野原広子さんは「妻が口をきいてくれません」「ママ友がこわい」「娘が学校に行きません」など数多くの作品を発表している漫画家。
手の届く範囲の身近で根深い問題にスポットライトを当てている野原広子さんの気になるプロフィールをまとめています。
野原広子の代表作
妻が口をきいてくれません
娘が学校に行きません – 親子で迷った198日間 –
離婚してもいいですか?
ママ友がこわい – 子どもが同学年という小さな絶望 –
「妻が口をきいてくれません」は夫視点と妻視点の2部構成になっていて、夫パートの伏線が妻パートで次々に回収されていきますが、
野原広子さんの作品は、同じ出来事に対して登場人物がそれぞれの立場でどう感じてどう考えていたのか?が描写される作風となっています。
妻が口をきいてくれません あらすじネタバレ
集英社のノンフィクション編集部サイト「よみタイ」で最新話が更新されるたび、「うちの家庭を覗かれているみたい」とネットを騒然とさせたコミックエッセイ
妻が夫と口をきかないと決意したことの発端は5年以上前に「餃子を必死で作ったのにけなされた」ことが真相。
ここだけ切り取ると「なんだそんな些細なことで!」という感情を持つ人もいるでしょうが、実は日常の中に潜む「ちょっとしたこと」の積み重ねが離婚を現実的に考えさせることになることが「妻が口をきいてくれません」をを読むとよくわかります。
漫画の終盤では、夫が仕事から帰宅するとそこは妻と子どもたちはおろか、家具も何も無くなり、真っ暗な我が家でただ立ち尽くします。
「離婚しよう」なんて嘘だった、ただママにもう一度笑ってほしかった、ママはずっとオレのことを好きでいてくれると思ってた、
このまま無視が続いても、それでもずっと一緒に生きていきたい。
「ママ…美咲…オレを捨てないでくれよぉ!!!」
夫が大声で叫ぶと、懐中電灯の灯りで照らされ「あんた隣の家で何してんのよ!」と妻が声をかけてきます。
夫の勘違いで自宅と間違えて引っ越してきたばかりの隣の家に入ってしまっただけで、妻と子が出て行ったわけではありませんでした。
騒ぎを聞きつけたご近所さんが見守る中、夫は妻に抱き着き、人目もはばからず大泣きし続けた翌朝。
昨夜の失態を娘に叱られ、妻からも隣の家に改めてお詫びに行こうと言われる夫。
無視され続けていた妻が口を聞いてくれるようになり、『妻の「いってらっしゃい」がこんなにうれしいなんてオレはバカだなぁ』、と夫はささやかな幸せをかみしめます。
妻はというと『あんなにうれしそうにしてバカだなぁあの人は』と呟きますが、実はパート代の貯金通帳をタンス隠してあります。
夫は夫婦関係が修復できたと浮かれていますが、妻はまたいつ訪れるかもしれない離婚に備えてせっせとパート代を貯めているのでした。
娘が学校に行きません あらすじネタバレ
「娘が学校に行きません」では学校に行きたくない子ども(トモ)の気持ちと、不登校の子供を抱える母親(広子)の気持ちや感情の揺れ動きが丁寧に描かれています。
中学校に入ったばかりのある朝、娘のトモは「学校に行きたくない」と両親に訴えると、今まで体験したことが無い強烈に腹痛に見舞われます。
病院で診察を受けた結果では、通学ストレスからの疲労。
今まで徒歩7分の所にある地元の小学校に通っていたところ、受験で合格した私立の中学ではバスと電車を乗り継いで一時間以上掛かっていました。
その後、トモは学校を休みがちになり不登校となりますが、本当の原因は女子グループの中で起きた”順番の仲間外れ”でした。
グループ内のリーダー格で気の強い女の子が、友達を順番に仲間外れにしたり、悪口を言うというもので、
事情を知らない大人からすると『ああ、よくあることだ』『大したことじゃない』ですましてしまいそうな些細な人間関係のトラブルだ。
しかし、「娘が学校に行きません」ではトモの周りの大人は誰一人『そんなことくらいで』とトモを責めることはしませんでした。
トモの通っていた小学校は校長先生、養護教諭が“教育のプロ”として優しく力強くトモに寄り添います
母親の広子に対しても『今は背中を押すべきではない』等と温かく的確な指導があり、小学校全体が素晴らしい連携プレーを見せます。
特に養護教諭、田辺先生はトモに『生きる喜びを見つけよう』と寄り添い、荒れてしまった部屋を自主的に片づけさせていきます。
また、娘と母親の2人を支えてくれる”プロ”は学校の外にもいて、
近所の小児科医もトモの現状を知ると自ら学校に赴いて善後策を協議します。
トモがストレスから”起立性調節障害”を起こしていると診断しただけでなく、2週間に一度のペースでカウンセリングを開始する。
こうした大人たちの温かいサポートの元、トモは少しずつだが確実に変化していき、
母親である広子も少しずつ活力を取り戻していきます。
