喪中ハガキを送る際、個人の続柄は世帯主との関係で考えます。
一般的には妻ではなく夫が世帯主でしょうから、
- 夫の父母が亡くなった場合の続柄は実父・実母
- 妻の父母が亡くなった場合の続柄は義父・義母
となります。
ただ差出人が夫婦連名で喪中ハガキを出す場合で、
喪中ハガキを送る相手がどちらかというと、
妻とのつながりが強いときに続柄を「義父・義母」とすると、
混乱させてしまう可能性があります。
そこで続柄を「妻の父」「妻の母」といった感じで
表記をしても構わないですし、そもそも、
喪中ハガキには必ず字も個人の氏名や続柄などを
書かなければいけないわけではありません。
喪中ハガキはあくまでも喪中で年賀欠礼することを
伝えることが目的ですからね。
喪中ハガキの続柄の書き方。祖母・祖父、父母など
一般的には喪中ハガキには故人の氏名・享年と共に、
続柄も記載されています。
祖母、祖父、父、母、兄弟姉妹、
といった親族関係が記載されているのを良く見かけますが、
こうした続柄というのは世帯主を基準に考えます。
一人暮らしであればもちろん、自分が世帯主となりますが、
日本人同士が結婚した場合、
夫が世帯主となるのが一般的じゃないでしょうか。
そこで、喪中ハガキに記載する続柄に関しては、
夫から見たときの親族関係を記載することになります。
- 夫の父夫の母 → 実父、実母
- 夫の祖父・祖母 → 祖父、祖母
- 夫の兄弟姉妹 → 実兄、実弟、実姉、実妹
- 妻の父夫の母 → 義父、義母
- 妻の祖父・祖母 → 義祖父、義祖母
- 妻の兄弟姉妹 → 義兄、義弟、義姉、義妹
といった感じで喪中ハガキに続柄を記載します。
- 父 → 父、実父、亡父
- 母 → 母、実母、亡母
- 妻 → 妻、家内
- 夫 → 夫、主人
- 息子 → 息子、長男、次男、末子
- 娘 → 娘、長女、次女、末子
- 妻の父 → 義父、岳父、父
- 妻の母 → 義母、岳母、母
- 夫の父 → 義父、岳父、父
- 夫の母 → 義母、岳母、母
- 兄弟 → 兄、弟、長兄、次兄、義兄、義弟
- 姉妹 → 姉、妹、長姉、次姉、義姉、義妹
- 祖父 → 祖父、亡祖父
- 祖母 → 祖母、亡祖母
- 息子の嫁 → 嫁
- 娘の婿 → 婿、女婿
喪中ハガキの差出人が連名の場合の続柄
結婚している夫婦が喪中ハガキを出す場合、
何か事情がない限り、差出人は夫婦連名にするのが
ごく一般的でしょう。
ただもちろん、妻との交流があるだけで、
夫の方はあまり縁のない人にも
喪中ハガキを送ることになります。
たとえば、妻の学生時代の恩師だったり、
職場の上司や同僚というのは、
夫はほとんど面識はないでしょう。
夫婦連名で喪中ハガキを出した場合、
今までずっと年賀状のやり取りがあった人でも、
故人の続柄は一体、妻と夫のどっちの関係なのかが、
いまいちわかりにくいことがあります。
そこで、夫婦と故人の続柄がわかりやすいように、
- 夫の父、夫の母
- 夫の祖父、夫の祖母
- 夫の兄弟姉妹、
- 妻の父、妻の母
- 妻の祖父、妻の祖母
- 妻の兄弟姉妹、
といった続柄の書き方でも構いません。
続柄には正しい書き方やマナーがあるわけじゃないので、
喪中ハガキを受け取る方がわかりやすいように
配慮してあげるのが良いですね。
岳父(岳母)や尊父の正しい使い方
「義父」や「実父」と似たような感じで使われる表現に、
- 岳父(岳母)
- 尊父
- 厳父
というのが喪中ハガキなどで使われることがあります。
相手を敬う尊敬語・謙譲語の一種ですが、
基本的には自分の親族が亡くなった場合には使いません。
現代風に言うと「お父様」といったニュアンスを含んでいるので、
自分の親に使ってしまうと、おかしなことになってしまいますよね。
「本日、御尊父様の訃報を受けて…」といった感じで、
弔問に来る人たちが使う言葉になります。
ただ、岳父(岳母もしくは丈母)というのは、
血のつながりがない他人が、その方の父親(母親)を尊敬して呼ぶ時に使う表現なので、
夫から見たときの妻の父母(夫から見た義理の父母)を指して、
岳父・岳母とするのは間違ってはいません。
岳父は畏敬と賛辞を込めた呼び方で、
その由来は
「娘の婿を昇進させることができるほどの実力がある妻の父」
という中国の故事にあるそうです。
「岳」には【大きな】【立派な】という意味もあり
有力で威厳を持った言葉です。
喪中ハガキを送る続柄範囲
喪中ハガキを送るのは
喪に服さなければいけない続柄の親族が
亡くなった場合ですよね。
具体的に、どこまでの血のつながり(続柄)まで、
喪中となって、喪中ハガキを送らなければいけない範囲になるのかというと、
民法上の二親等以内が一般的です。
二親等以内の関係にある人たちは下記になります。
- 0親等 夫、妻(配偶者)
- 1親等 実の父母、義理の父母、子供
- 2親等 実の兄弟・姉妹、実の兄弟・姉妹の配偶者、実の祖父母、孫、義理の兄弟姉妹、義理の兄弟・姉妹の配偶者、義理の祖父母
ちなみに、三親等の続柄に該当する親族には、
- 父方の曾祖父・曾祖母
- 母方の曾祖父・曾祖母
- 伯父(両親の兄・両親の姉の夫)
- 伯母(両親の姉・両親の兄の妻)
- 叔父(両親の弟・両親の妹の夫)
- 叔母(両親の妹・両親の弟の妻)
といった人たちがいます。
最近では三親等の関係にある人たちが亡くなっても、
一緒に暮らしていたといった事情がない限りは、
喪中ハガキを送らないし、喪中もしないのが一般的です。
喪中ハガキは薄墨で印刷しなければいけない?
喪中ハガキを自分で書くかもしくは印刷をお願いする場合、
忌み言葉や重ね言葉は使ってはいけないとされています。
いくつか守らなければいけない書き方のマナーがあるものの、
喪中ハガキには絶対に薄墨を使わなきゃいけないわけではありません。
社会通念上、喪中は派手なことを避けたほうが良いとされているだけなので、
もし故人が賑やかな雰囲気を好む人だった場合には、
薄墨の地味なデザインではなく色彩豊かなデザインの喪中ハガキでも構いません。
「年賀」という言葉の使用は避ける
喪中は「お祝いごと」「めでたいこと」を避けなければいけないので、
喪中ハガキにも、こういった意味のある言葉を使ってはいけません。
年賀状では「年賀」という言葉を使うのが一般的ですが、
喪中ハガキでは使うことができません。
その代わりに、
- 喪中につき年末年始のご挨拶を謹んでご遠慮させていただきます
- 喪中につき年頭のご挨拶を失礼させていただきます
- 喪中のため新年のご挨拶は失礼させていただきます
といった書き方をします。
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