「臆病はネギばかり食う雪の夜」という川柳は何鍋?
食べていたのは何の鍋でしょうか?
臆病はネギばかり食う雪の夜(川柳)は何の鍋?
「臆病はネギばかり食う雪の夜」という川柳は何鍋かというと、ふぐです。
ふぐといえば、毒を盛っていることから江戸時代には食べることが禁止されていた食材。
現代でもふぐをさばき、ふぐ料理を提供する仕事。猛毒があるふぐを安全に扱い調理するためには、ふぐ調理師の資格が必要です。
毒に当たるのが怖いから、臆病だとふぐを食べられなくてネギばかり食べることになります。
ちなみに、フグ鍋にネギを入れるのは、以下の3つの理由からです。
■ふぐの風味を引き立てる
フグは、独特の風味と食感を持つ高級魚です。その風味をさらに引き立てるために、ネギの香りが使われます。ネギの香りは、フグの風味と相性が良いため、料理の美味しさをより一層高めてくれます。
■栄養価をアップさせる
ネギには、ビタミンCやビタミンB群、カリウムなどの栄養素が豊富に含まれています。フグは、タンパク質やビタミンA、DHAなどの栄養素が豊富ですが、ネギを加えることによって、さらに栄養価をアップさせることができます。
■風味を調える
フグ鍋のだしは、昆布や鰹節、椎茸などの出汁が使われます。これらの出汁は、風味や旨味がありますが、少し塩気が強い場合があります。ネギを加えることで、出汁の塩気を和らげ、まろやかな風味に仕上げることができます。
臆病はネギばかり食う雪の夜|フグの川柳・ことわざ
「臆病はネギばかり食う雪の夜」という川柳の他にも、フグをテーマとした川柳・ことわざには、
■川柳
ふぐ食えば仏も我もなかりけり
片棒をかつぐゆふべの河豚仲間
■ことわざ
フグは食いたし命は惜しし
河豚食う馬鹿河豚食わぬ馬鹿
河豚にもあたれば鯛にもあたる
ふぐ食った猫の腰
などがあります。
なお、フグには、テトロドトキシンと呼ばれる神経毒があります。テトロドトキシンは、フグの肝臓、卵巣、腎臓などの内臓に多く含まれており、その毒性は青酸カリの2000倍とも言われています。
テトロドトキシンは、神経細胞の働きを阻害することで、しびれや麻痺、呼吸困難などの症状を引き起こします。重症化すると呼吸麻痺や心停止を起こし、死亡することもあります。
フグの毒は、加熱しても分解されません。そのため、フグ料理は、フグ調理師の免許を持っている人が調理する必要があります。
フグの毒の種類は、以下のとおりです。
テトロドトキシン
テトロドトキシンの誘導体
サキシトキシン
サキシトキシンの誘導体
テトロドトキシンは、フグの毒の最も主要な成分であり、その毒性は最も強力です。サキシトキシンは、フグの毒の第二の主要な成分であり、その毒性はテトロドトキシンに次いで強いです。
フグ毒の症状は、摂取量や摂取した部位によって異なります。一般的には、摂取後30分?2時間程度で症状が現れ始めます。
初期症状は、口のしびれ、舌のしびれ、手足のしびれ、頭痛、吐き気、嘔吐などです。症状が進行すると、呼吸困難、心停止などの致命的な症状を引き起こすことがあります。