MLBオールスターでは国歌斉唱がなぜカナダ国歌?なんでしょうか?
2023年の第93回MLBオールスター戦ではエンゼルス大谷翔平投手が出場。
2打席1四球という成績でしたが、国歌斉唱でなぜアメリカ国歌「amazing grace」ではなくカナダ国歌「オー・カナダ」(O Canada)だったんでしょうか?
MLBオールスター国歌斉唱なぜカナダ?アメリカ(amazing grace)じゃない理由は?
MLBオールスター国歌斉唱でなぜアメリカ国歌「amazing grace」ではなくカナダ国歌「オー・カナダ」(O Canada)だったのかというと、カナダのチームがあるからです。
以前はモントリオール・エクスポスとトロント・ブルージェイズがあったのですが、モントリオール・エクスポスが米国内ワシントンに本拠地を移したので、現在は1球団のみです。
ですから、日本では両リーグの対戦を日本シリーズと云いますが、米国では全米シリーズとは言わず、ワールド・シリーズと言います。
全米というと、全日本と同じで、米国内だけになってしまうからです。
ちなみに、MLBはアメリカなのにカナダのチームが混ざっているのは商業的にもっと儲けようとマーケット拡大をしたことが理由でしょう。
アメリカとカナダの国境はとてもゆるく、2国間の人の出入りは容易で、文化的にも似ていることから、野球は19世紀にはすでにカナダにも伝わっていました。
元々カナダのトロントには19世紀末に一時期プロ・チームが存在しており、20世紀になってからも多くのマイナー・チームがありました。
またモントリオールにも長年ドジャースのマイナーAAA級球(モントリオール・ロイヤルズ)が存在し、メジャー初の黒人選手;ジャッキー・ロビンソンが所属していたこともあります。
このように長年野球人気の’下地’はあったのです。
1960年代になるとジェット旅客機の高速化、大衆化で、アメリカ国内から隣国カナダへの移動が容易になりました。
1969年にナショナル・リーグが10球団から12球団に拡張する権利を得た時、新球団のひとつがモントリオールに選ばれ、モントリオール・エキスポスとして2004年シーズンまで存在していました。
1980年前後には年間200万人以上の観客を集めるまで成功を収めていましたが、やがて後年のオーナー達が経営に失敗し続け、2005年にワシントンに移転してしまいました。
1977年にアメリカン・リーグが12球団から14球団に拡張する権利を得た時、ならばこちらも!とカナダのトロントに新球団を設立し、トロント・ブルージェイズとして現在まで続いています。
近年は低迷していますが、1992年~1993年には2年連続してワールド・シリーズ・チャンピオンに輝いています。
まとめ:MLBオールスター国歌斉唱なぜカナダ?アメリカ(amazing grace)じゃない理由は?
2023年の第93回MLBオールスター戦では歌手のCrystal Kayさんさんもドジャー・スタジアム(アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス)で日米の国歌を独唱していました。
MLBオールスターの国歌斉唱でカナダ国歌が歌われるのは、カナダにあるトロント・ブルージェイズのことを考えてです。
北米のチームスポーツでは試合前に国歌斉唱を行う習慣があります。
アメリカのチーム同士はアメリカ国歌、カナダのチーム同士はカナダ国歌のみですが、アメリカとカナダのチームの試合では両国の国歌が歌われます。
メジャーリーグの場合はトロント・ブルージェースが加入しているため、アメリカで開催されたオールスター戦ではカナダ国歌も斉唱されました。NBAのトロント・ラプターズ、メジャーサッカーやNHLでも同じ習慣を取り入れています。
オールスターでも。
同じくNBAのオールスターでもカナダのトロントラプターズというチームがあるためカナダ国家が歌われています。