尾上縫は1980年代後半に起きた負債総額4300億円という個人としては史上最高額の詐欺罪で逮捕された人物。
1998(平成10)年に懲役12年の実刑判決を受けて刑務所に収監されていましたがその後は?どうなっているんでしょうか?
ちなみに尾上縫の巨額詐欺事件の全貌や晩年については清水一行さんによる『女帝:小説・尾上縫』で詳しく触れられています。
尾上縫の今・その後は?晩年で死去?
尾上縫さんは大阪千日前にある高級料亭「恵川」を切り盛りする傍ら、1980年代後半のバブル経済のまさにど真ん中にいた人物。
バブル全盛期の頃には女将を務める料亭の客らに対して、占いと神のお告げによって株式相場の上昇や競馬の勝ち馬などを見事に言い当てていたことで「女帝」「バブルレディ」「北浜の天才相場師」と崇められていました。
尾上縫さんは特定の銘柄を挙げて株価の見通しを尋ねると、神がかり状態の尾上が「上がるぞよー」とか「まだ早いぞよー」と株価を予想。
評判が上がれば上がるほど料亭も繁盛し、多くの証券マンや銀行マンらが尾上に群がるようになり、彼らは「縫の会」と呼ばれれるようにもなりました。
やがてバブルが弾けた後、尾上が詐欺罪で逮捕されると、その怪しげな手法の数々が週刊誌やテレビのワイドショーまでをも賑わせました。
北浜株式街で1日に数百億円という大金を動かしていたものの、バブルが弾けて資金繰りに窮します。
結果的に尾上縫さんが株価の値上がりを的中させていたというよりは、バブル景気によって世の中では「どんな株を買っても上がる」ような時代でした。
そんな時に尾上縫さんがたまたま(?)購入したNTT株がなんと28億円もの利益を生み、メディアでも大きく注目されたことをきっかけに株式投資にのめりこみ、後に翻弄される結末を迎えることになります。
尾上縫さんは巨額の架空預金証書を発行した詐欺容疑で逮捕され、留置場で破産手続きをおこないます。
負債総額は個人としては史上最高額となる4300億円に及び1998(平成10)年、懲役12年の実刑判決を受けています。
晩年、刑務所に収監後まもなく要介護状態となりひとりでは何もできなくなったものの、元気な時には毎晩拝んでいたそうです。
刑期を終えて既に出所をしているはずですが、2017年3月20日、MBSテレビで放送された『激撮!直撃!!スクープ ヤマヒロ×西靖▼関西あの事件あの人は今? 4時間生放送SP』で、3年前(2014年頃)に死去していたことが明るみになります。
高野山の尾上家の墓に納骨されているとのこと。