ニールジャー(ニーラ・バノット、Neerja Bhanot)さんは飛行機のハイジャック犯から乗客379人救ったことで記念切手が発売されたり映画化もされた近代の英雄。
CAとしての職務以上のことを果たしたニールジャーさんの活躍が「ワールド極限ミステリー」でも放送されてまた話題となりそうですね。
ニールジャー(ニーラ・バノット)wikiプロフ
名前:ニールジャー(ニーラ・バノット)
表記:Neerja Bhanot
生年月日:1963年9月7日
国籍:インド
出身地:チャンディーガル(Chandigarh)
出身高校:Bombay Scottish School
最終学歴: St. Xavier’s College,
ニールジャーは大学卒業後、その端正な顔立ちと抜群のスタイルを活かし、ボンベイでCMや雑誌のモデルなどの仕事を経て、
兼ねてからの夢であったCA(客室乗務員、キャビンアテンダント)になるべくパンナム航空へ入社。
すると入社1年で22歳ながらチーフCAに抜擢されるなどその働きぶりが極めて優秀だと高い評価を受けていたようですが、
この人事がまさか23歳の誕生日まであと2日迫ったニールジャーの運命を大きく左右することになるとは、誰もが想像しなかったんじゃないでしょうか。
ニールジャーの飛行機にハイジャック犯が!
ニールジャーにとってチーフCAとなって初仕事となった1986年9月5日のフライト。
午前6時にパンナム航空73便(B747ジャンボ機)が乗客374人・乗員5人の合わせて379人を乗せ、
パキスタン・カラチ空港からニューヨーク に向けて飛び立とうと離陸準備をしていたところ、
突然、ライフルを手にした4人の男達が雪崩れ込み乗客乗員を人質にとるハイジャックが発生。
ハイジャック犯は機内制圧すると飛行機の窓のブラインドを下げさせて外から中の様子がわからないようにすると、
次のような要求を迫ります。
「キプロス共和国の刑務所に収監されている同胞を釈放させ、73便で合流した後、イスラエル に機体ごと突っ込む」
ハイジャック犯の最終目的はまさかの「自爆テロ」でした。
ハイジャック犯に仕掛けたニールジャーの機転とは?
飛行機は幸いにしてまだ離陸をしていなかったのでニールジャーは絶対に離陸を阻止すべく、
ハイジャック犯の一瞬の隙を突いて操縦室直通のインターホンで機長に「ハイジャック犯が侵入!今すぐに窓から脱出を!」と警告を発しします。
ハイジャック犯が操縦室のドアをこじ開けた時はすでに手遅れでそこはもぬけの殻となっていました。
機体の周囲には異変に気が付いたパキスタン政府関係者が警戒に当たっていたましたが、
ハイジャック犯は人質の中にいたアメリカ国籍の男性を捕まえて「15分以内にパイロットを連れてこなければ、こいつの命はない」 と脅迫。
実際に15分後には人質の頭に銃弾を撃ち込んで機体から突き落とし、残念ながら犠牲者が1人出る事態になってしまいました。
人質の1人を銃撃したことですっかり興奮したハイジャック犯は「こうなったら、アメリカ人全員を血祭りに上げてやる!。」と、機内でアメリカ人捜しを開始。
乗客全員のパスポートを回収すようにニールジャーらCAに命令するものの、
ニールジャーは乗客373名の中で幸いな事にアメリカ人はあと78人しかいないことをフライト前の確認で覚えていました。
ニールジャーは同僚のCAたちと無言のサインで連携とを取り、
アメリカ人を見つけると、こっそり小さな声で「パスポートを今すぐ隠して!」 とアメリカ人のパスポートだけ回収しない作戦を実行。
アメリカ人ではない300人分の大量のパスポートを集めると、ハイジャック犯にも気付かれなかったようで、
CA全員が一丸となって アメリカ人を守ることに成功します。
ニールジャーがハイジャック犯から乗客379人を救うも…
ハイジャック発生から9時間が経過した午後3時、政府関係者は外から機内の状況が全く解らず、
ハイジャック犯の人数すら掴めないまま、ただ周囲で機体を見守るだけで突入出来ずにいました。
機長が居ない中、飛行機の機内で孤軍奮闘していたニールジャーは
乗客373人の命を守る最高責任者として、乗客全員を脱出させる決断を下します。
ニールジャーの計画は暗闇に紛れての強行脱出するというもので、
パイロットのいない飛行機のエンジンはストップし誰もスタートできない状況のため、
飛行機の機内にはエンジンから電気は供給されていませんでした。
飛行機の主電源の電力はもって10時間 ~ 15時間。
その後は予備電源に切り替わるが予備電源が切れると機内は真っ暗になることを利用しようというのがニールジャーの作戦でした。
