「開け、ゴマ」とは『千夜一夜物語』(アラビアンナイト)の『アリババと40人の盗賊』に出てくる呪文。
「開け!ゴマ」はなぜ”ゴマ”なんでしょうか?由来・語源は?
開けゴマの意味|なぜ胡麻?由来・語源はOpen sesame?
「開けゴマ」は中世アラビアで成立した説話集「千夜一夜物語」の中にある「アリババと40人の盗賊」という話で盗んだ宝物が隠された洞窟を開くときの呪文ですが、「開けゴマ」を英語にすると「Open sesame」
sesameには通行券というような意味もあるそうです
Open sesameで解決の鍵・糸口というような意味になります
アラビア語ではゴマはシムシム、これが変化して英語のsesameになったと言われています
アラビア語では「イフタフ(開け)、ヤー(呼びかけの間投詞)・シムシム(胡麻)」と言うそうです。
理由については、ゴマも ホウセンカなどと同じように 莢が割れ種がはじけてパッと開くことからがばっと勢いよく開く様子を指して使われる現地の慣用句だったとか〈←これが一般的な説〉、
性的な暗示が含まれた表現だとか、シンマ(肛門)と関係あるとか、いろいろな説があるようです。
また、呪文を忘れてしまった兄のカシムが 「開け麦!」とか「開け豆!」とか必死に唱えても開かない点に
穀物の中でゴマを最も重用する 当時の中東の認識が表れているとする分析もあります。
まとめ:開けゴマの意味|なぜ胡麻?由来・語源はOpen sesame?
「開けゴマ」の「ゴマ」に深い意味はないと思われます。 原文が「Open Sesame」と書いてあるのでそれを直訳したものと思われます。 実際、英和辞典の「sesame」の項には、例文として「Open Sesame」が載ってい ます。 尚「Open Sesame」という言葉には、「通行券」という意味もあります。 こちらがどうやら本来の意味のようです。
ちなみに、18世紀はじめ、ヨーロッパにこの『アルフ・ライラ・ワ・ライラ(千夜一夜物語)』を初めて紹介したのは、フランスのガランであり、それ以来この作品は、世界文学の名作となっているが、ガランは紹介する際に、「アラジン」や、「アリ・ババ」などの、アラビア語原典にない話しも加え、これが今日もっとも知られるものとなっています。
「アラビアン・ナイト(千夜一夜物語)」は著者不明のインド・イラン起源や近東諸地方の物語集で、 シェヘラザードという才女が面白い物語を 千一夜にわたって続けるという形式をとる短編集。
補足:開けゴマの意味|なぜ胡麻?由来・語源は?
「アリー・バーバーと40人の盗賊」という物語は「開けゴマ」という呪文で有名です。どんなシーンで使われる呪文だったっけ、という人のために、まずあらすじを紹介しましょう。
ある日山で薪集めをしていたアリー・バーバーは、盗賊の一団が「開けゴマ(イフタフ・ヤー・シムシム)」という呪文を使って、秘密の岩屋に出入りし、盗んできた財宝を隠すのを見てしまいました。彼はその呪文のおかげで岩屋に忍び込み、金持ちになったのですが、その話を聞いて同様に岩屋に忍び込んだ兄のカシムは呪文の「ゴマ」という言葉を忘れて岩屋から出られなくなり、盗賊団に見つかって殺されてしまいます。盗賊団の追っ手はアリー・バーバーの身にも迫るのですが、頭が良く勇気もある女奴隷のマルジャーナの活躍によって助かります。アリー・バーバーはマルジャーナを自分の息子と結婚させ、盗賊団の財宝を手に入れて、死ぬまで幸せに暮らしました。
さて、この呪文、なぜ「開けゴマ」なのでしょうか。実は今では「ゴマ」が呪文に使われている本当の理由は忘れ去られていますが、どこか性的な意味が含まれていたのではないかとも考えられています。(第九夜から語られる「荷担ぎやと三人の娘の物語」には「さやをむいた胡麻」という表現が出てきます。何を指しているか、興味のある方はぜひ読んでみてください。また、「13カ国いうたらあかんディクショナリィ(開高健・企画、講談社+α文庫)」のアラビア語の項にはシムシム(ゴマ)から連想されそうな言葉として「シンマ(肛門)」という語が紹介されています。)