ドラマ「女系家族」は山崎豊子さんによる同名小説が原作となっていますが実話モデルはあるんでしょうか?
女系家族(ドラマ)ネタバレ感想!
女系家族の結末をネタバレすると、長い間、女系家族の婿養子として、実の娘である総領娘の長女にまで下に見られて屈辱に堪えていた矢島嘉蔵社長が死んで初めて家族に対して権力を振るう…という結末になります。
浜田文乃は無事男の子を出産すると、生前に矢島嘉蔵社長が胎児認知を申請した書類を持って出産報告のために矢島家本宅を訪れます(事実上、乗り込んだ形です)
そこには藤代、千寿&良吉、雛子、芳子、宇一、そして芳三郎の姿アリ、文乃は遅れて到着した旨をわびて、「男子」を出産した事、嘉蔵のいいつけどおり「嘉夫」と名付けたことを報告しますが、ここからが文乃の逆襲(復讐)がはじまります。
文乃はおもむろに生まれてきた子供は胎児認知(事前認知)されたことを告げ、「認知届」と「認知受理書」の写しを、藤代たちの前に公開した。
胎児認知が有効とわかると、その場は非嫡出子にいくら遺産分けになるのか騒然とります。
文乃には実はもう一通預かっていた遺言書「遺言公正証書」がありました。
出産までは誰にも見せないように言われていた遺言書を宇一が8か条ある遺言の4か条までを読み上げた所までは、以前の遺言状の内容と同じでした。
ただ、5か条目からは生まれた子が男子の場合、二女(瀬戸朝香)の婿(沢村一樹)と共に矢島屋を継ぐようにしたためられてありました。
遺書には他にも、長女は分家して矢島家からでて、三女は他家へ嫁ぎ分家(おばさん)の家に養女に行くことは避けられたし。これ以上女系を続ける事を固く戒める!としたためられていた。
文乃の子に「嫡出子の1/2の遺産相続権」があること、
子が「男の子」なら、成年に達するのを待つこと
千寿&良吉夫妻と「矢島商事を共同経営」させること
6か条目は遺産相続の条件として、長女・藤代の「別居」宣言と、未婚の雛子は「他家へ嫁ぐこと、養子婿は御法度」の宣言がされた!
つまり矢島家の「女王国の崩壊」宣言が下されたわけである…。(^^;)
7か条目に入り、財産目録の内容について触れてくると…、宇一の「不正」が明らかにされます
山林の実面積…、雪村の掛軸…、骨董数点などなど
8か条目は、宇一の「不正:」があきらかな場合は、良吉が「遺言状保管人」として、宇一に代わり指名される内容だった。
この遺言状の日付が平成17年3月7日とあったことから、以前の遺言状より3カ月後の日付だったことで法的に有効であることが宣言されます。
2005年の連続ドラマ版の最終回ラストシーンでは、矢島家本宅が登場して、嘉蔵の「笑い」が響く結末となっていました。
女系家族(ドラマ)実話モデルは?
女系家族を手掛けた山崎豊子さんは他にも「不毛地帯」や「白い巨塔」、「華麗なる一族」といった作品音の原作者でもあります。
山崎豊子さんは作品を書くにあたりご自身で取材を重ねていて、どの作品も実話を忠実に再現しているとされています。
例えば「華麗なる一族」は主人公・万俵大介が頭取を務める阪神銀行は神戸銀行で、大介は20年間オーナー頭取として君臨していた岡崎忠(岡崎財閥)とされます。
神戸の岡崎といえば神戸銀行、同和火災海上保険に君臨する一族として有名で須磨離宮公園の植物園が旧岡崎邸。
息子の鉄平が社長を務める阪神特殊鋼は山陽特殊鋼がモデル。
山陽特殊製鋼(株)は神戸銀行がメインバンクの大手特殊鋼メーカーであったが、過剰の設備投資により1965年倒産する。
この倒産は戦後最大の倒産として注目を集めた。倒産をきっかけに粉飾決算が明るみにでて経営陣は詐欺容疑で起訴される。
万俵鉄平のモデルはその際、管財人から唯一会社に残るように指名され、再建に努めた常務の上杉年一だとされる。
一方、神戸銀行は大口融資先に問題があり、背伸び経営が大蔵省から指摘され、また経営陣は優雅な趣味三昧で経営には向かないとのレッテルを貼られ、山陽特殊鋼倒産の2年後に岡崎は詰め腹を切らされる形でやめ、大蔵次官経験者の石野信一が頭取に就任する。
その後太陽銀行と合併し、さらに三井住友銀行になり、神戸の痕跡は跡形もなく消えてしまう。大蔵/財務省の乗っ取りで芝居が終わった。
ただ、山崎豊子さんはエピソードを再現するために取材しているわけではなかったようです。
あくまでも実話を忠実に、では無く、実際の業界を正確に再現するといった方針だったようで、「女系家族」に関しては実話モデルというのはどうやら存在しないようです。