マルファライトは拡大されて揺らめいたように光る理由は、蜃気楼によって光線が曲がったものとしています。
具体的には、上位蜃気楼と呼ばれ、実物があるべき場所よりも上方にイメージが見えます。
通常は地表で空気が暖められるので、暖かい空気の上に冷たい空気が重なりますが、冷たい空気の上に暖かい空気が重なった時に上位蜃気楼は現れます。
温度が異なると空気の密度も異なるため、その間を通過する光は直進せず、空気の境目で屈折して角度が変わります。
お風呂でも空気と湯船の水の境目で光の角度が変わることで、体の一部が歪んで見えるようになると同じ原理です。
光線が温度の違う空気の層を通過することで、実際に物体がある場所の上にイメージを作り出します。
マルファライトに関しては、明らかに道路を走る車のヘッドライトだということが言えます。決してエイリアンの宇宙船ではありません。
マーファは海抜1,429メートルの高地にあり、最高気温と最低気温の間に22-28°Cの温度差が生じることもあることが、マルファライトが起きる原因と推定されています。