水とエタノールを混ぜるとどうなる？
水とエタノールを混ぜると体積が減るのはなぜなんでしょうか？
水とエタノールを混ぜるとどうなる？溶ける？混ざらない？
水とエタノールを混ぜると、どちらも液体であるため、最初は単に均一な液体混合物ができます。この操作では、化学的な変化は起きないので、水とエタノールが混ざっただけの状態です。
しかし、この混合物を加熱すると、興味深いことが起こります。なぜなら、水とエタノールはそれぞれ異なる温度で沸騰するからです。
エタノールは約78℃で沸騰します。
水は約100℃で沸騰します。
この性質を利用して、加熱操作を行うと、まず78℃付近でエタノールが蒸発し始めます。エタノールの沸点に達するまで、温度はそれ以上上がりません。その蒸発したエタノールを収集し、冷やすと再び液体に戻ります。この液体はエタノールです。
その後、水分子が蒸発し、水の沸点である約100℃に達すると、水蒸気が生成されます。この蒸気も収集し、冷却することで、再び液体に戻ります。この液体は水です。
要するに、エタノールは水よりも低い温度で沸騰し、それぞれの成分が分離されるのです。この操作は蒸留（じょうりゅう）と呼ばれ、液体の成分を分離するために使われます。
したがって、水とエタノールを混ぜると、最初にエタノールが分離され、後に水が分離されることになります。最初に出てくる気体は純粋なエタノールですが、時間が経つにつれて水も含まれるようになります。
密度についての質問に関しても、その通りです。密度を考えると、エタノールは水の上に浮く性質があります。ですから、水を容器に入れた後、エタノールを静かに注げば、エタノール層が水の上に浮かぶことになります。
このように、水とエタノールは化学的に反応せず、物理的な性質を利用して分離できることがわかります。蒸留はさまざまな分野で使用され、純度の高い液体を得るのに役立ちます。
水とエタノールを混ぜると水素結合で体積が減る
水とエタノールは、それぞれの分子構造に水素結合の隙間が存在しています。この隙間にエタノールが入り込むことができます。これは他の液体でも同じ原理で行われることがありますが、条件によって異なります。
ちなみに、水 85ml とエタノール 15ml を混ぜた時のエタノール水溶液のモル濃度を計算する場合、まずエタノール 15mL の質量は､
15×0.80=12 [g]
その物質量は､ エタノールの分子量を 46 とすると､
12/46 [mol]
水溶液の質量は､
85+12=97 [g]
その体積は､
97/0.98 [mL]
これより､ モル濃度は｡
(12/46)×1000/(97/0.98)=2.63≒2.6 [mol/L]
となります｡
水素結合と隙間の利用
水分子とエタノール分子は、水素結合と呼ばれる相互作用をすることができます。水分子は酸素原子（O）と水素原子（H）から構成されており、酸素原子は電子を強く引き寄せる性質があります。エタノール分子も、OH基という酸素原子と水素原子が結びついています。このため、水分子とエタノール分子は互いに引き合うことができます。
体積の減少
この引力によって、水とエタノールが混ざると、水素結合によって分子同士が近づき、隙間が詰まります。具体的には、分子同士が引き寄せられ、隙間が減少します。これが体積が減少する理由です。
エネルギーの変化
混合時にはエネルギーも関与します。水とエタノールを混ぜると、体積が減少するだけでなく、エネルギーの変化も起こります。これは、水とエタノールが水素結合を作ることで、エネルギーを解放するからです。エネルギーが解放されると、液体の温度が上昇します。つまり、混合する過程で熱が発生します。
まとめ：水とエタノールを混ぜるとどうなる？溶ける？混ざらない？
水とエタノールを混ぜると、水とエタノールがくっついて、混ざります。この混ざった液体を加熱すると、エタノールが先に蒸発して、水だけが残ります。
具体的には、以下のようになります。
水とエタノールを混ぜると、水とエタノールの分子がくっついて、混ざります。
この混ざった液体を加熱すると、エタノールの沸点である78℃で、エタノールが蒸発し始めます。
エタノールが蒸発すると、水分だけが残ります。
なお、アルコールは水酸基（－ＯＨ）を持つ構造で、水中で水分子と水素結合をつくります。水の水素原子はアルコールの酸素原子と、水の酸素原子はアルコールの水素原子とそれぞれ水素結合を形成します。これを水和といい、分子量の小さいアルコールの水への溶解度は無限大です。
アルコールの中でも、疎水性の部分が大きくなると、溶解度が小さくなっていきます。水100gに対して、
CH3(CH2)3-OH(1-ブタノール)では8.0g
CH3(CH2)4-OH(1-ペンタノール)では2.3g
CH3(CH2)5-OH(1-ヘキサノール)では0.6g
といった具合です。
水とエタノールが混ざるのはなぜ？
水とエタノールは、どちらも水素結合をすることができます。水素結合とは、水分子の水素原子と、他の分子の酸素原子や窒素原子などの非金属原子との間に働く電気的な引力です。
水とエタノールは、どちらも水素結合することができます。そのため、水とエタノールの分子は、水素結合によってくっついて、混ざります。
水とエタノールが混ざると、なぜ水が先に残るのか？
水とエタノールの沸点は、水が100℃、エタノールが78℃です。そのため、水よりもエタノールの沸点が低く、エタノールが先に蒸発します。
エタノールが蒸発すると、水分だけが残ります。そのため、水が先に残ります。