『人が怖い』と外出も避けていたトモも外に出るようになり、自ら保護猫を引き取りに行くといった行動も見られるように、
猫を飼うことでトモは精神的に安定し、幼馴染のハルくんとの交流が復活したことでトモは少しずつ級友たちともやりとりできるようになっていきます。
ハルくんは休み時間の度に保健室に遊びに来たり、時には授業をこっそり抜け出してちょっとしたプレゼントをトモに渡したりと、何かと気にかけてくれていました。
たまに急に落ち込んで学校に行けなくなることはあったものの、ハルくんを通じてトモは他の級友たちとも給食を共にしたり少しずつ前に進んでいきます。
そして迎えた3学期の2日目、意外とあっさりトモは通常通り学校に登校し、親にして見れば不意に不登校が解消されるのでした。
久しぶりに校長先生と会った母親の広子は「そのー私の初期対応が悪かったから事をさらに混乱させてしまったのかな…なんて思ったりして」と話すと、
「いいんです これでよかったんです」「どこをどう通っても通る道だったんですよ」という校長の言葉にくわえ、トモが級友と仲良く過ごす姿を見て初めてトモが学校に行けるようになったことを実感して号泣するのでした。
離婚してもいいですか あらすじネタバレ
主人公:翔子
主人公の夫:淳一
翔子と淳一の子ども:花(長女6才)優(長男4才)
翔子の弟:ナオ
翔子は6歳と4歳の子どもを育てる専業主婦。
育児・家事に非協力的で無神経な夫、淳一に不満を持っていたものの元々の性格と専業主婦をさせてもらっているという負い目から強く言えずにいました。
夫、淳一の方も妻に対して、ニコニコと愛想笑いを浮かべて自分のの機嫌を取ることしかできないことから『つまらない』『ウソくさい』といった印象を持つように。
偶然再会した高校の同級生でシングルマザーの室井に向かって心が離れていく夫に対して、心身共に限界を感じた翔子は自分を変えることを決意。
夫と離婚するために、介護の現場で働き始めたものの、最終的に離婚を切り出すことは保留することに。
淳一に離婚を宣言し、離婚の意思は硬いものの、出ていくにも良いアパートは見付からなかった上、上司からは『正社員登用された場合は夜勤が必須になる』と言われたからでした。
夜勤時に預けられる保育園を探してみると、保育料が高くとてもパート代だけで賄うことはできません。
そんな翔子にシングルマザーでもある先輩職員は『夫が嫌いでも離婚しないでやっていけるのならばその方が良い』とアドバイスします。
一人で子供を育てていく大変さや、そして常に付きまとう金銭面の不安を良く分かったうえでのアドバイスで、翔子には離婚をすすめませんでした。
そして、翔子が離婚を保留したもう1つの理由が、弟のナオの説得によるもでした。
ナオは『淳一は悪いところを直すと言ったのだからもう少し様子を見てから離婚でも良いのではないか』と話し、
翔子一家はその後、何事も無かったかのように4人の暮らしを続けているように見えますが、翔子は夜、布団の中で一人涙を流していました。
結局まだ離婚できていない自分が悔しくてたまらなかったんです。
淳一は変わった(ように見える)し、翔子自身も忙しすぎて淳一に腹を立てている暇もありません。
そんな翔子一家が外出中、とても幸せそうな若い子連れ夫婦が目に入ります。
優しそうなパパに可愛らしい子ども。キラキラしている…そう眩しく感じる翔子。
子連れ夫婦の妻の方がそんな翔子達に気付き、向こうも羨ましそうな表情を浮かべていたので、
きっと、彼女の目には翔子達が幸せそうにキラキラと輝いて映っていたことでしょう。
「離婚してもいいですか」では本編に加えて【巻末描き下ろし】も書き加えられています。
「それから5年~長女花のつぶやき」というもので、母は父のことを嫌っていて、愛情など全く持っていないということを知っている娘の花の視点から、翔子・淳一という夫婦を親に持つ子供の心境が絵柄れています。
ママ友がこわい あらすじネタバレ
主人公:田中サキ(32歳)
主人公の娘:ミィちゃん(5歳)
サキの夫(33歳)
久保田リエ(35歳)
リエの娘:ののちゃん
「ママ友がこわい」は、子供同士の仲が良いからと言って、子供がいなければ決して仲良くならないタイプの人とも仲良しでなければならない、
大きな勘違いをしてしまった、距離感を間違えてしまったママのお話です。
サキはかつて仲が良かったママ友のリエから、いつしか無視や嫌がらせを受けるようになり精神的に追い詰められていきます。
リエとその取り巻きのママによるサキへの陰湿ないじめの原因は、やはり些細なことから
子供を交えたバーベキューでリエの旦那が「サキちゃんはいつも若くてかわいい」と口にしたこと。
その頃から、リエはいつも笑顔でのんびりしているサキに対してどこか自分に対して余裕があるような態度をしているように感じ嫉妬を覚えるようになります。
