サウスウエスト航空1380便は2018年に高度約1万メートルの上空でエンジン爆発が発生し、胴体の一部に穴が開き乗客の1人が外に投げ出されそうになるという事故に見舞われます。
その後、サウスウエスト航空1380便は緊急着陸を試みますが、日本のテレビ番組「世界が騒然!本当にあった?衝撃ファイル」でその様子が紹介されました。
■放送内容
2018年アメリカ。ニューヨークからテキサス州ダラスへと飛行していたサウスウエスト航空1380便の左エンジンが突然爆発!機体は大きく傾き、客室は大パニックに陥ってしまう。この大惨事に立ち向かったのは、かつてアメリカ海軍に所属し湾岸戦争での任務にも従事したスゴ腕女性機長。機体を冷静に立て直し、付近の空港へ緊急着陸を決断するのだが…客室ではさらなるトラブルが発生していた!はたして乗員乗客149人の運命は!?
サウスウエスト航空1380便エンジン爆発事故#衝撃ファイル
サウスウエスト航空1380便(ボーイング737-7H4、N772SW)はニューヨークからダラスへ向かう国内定期便。
テキサス州ダラス・ラブフィールドに向けて2018年4月17日10時43分にニューヨーク・ラガーディア空港を離陸すると、操縦は副操縦士が担当しており、機長は計器の監視などを担っていた。
38,000フィート (12,000 m)へ上昇し離陸から20分が経過した11時03分33秒、左No.1エンジン(CFM56-7B24)に故障が発生
乗務員はエンジンの回転数がゼロになり、油圧も低下したことに気がつきますが、次の瞬間、機内高度のホーンが鳴るとエンジンが爆発
機体が左に傾き始めた。機体は41度近く傾いたが、副操縦士がほぼ水平な状態まで戻した。
エンジンが爆発した時、サウスウエスト航空1380便は32,000フィート (9,800 m)付近を上昇中で、爆発によりファンブレード、エンジンカウル、エンジンエアインテークカウルが分離が脱落。
破片が左主翼、水平尾翼、客室14列目の窓枠に衝突し、窓と枠が破損した結果、機体が減圧された。
客室乗務員たちは携帯用酸素ボトルを使用して、乗客たちがマスクを着けることを助けた。
異常事態発生から約25秒後の11時04分54秒、機長はエンジン火災により緊急降下中であることを伝えた。
11時05分52秒、管制官はフィラデルフィア国際空港への進入を許可した。パイロットは右エンジンの出力を下げ、酸素マスクを装着して緊急降下を開始した
緊急降下中、機体の制御性を懸念し機長は振動を軽減させるため、232ノット (430 km/h)まで減速させた。
11時15分、客室乗務員から窓が破損し、乗客が一時的に吸い出された事がパイロットに報告された。この報告を受けたパイロットは機体を減速させた。
また、機長は当初は進入経路をできるだけ長く取ろうとしていたが、負傷者がいることを知り、進入をできるだけ早く開始した。
11時20分、フィラデルフィア国際空港の滑走路27Lへ着陸を試みた際、機長は損傷の程度が不明であるため、フラップを5度以上展開させなかったため接地時のアプローチ速度は171ノット (317 km/h)ほどと通常より高速だった
着陸後、パイロットは機体を誘導路上で停止させた。すぐに消防隊が外部点検を開始し、火災の有無などを確認した。11時26分、客室ドアが開かれた。
14列目の窓から上半身が吸い出されている乗客の女性を発見した客室乗務員2人は乗客の協力を得て、吸い出されていた乗客を機内に引き戻し、別の乗客が心肺蘇生法を施しフィラデルフィアの病院に運ばれたが、この乗客は死亡したと報告されている。
引き戻されるまでの間に破片が直撃した他、機外に放り出されていたため低酸素症にかかっていたとみられています。
乗客144名と乗員5名のうち、乗客1名が死亡、乗客8名が軽傷を負いました。
サウスウエスト航空1380便の事故後、アメリカ合衆国運輸長官のイレーン・チャオは「機体を無事に着陸させたパイロットと、負傷者の救護を行った客室乗務員と乗客の行動によって最悪の事態は避けられた。(commend the pilots who safely landed the aircraft, and the crew and fellow passengers who provided support and care for the injured, preventing what could have been far worse.)」と述べた。
2018年5月1日、ドナルド・トランプ大統領は1380便の乗員と一部の乗客をホワイトハウスに招き、感謝の意を表した。
2019年10月8日、機長はこの事故について記した「Nerves of Steel」という題の本を出版した
国家運輸安全委員会(NTSB)の予備調査結果によると、1番エンジンの13番ファンの羽根がなくなっていた。それはハブのところで折れたようである。ブレードが折れた部分には、金属疲労の証拠がある。
13番のファンブレードの鳩目に生じた低サイクル疲労亀裂により、ファンブレードは飛行中に分離し、ファンカウル構造の構造的完全性と性能にとって重要な位置でエンジンファンケースに衝撃を与えたと断定している。
また、No.1エンジンのカウリングの一部がペンシルバニア州バーンビルで発見されたことが報告されている。
NTSBの全報告書、航空機事故報告書番号はNTSB/AAR-19/03です。