「メタフィクション」とは意味は?
映画やアニメ、ゲーム、ドラマなど「メタフィクション」と耳にすることがありますが、どんな意味なんでしょうか?
メタフィクションの意味をわかりやすく解説
メタフィクションは、物語や作品の中で、その物語や作品が架空であることを意識的に示す手法です。これは、小説、映画、アニメなどの創作物で使われる方法で、物語の中で「これは作り話だよ」ということを読者や観客に伝えることを目的とします。
たとえば、テレビドラマで、探偵が事件を解決した後にカメラに向かって「テレビの前のあなたにだけ、犯人をお教えしましょう」と言う場面を考えてみましょう。この場面では、探偵が物語の中で、テレビを観ている私たち視聴者に向かって話しかけているのです。これによって、探偵自身が物語の登場人物であり、物語の中だけで存在する架空の存在であることを認識していることが示されます。
メタフィクションは、読者や観客に対して、物語の虚構と現実の違いを考えさせる効果があります。普段、小説や映画を楽しむ際には、物語の中で何が起きているのかに没頭し、現実とは切り離された世界に入り込むことがあります。しかし、メタフィクションは、その境界線を意図的にぶつけ、読者や観客に「これはフィクションだ」と気付かせることで、作品の面白さや深さを引き立てる手法として使われます。
一方で、メタフィクションの使い方によっては、読者や観客を興ざめさせてしまうこともあります。物語の世界に没頭していた視聴者に対して、突然の現実の干渉が不自然に感じられることがあるからです。メタフィクションは、物語をより深く理解し、作品を評価する手法でもありますが、使い方に注意が必要です。
メタフィクションの意味|メタ発言とは?
メタフィクションに付随してメタ発言とは、作中のキャラクターが作品外部の事情に言及する発言のことです。
例えば、漫画『忍たま乱太郎』では、あるシーンで主人公の猪名寺乱太郎が「この作品の中ではこう言うパターンなんですよ」と発言しています。これは、忍たま乱太郎という作品の定番の展開を、乱太郎自身が読者に説明しているというメタ発言です。
メタ発言は、作中のキャラクターが作者や読者に語りかけるようにすることで、作品の世界観を壊したり、読者に作品を客観的に眺めさせる効果があります。
メタフィクションの意味|映画やアニメで解説
ドラマ「古畑任三郎」シリーズ。あれはわかりやすいですね。ドラマというフィクションの住人である古畑が、視聴者にダイレクトに話しかけてきます。
マンガ「Black Jack」。作者の手塚治虫自身が、漫画家の手塚治虫として「この絵おかしい!」なんてツッコミを入れていたり、BJの親友として出てきたりします。手塚マンガは作者の登場が非常に多いのでBJ以外でもいいのですが、一番わかりやすいかと思います。「これはマンガ=フィクション」であると認識しつつも、その中のリアリティを楽しんでいる読者に対し、突然作者自身が現れることで架空性にトドメを刺しています。
京極夏彦「どすこい。」。短編集ですが、1作目の登場人物が2作目の小説内の小説の登場人物で・・・説明しにくいですが、架空の小説がどんどん入れ子になっていきます。
まとめ:メタフィクションの意味をわかりやすく解説|映画やアニメ
メタフィクションとは、フィクションについてのフィクション、小説というジャンル自体に言及・批評するような小説のこと。また、「メタ」と略して使う人も多い。
メタフィクションは、漫画・アニメ・小説などにおいて「それが作り話だ」ということを意図的に(しばしば自己言及的に)読者に気付かせることで、虚構と現実の関係について問題を提示する。
具体的には、以下のようなものが挙げられる。
語り手が自分の語る物語の構造や展開について言及する。
登場人物が自分自身や物語の設定について言及する。
フィクションと現実の区別を曖昧にする。
メタフィクションは、現代文学において重要な手法の一つとなっており、多くの作品で用いられている。
以下に、メタフィクションの例を挙げる。
小説:『ドン・キホーテ』(セルバンテス)、『トリストラム・シャンディ』(ロレンス・スターン)、『ナラティブ・オブ・セブン・ゴースト』(デビッド・フォスター・ウォレス)
映画:『ラビリンス』(ジム・ヘンソン)、『パルプ・フィクション』(クエンティン・タランティーノ)、『マトリックス』(ウォシャウスキー姉妹)
漫画:『20世紀少年』(浦沢直樹)、『メタモルフォセ』(ウルトラジャンプ)、『パラダイス・ハワイ』(松本大洋)