喪中ハガキに故人の年齢も書くには「享年」を使うのが一般的ですが、
日本の年齢の数え方には満年齢と数え年の2つがあります。
享年はどちらなのかというと、
満年齢でも数え年でもどちらでも良いとされています。
喪中ハガキを出すほうが好きな書き方で
個人の年齢を書いても構わないし、
そもそも喪中ハガキには必ずしも
年齢を書かなきゃいけないわけではありません。
故人が大往生したのであれば良いですが、
まだ若くして事故や病気で命を落としてしまったような場合には、
年齢を書くことにどうしても抵抗を感じることもありますから、
そんな時には喪中ハガキに年齢まで書く必要はありません。
ただ、故人と喪中ハガキの送り主(自分)が、
生前にどんな関係だったのかがわかるように、
続柄か名前のどちらかは記入しておくと、
喪中ハガキを受け取る側に対して親切です。
葬儀関連では他にも位牌や過去帳に故人の年齢を記録しますが、
喪中ハガキと一致させる必要はないので、
喪主や宗派などの考えに沿って年齢を記入したり、
もしくは年齢は未記入で生年月日と没年日を記入するだけでも良いです。
喪中はがきの年齢の書き方は数え年でも満年齢でもOK
喪中ハガキには故人の氏名や続柄と共に
享年も記載されているのを良く見かけますが、
この享年とは数え年を指していると言われています。
数え年の場合、同じ年に生まれた人は1月1日になった時点で、
みんな同じく年齢が1つ上がります。
まだ誕生日が来る前になくなったとしても、
亡くなった年 - 生まれた年
という単純な方法で数え年(享年)を計算します。
ただ、享年は必ずしも数え年を指しているというわけではなく、
地域の風習や寺院、宗派による違い、
各家庭(一族)のしきたりなどによって、
享年の考え方も変わります。
法律で享年が数え年と定められているわけではないので、
享年を満年齢で考えても問題はありません。
年齢を入れなくても続柄は入れたほうが親切
喪中ハガキでは故人の名前とほぼセットのように
年齢(享年)が書かれることが多いものの、
喪中ハガキに年齢を書くことが義務付けられているわけではありません。
喪中ハガキ自体、そもそも慣習的なものだし、
年齢を記入するかどうかは喪中ハガキを送る側が決めて良いことです。
自分の気が進まないようであれば、
喪中ハガキに故人の年齢を我慢して記入する必要はないし、
故人の氏名だって記入する必要もありません。
ただ、喪中ハガキを受け取る側としては、
故人との関係くらいは知りたいと思うモノなので、
差支えがなければ続柄は記入すると良いでしょう。
特に喪中ハガキを夫婦連名で出していて、
妻の親族が亡くなった場合、
妻から見た場合の続柄を記入してあげると、
喪中ハガキを受け取る側にとってわかりやすく親切です。
届いた喪中ハガキに行年って書かれていた場合
ちなみに、喪中ハガキに書かれている年齢に、
「享年」ではなく「行年」と書かれていることもあります。
行年は満年齢を指している言葉で、
「この世で何歳まで生きたのか」という意味が込められています。
それに対して、享年というのは
「この世で何年生きたか」という意味が込められています。
享年と行年のどちらを使うのかは、
喪中ハガキを送る側が好きに決めて構いません。
喪中はがきと位牌の年齢は合わせるべき?
葬儀関連では墓石や墓標、位牌、過去帳などにも
故人の年齢や没年月日を記入することがありますが、
この時の年齢は享年(数え年)か満年齢かというと、
やはり喪主が好きに決めてしまって構いません。
そして、位牌と喪中はがきの年齢は必ずしも一致させる必要はなく、
位牌の方は満年齢としているけれど、
喪中はがきは享年で数え年にしても構いません。
できれば、年齢に関するちょっとした混乱を避けるために、
喪中はがきや位牌の年齢は合わせておいたほうが良いでしょう。
喪中ハガキは連名もOK:2名以上亡くなった場合
喪中ハガキは夫婦連名で出しているのを良く見かけるように、
1世帯を連名にするのは一般的です。
逆に、同じ年に親族が2人以上なくなった場合にも、
喪中ハガキは2枚送らずに故人を連名にしても構いません。
順番は基本的に年齢が高い方を先に氏名を記入するようにして、
故人の氏名や続柄、年齢などを連名にするのは問題ありません。
喪中ハガキの一般的な文例テンプレート
喪中ハガキで良く見られる挨拶文例と言えば、
喪中のため
年末年始のご挨拶は
失礼させていただきます
といったものですよね。
他にも、そのまま使える喪中ハガキの一般的な文例テンプレートを紹介します。
喪中につき年末年始の御挨拶を御遠慮申し上げます
◯月に祖母◯◯
◯月に義父◯◯が永眠いたしました
ここに本年中に賜りましたご厚情に深謝いたしますと共に
明年も変わらぬご厚誼を謹んでお願い申し上げます
なお 時節柄いっそうのご自愛のほどお祈り申し上げます
平成◯◯年◯月
喪中につき年末年始のご挨拶を謹んでご遠慮申し上げます
今年○月に母○○が○○歳にて永眠いたしました
今年○月に義母○○が○○歳にて永眠いたしました
今年中賜りましたご厚情を深謝致しますとともに
明年も変らぬご交誼のほどお願い申し上げます
寒さ厳しい折 皆様のご健勝をお祈りいたします
平成◯◯年◯月
・喪中ハガキの日付は12月末日or11月末日
喪中ハガキには、差出日の日付も記入するのが一般的ですが、
具体的な差出日ではなくて、
12月末日かもしくは11月末日とするのが慣習的となっています。
喪中ハガキを送って相手に届くのが12月であれば「12月末日」
11月中に届き層ならば「12月末日」
とします。
満年齢と数え年の違い・法律上の年齢の扱いについて
満年齢とは純粋に誕生日が来るたびに年齢が1歳上がる考え方です。
誕生日の前日24時に年齢が1歳上がるのが満年齢で、
12月11日が誕生日だった場合には、
12月10日の24時(12月11日の午前0時)に
年齢が1つ加算されます。
それに対して数え年というのは、
1月1日にみんな一斉に年齢が1つ上がります。
たとえば2008年12月30日生まれの人と、
2008年1月2日生まれの人だと、
生まれた日は約1年も違いますが、
同じ年で生まれたら数え年は同じになります。
2019年1月1日を迎えた時点で、
どちらも年齢が1つ上がって11歳となるのが、
数え年の考え方になります。
現代人の感覚では数え年は非常に違和感を感じてしまうものの、
昔は多産で家族の人数が多かったうえに、
実子以外にも引き取って育てていた子供もいました。
大人としては子供ごとの誕生日で
年齢を把握するのが面倒(?)な状況だったため、
むしろ数え年の方が便利だったそうです。
現代でも、年齢を基準に行われる記念行事
- 七五三
- 成人式
- 喜寿
- 米寿
- 白寿
といったものがありますが、
これらが数え年で行われるのも昔の名残です。
法律による年齢の定義
「年齢計算に関する法律」(明治35年法律第50号)
という法律によって年齢がキチンと定められています。
免許やパスポートの取得、選挙権・被選挙権なども関わるので、
行政や法律が関わる手続きでは年齢が重要な意味を持ちますからね。
法律によれば、年齢が1歳上がるのは誕生日の前日とされています。
つまり1998年12月9日生まれの人が20歳になるのは、
2018年12月8日ということになります。
誕生日の1日前に年齢が一つ上がるので、
パスポートの有効期限や各種契約などに気を付けなければいけません。