ますらおぶりの意味・漢字は?由来・語源は?ますらをぶり

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「ますらおぶり」とはどういう意味なんでしょうか?

「ますらおぶり」の漢字や語源は?

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ますらおぶり(ますらをぶり)意味・漢字は?

「ますらをぶり」を漢字にすると「益荒男ぶり」

「ますらお」を旧仮名で書くと「ますらを」となります。旧仮名で書いても新仮名で書いても意味は同じです。


益荒男振り(ますらおぶり) 男性的で大らかな歌風。賀茂真淵およびその一門の歌人達が理想とし、万葉集に見られるような歌風。 ★古今集以後の歌風を「手弱女(たおやめ)振り」と言ったのに対して、万葉集の歌風を理想としていう語<大辞林(三)> 参考:真淵が「爾比末奈妣(新学)」で「大和国は丈夫国にして古へは女もますらをにならへり、故(かれ)万葉集の歌はますらをの手ぶり也」と言ったのによる

ますらおぶり(ますらをぶり)由来・語源は?

「益荒男(ますらお)」とは漢語「大夫」と結びついて、かつて朝廷に仕える官僚のことがこう言われていたそうです。

それが立派な男という意味になります。さらに強く、勇ましい男を象徴する言葉となります。

それが歌の世界のスタイルとして表現されたのが「益荒男振り」です。

日本の歌はやはり男性的

江戸時代中期の国学者・賀茂真淵は「最近の歌は手弱女(たおやめ)でどうも女性性が強く儚い歌ばかりだ」「男性的でおおらかな万葉集の世界に戻らなくてはいかん」と主張したのが「益荒男振り」とされます。

これに対するのが古今集以後の勅撰和歌集の「手弱女(たおやめ)振り」という女性的で温厚優和な歌風です。

「たをやめぶり」を女々しいと言ったのが・・・賀茂真淵です。

「たをやめぶり」の方が真情に近いとしたのが・・・本居宣長です。

賀茂真淵(1697~1769) は、偽りや技巧をもてあそばないで、心の「うれしみ」「かなしみ」「にくしみ」を素直に歌った『万葉集』を高く評価しました。

『万葉集』から彼は古代人の「高き直き心」を受け止めました。古代人は作為的な漢心で歪められていませんので、「自然」のままなる「まこと」が迸っているのです。

そして「高き中にみやび」が、「直き中に雄々しき心」があるとしました。

「雄々しき心」は「荒益男振(ますらをぶり)」つまりおおらかで男性的な歌風に現れているのです。

それに対して『古今和歌集』『新古今和歌集』は、優雅で技巧的であり、愚かで未練がましい女々しい女性的な歌風なので、これを「手弱女振(たをやめぶり)」と呼んで退けています。

ところが本居宣長(1730~1801) は「ますらをぶり」よりも「たをやめぶり」の方が真情に近いとし、人の情に深く訴える力があるとしているのです。

特に「雄々しき心」が真情であるということには「さて人情と云ものは、はかなく兒女子のようなるかたなるもの也、すべて男らしく正しくきつとしたる事は、みな人情のうちにはなきもの也」(「あしわけをぶね」原文の仮名はカタカナ)と『排蘆小船』や『紫文要領』で疑問を呈しています。

1. 国学者 | あの人の直筆
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