飛行機の外の周囲もすでに夜を迎えたころ、
ニールジャーはハイジャック犯に食事の用意をし人質の乗客にも食事を配る許可を得ると、脱出計画を記したメモも一緒に乗客に回し読みさせます。
「電気が消えたら、非常口から逃げて下さい!。読んだら回して!」
脱出計画と脱出ルートを乗客全員に伝えたのだ。
午後10時近く、ハイジャック発生から 15時間50分が経過した頃ににはすでに予備電源に切り替わっていた機内についにその時がやってきます。
突然、暗くなったこと子に動揺するハイジャック犯達をしり目に、
乗客達は脱出計画通りに一番近いドアへ脱出劇をスタート。
ハイジャック犯が暗闇に乗じて逃げようとする乗客に向けて、銃を乱射する中、
乗客達は一目散に自動的に開放された脱出用シューターで次々と地上へと滑り降りていきます。
乗客の悲鳴と ハイジャック犯の怒号が飛び交う中、
ニールジャーらCAは「こっちよ!。急いで!。逃げるのよ!!!。」と乗客に呼びかけます。
ニールジャーの機転が功を奏して暗闇に紛れて殆どの乗客が脱出に成功し、
最後まで乗客の誘導を続けていたCA達も脱出を試みます。
ハイジャック犯の目を欺くために後方から前方に向けて通路を這う様に移動していたニールジャーでしたが、
両親とはぐれ座席の下に逃げ遅れた幼児を発見!。
怖がる幼児を連れてドアまで何とか辿り着くものの、
ハイジャック犯のひとりに見つかり万事休す…!
ニールジャーは「早く行きなさい!。」と幼児をシューター に向けて突き飛ばした後、
ハイジャック犯の前に立ちはだかると自らの身体を投げ出して幼児の盾となりました。
銃弾はニールジャーの身体を貫き享年22歳というあまりにも短すぎる人生に幕を下ろしました。
ニールジャーは数多くの賞を受賞&切手も発売
ニールジャーの脱出計画実行に伴い特殊部隊が機内に突入を開始。
左右4箇所の扉から非常用シューターや翼に飛び降りた乗客は脱出する中で、
ハイジャック犯の1人を射殺し3人を拘束。
乗客に16人の被害者が出ましたが、どうやら死者は出なかったようエス。
自らの命と引き換えに乗客の命を救ったニールジャーを母国のインドではその功績を称え、
女性としては初、さらn史上最年少で、インドの国民栄誉賞を受賞を決定。
ニールジャーの面影が載った切手もインドで発行されましたが、
「ニーラ・バノット・アワード」という勇敢な客室乗務員を表彰する団体も設立されました。
アメリカ人の乗客を命懸けで救った事により、アメリカ政府等からも
アメリカ国民栄誉賞
犯罪被害者のための正義賞
英雄賞
勇敢特別賞
大きな感動を与えた賞
感謝状
など数々の賞が贈られます。
ニールジャーは映画化
ニールジャーの活躍は2013年に『トリハダ[秘]スクープ映像100科ジテン』でも取り上げられた他、2016年にはインドで映画化もされました。(属言うボリウッド映画)。
キャプテン・フィリップスを彷彿とさせる内容で、ハイジャックの構成員がリーダー、キレキャラといいキャプテン・フィリップスとそっくり。
劇中の主な舞台となるパンアメリカン航空73便の実物大セットを作らせ、カメラやキャストとともに本物そのものな機内を縦横無尽に走り回り
コクピット、配膳室一式、開閉する扉や窓、出入口の脱出装置1つ1つがそのまま再現される手の込んだ映画トンりました。
また映画独自の演出として、ハイジャックされる飛行機に乗るため、早朝に支度をするニールジャーと犯人グループの行動が、シンクロしながら描かれる冒頭シーンも印象に残ります。
■映画の受賞歴
2016 I Am Woman Award 女性の力賞(ソーナム)
2016 HELLO! Hall of Fame Awards 批評家選出賞(ソーナム)
2016 豪 Indian Film Festival of Melbourne 主演女優賞(ソーナム)
2016 Star Screen Awards 新人男優賞(ジム・サールブー)・助演女優賞(シャバーナー・アーズミー)・監督賞
2016 Stardust Awards 助演女優賞(シャバーナー・アーズミー)・悪役男優賞(ジム・サールブー)・編集部選出フィルムメイカー賞(ラーム・マドゥワーニー)・編集部選出主演女優賞(ソーナム)
2017 Filmfare Awards 批評家選出作品賞・助演女優賞(シャバーナー・アーズミー)・批評家選出主演女優賞(ソーナム)・撮影賞(ミテーシュ・ミルチャンダーニー)・編集賞(モニーシャ・バルダーワー)・プロダクションデザイン賞(アパルナ・スード)
2017 Screen Weekly Awards 審査員選出監督賞