「二階から目薬」の由来は?
いつから「二階から目薬」が使われるようになったのでしょうか?
二階から目薬|由来・成り立ちはいつから?江戸時代?
「二階から目薬」が使われるようになった時期は江戸時代だと言われています。昔の目薬は、今とは違って軟膏や粉末でした。このことわざがどうして生まれたのか、ちょっとした歴史を見てみましょう。
かつては目薬といえば軟膏や粉末が使われていたのですが、現在のような液体の目薬ではありませんでした。なので、「二階から目薬」という言葉が使われたのには、何か意味があったのです。
このことわざができた理由は、ちょっとした謎でした。古い文献にも似たような記述があるものの、その意味はよくわかっていませんでした。しかし、ことわざ研究者の北村孝一氏が詳細な研究をして、「二階から目薬」の由来に迫りました。
彼の研究によれば、江戸時代に目薬は軟膏で、水に溶かして布に含ませて洗眼や点眼する使い方がされていたようです。その時代に、由来となる句が書かれたのが元禄13年(1700年)の『風流御膳義経記』だとされています。
二階から目薬|意味・使い方
「二階から目薬」という言葉は、難しいことをやろうとするが到底実現できない、あるいは無理や絶望的な状況を指して使われることわざです。具体的には、不可能なことをしようとする時や解決の見込みがないような状況で用いられます。
「君、今日中にこれ全部終わらせろって?それはちょっと二階から目薬だと思うよ。」
「もう明日発表だから、テーマを一から変えるって?それはもう二階から目薬じゃない?」
「一人でその大きな荷物を持って行けって?すみません、それは二階から目薬と言われても無理です。」
まとめ:二階から目薬|由来・成り立ちはいつから?江戸時代?
「二階から目薬」は、江戸時代から使われていたとされる言葉です。
江戸時代の笑話集「醒睡笑語」には、「二階の薬売りが、下にいる人に目薬を投げようとしたが、うまく当たらず、目薬が地面に落ちてしまった」という話が載っています。この話は、二階から下にいる人に目薬を投げようとすることの難しさを、ユーモラスに表現しています。
また、江戸時代の随筆「浮世草子」にも、「二階から目薬を投げるように、遠くにいる人には、自分の言葉が届かない」というような表現が登場します。
このように、江戸時代から「二階から目薬」という言葉は、思い通りにいかず、もどかしいことの例えとして使われていたと考えられます。
具体的な初出は不明ですが、江戸時代の文献に登場することから、少なくとも200年以上前から使われてきた言葉であると考えられます。