ネットフリックスで見れるアニメ「大奥」はどこまで実話なんでしょうか?
大奥には将軍の奥さんである正室や側室がいて「世継ぎを産む」のが仕事とされる組織。
実在の大奥とは女性の組織ですが、アニメ「大奥」のようにほぼ男性で将軍が女性というのはどこまでフィクションなんでしょうか?
アニメ大奥はどこまで実話?フィクション?
アニメ「大奥」はほぼフィクションです。
「よしながふみ」のコミック「大奥」が原作で、”もし”という視点で、女性中心の社会という切り口が面白いせいか、度々の映像作品化がされてます。 原作は、色々と受賞歴もあり、高い評価をされてます。
実在の男性の人物を女性に置き換えているので、人物名としては、実在の人被りますし、時系列的な出来事や時代の変化は、概ね実史の流れですけど、フィクションです。
徳川時代の将軍のみならず、朝廷から任ぜられる征夷大将軍は、立ち位置や役割など変化しつつも、史実では、ずっと男性です。
ちなみに赤面疱瘡という病気は架空のものですが『疱瘡』という病気は実在しています。現代では『天然痘』と呼ばれた病気で世界中で不治、悪魔の病気と恐れられてきた代表的な感染症で時に国や民族が滅ぶ遠因となった事すらある恐ろしい病気でした。
1980年にWHO(世界保健機関)が『天然痘』の根絶を宣言するまで世界のどこかで猛威を振るった病気で人類が根絶に成功した人間に感染する感染症の唯一の例だそうです。
『独眼竜』と言われた伊達政宗は幼少時にこの病気に発症し、右目を失明、他にも豊臣秀頼、そして徳川家光も罹患しました。春日局が薬断ちを誓ったのもこの時の平癒祈願の時でした。
まとめ:アニメ大奥はどこまで実話?フィクション?
アニメ大奥は男女を逆転させているという言う以外の歴史の大まかな流れは事実ですが登場人物は実在の人物もいれば架空の人物もいますし、実話もあればフィクションもあります。
一部史実や逸話に基づくものもありますが徳川家光以降の歴代将軍が女性だったという事実はありませんし、赤面疱瘡という病気が蔓延して男子の人口が激減したと言う事実もありません。
例えば、春日局の直訴の話や忠長が西丸の堀にいた鴨を射たというのは逸話です。実話としての信憑性には欠けます。
他にも2003年版大奥での瀧山と実成院の対立も、有名な話ではありますが逸話ですし、華の乱で御台所がお伝の方に対抗するために右衛門佐を招聘したという話も彼女の年齢から否定されています。
ですから、春日局、お万の方、桂昌院、右衛門佐、天英院、絵島、瀧山、天璋院など、確かと言えるのは登場人物くらいです。とは言えドラマ独自のキャラもいますからご注意を。
ちなみに保科正之とその母・静が大奥を追い出されたというのはデタラメです。当時の奥向のしきたりでは、正室が認めた女性しか側室にはなれないものを、江の許しなく秀忠が関係を持ったことから静は密かに大姥局のもとを去り、城外で出産しました。江との接触はありません。