そんなリエは、二人目の子どもを妊娠し喜びに浸ります。
冷え気味だった夫婦関係に光が見え始め、周囲からの『二人目まだ?』のストレスから解放されたからです。
何より過去に『サキの方が若いから先を越されるかも』という無神経な発言をされていたことから、
周りに先を越される悔しさと今までの人生の頑張りがキャンセルされたような喪失感もなくなりました。
「サキに勝った」
リエはサキと距離を置きたいと願っていたものの、娘・ののちゃんがサキの娘のミイちゃんと仲良しだから「自分もサキと仲良くしなくては」と考えていたのでした。
一方のサキはというと、リエとは別の意味で2人目の妊娠に頭を抱えていました。
ある日、夫に対して幼稚園のママ友と関係がこじれていることや、義母の電話(主に2人目はまだか?といったもの)が苦痛であることを洗いざらいぶちまけると、夫の協力もあって義母と和解ができます。
義母も悪気があったわけではなくこれまでの言動に対して謝罪もあったことから、頑なになっていた心が和らぎます。
心が軽くなったサキは、避けていたリエたちとも以前のように接するようになり、
冷静に見ると、リエとその取り巻き達が損得勘定だけでつるんでいるだけだということも見えてきました。
幼稚ないじわるをし、挨拶すら返さない彼女たちを軽蔑する余裕も生まれますが、
リエ本人がいつの間にかママ友とつるまなくなっていることに気が付きます。
どうやら子ども同士のトラブルが原因で、リエと取り巻きのママ友が仲違いをした様子で、取り巻きのママ友の1人が今度はサキにすり寄ってきます。
すらすらとリエやののちゃんの悪口を言い始める手の平返しにサキは「ママ友怖い!もうかかわりたくない!」と恐怖すら感じます。
リエの子供によるトラブルの原因は、リエの妊娠で気持ちが不安定担ったことが原因で、
最近までつるんでいたママ友達は登園拒否するののちゃんと格闘するリエのやり取りを見ても助けようとはせず嘲笑するばかり。
そんなリエに対して「大丈夫?」と声を変かけ助け船を出したのがサキで、
リエは感謝するとともに「なんか私、いろいろあって・・・あなたにひどいことしちゃったーよね・・・」「ごめんね」と軽く謝罪します。
サキは笑顔で「ううん、大丈夫。気にしてないよ」言いますが、それは決して本心ではありませんでした。
他のママ友と同じレベルに落ちたくなかったからに過ぎず、過去のことを水に流したからでも、リエに遠慮したわけでもありません。
リエのことは大嫌いですが幼稚園ももう少しで終わり。
小学校に上がれば顔を合わせることも減るという打算的な考えだったものの、サキも二人目の子どもをさずかります。
喜ぶサキでしたが、頭のすみで考えてしまいます。計算しなくたってわかります。あの人の子とまた同学年になってしまことを…
野原広子wikiプロフィール
名前:野原広子(のばら ひろこ)
本名:未公表
生年月日:非公開
出身地:神奈川県
職業:漫画家、エッセイスト、イラストレーター。
野原広子さんは「娘が学校に行きません – 親子で迷った198日間 -」で漫画家デビューすると「離婚してもいいですか?」で第20回コミックエッセイプチ大賞でB賞を受賞
『妻が口をきいてくれません』では野原広子が幼かったころに遭遇した両親の夫婦喧嘩がベースとなっているそうです。
母親が「子供たちが大きくなったら離婚してやる!」と言った出来事がエピソードに活かされていると話しています。
野原広子のツイッターやインスタグラム
野原広子のツイッター
野原広子のインスタグラム
野原広子の高校や大学など学歴は?
調査中
野原広子の結婚した旦那(夫)や子供は?
野原広子さんは結婚をしていましたがどうやら離婚経験があるようです。
一番手がかかる時期に夫が仕事で忙しくて、育児と家事のワンオペでこなしていたものの、当時は専業主婦。
働いてくれてる夫には強く言えず、心の中は煮えくり返っていることが多々あったそうです。
子どもにストレスがかかるくらいなら、自分が我慢しようってと心に決めていたものの、上の子供が小学校2年生のとき家出する寸前まで追い込まれています。
自分の母親にも「離婚するからね」って宣言するものの、子供に「お母さんが我慢して」と言われてしまって気が抜けると、その時は離婚を諦めたそうです。
野原広子の年収は?
野原広子さんは、下記のような代表作があり、どれもネットでかなり反響を呼んでいます。
妻が口をきいてくれません
娘が学校に行きません – 親子で迷った198日間 –
離婚してもいいですか?
ママ友がこわい – 子どもが同学年という小さな絶望 –
野原広子さんは本からの印税の他、ネットメディアの出演料も発生していることから漫画家としては1000万円クラスの年収があるのかもしれません。