ハンムラビ法典の一説「目には目を歯には歯を」の本当の意味は?
ハムラビ法典の「目には目を歯には歯を」には続きがありますがどんな内容なんでしょうか?
目には目を歯には歯を|続きは?ハンムラビ法典
「目には目を歯には歯を」はハムラビ法典の一部の条文を抜粋し、全体を表した言葉であって、実際の条文は次のようになっています。
196条 もし人が人の息の眼を潰した時は彼の眼を潰す。
197条 もし人の息の骨を折った時は彼の骨を折る。
198条 もし賎民の眼を潰し、または賎民の骨を折った時は、銀1マヌーを支払う。
199条 もし奴隷の眼を潰し、あるいは人の奴隷の骨を折った時は、その価格の半額を支払う。
200条 もし人が彼と同格の人の歯を落とした時は彼の歯を落とす。
201条 もし賎民の歯を落とした時は、銀1/3マヌーを支払う。
202条 もし人が彼とよりも豪い人の頬を打った時は、民会に於いて牛鞭にて1シュシュム度(60回)打たれる。
目には目を歯には歯を|本当の意味は?ハンムラビ法典
ハンムラビ法典は世界最古の法典ではありませんが、以下の条件を満たす最古の法典です。
1)ほぼ全文が発見されている。
2)ほぼ全文が解読されている。
3)後の写書では無く、当時の文面が発見されている。
なお、ハンムラビ法典は中東においては千年以上も「法の模範」として崇められていて、当時の他の法典と比べるとその直接的影響力は比類無い。
ハンムラビ法典には、さまざまな有名な法令がありますが、その中でも「目には目を、歯には歯を」という一説は、特に有名です。この一説は、復讐について定めたもので、一般的には「こちらがやられたことと、同等の報いを相手にも与えてよい」という意味で解釈されています。
しかし、近年の研究によると、この一説の本当の意味は、「こちらがやられたこと以上の過剰な復讐をしてはならない」という意味であると考えられています。
その理由としては、当時は刑罰に関する法律などがまだなかったため、刑罰や復讐のやりすぎといったことが多く、その辺りに関しては無法地帯になっていたからです。
ハンムラビ王は、そのような状況を改善するために、刑罰のやりすぎを抑える目的で、「目には目を、歯には歯を」という一説を定めたと考えられています。
つまり、ハンムラビ王は、「復讐してもいい」と言っているわけではなく、刑罰のやりすぎを抑えて、秩序を守ろうとしたのです。
まとめ:目には目を歯には歯を|本当の意味・続きは?ハンムラビ法典
ハンムラビ法典の一説「目には目を歯には歯を」の本当の意味は、古代メソポタミアの王ハンムラビによって定められた法典の中で、復讐に関する規定として登場します。
一般的には、「こちらがやられたことと、同等の報いを相手にも与えてよい」という解釈がされています。しかし、この言葉の本当の意味を考えると、一説によれば「復讐してもいい」という単純な意味ではなく、「こちらがやられたこと以上の過剰な復讐をしてはならない」という規定として解釈されています。
当時の社会では法や秩序が整っておらず、復讐合戦が過剰になることが多かったため、ハンムラビ法典は過剰な復讐を抑制し、社会の秩序を守るために制定されたものと考えられています。つまり、この法典は社会における秩序と正義を維持するためのものであり、復讐が適切な範囲内で行われることを求めたものと言えます。
ハンムラビ法典
196条
「もしある市民が、他の市民の目をつぶすならば、彼の目をつぶさなければならない」
200条
「もしある市民が、彼に対等の市民の歯を打ち折るならば、彼の歯を打ち折らなければならない」
これらはあくまでも身分が「対等」の人々に科せられたもので,身分が「対等でない」場合は以下のようになっています
195条
「子がその父を打ったときは、その手を切られる」
205条
「奴隷が自由民の頬をなぐれば耳を切り取られる」
ハンムラビ法典で有名なこの言葉は、他の聖書などでも見ることができます。
続きがあるとすれば、旧約聖書の記述のことでしょう
旧約聖書 出エジプト記21章22-24節
人が争っていて、みごもった女に突き当たり、流産させるが、殺傷事故がない場合、彼はその女の夫が負わせるだけの罰金を必ず払わなければならない
その支払いは裁定による。しかし、殺傷事故があれば、いのちにはいのちを与えなければならない
「目には目。歯には歯。手には手。足には足。やけどにはやけど。傷には傷。打ち傷には打ち傷」
新約聖書 マタイ5章38ー39節
「目には目で、歯には歯で」と言われたのを、あなたがたは聞いています
しかし、わたしはあなたがたに言います。悪い者に手向かってはいけません
あなたの右の頬を打つような者には、左の頬も向けなさい