ガーター騎士団とは?
世界に絶大な影響を及ぼす著名人の多くがガーター騎士団などエスタブリッシュメントに所属していると言われていますが日本人でガーター騎士団はいるのでしょうか?
ガーター騎士団とは?
ガーター騎士団は、テンプル騎士団やヨハネ騎士団のような修道騎士団ではなく、上級貴族のための名誉騎士団になります。
功績のあった者に与えられる称号で、実際に戦うわけではありません。
ガーター騎士団は、イギリスのものですが、スペインではサンチアゴ騎士団が、神聖ローマ帝国ではドラゴン騎士団が、ブルゴーニュ公国では、金羊毛騎士団が同じく名誉騎士団としてありました。
ちなみに、ガーター騎士団が設立されるまで中世の騎士団ってみんな騎士修道会だったようです。
テンプル騎士団、ドイツ騎士団、ヨハネ騎士団、帯剣騎士団などが有名です。
もともと騎士団とは教皇により承認された宗教騎士団を指すものであり、その構成員は騎士ではなく修道士として参加していました。これは聖ヨハネ騎士団が戦闘ではなく、巡礼者の保護を目的として結成された事によります。
後に十字軍を経て戦闘集団となり、さらに単なる特権利益集団に変質しても、宗教的側面は結成理念として残り続けました。
それら宗教騎士団が王権国家に滅ぼされた後、その国家によりつくられたのが世俗騎士団です。とうに騎士の時代は過ぎ去っており、騎士物語のイメージを借用して騎士団を名乗ったに過ぎません。当然教皇の承認も必要ありませんので、いわば各国王家が勝手に結成した一種の名誉団体というのが実態です。その後、現在では叙勲制度に組みこまれてしまいました。
修道騎士団に対して、名誉騎士団は、設立した王国所属になります。
ガーター騎士団、金羊毛騎士団、サンチアゴ騎士団、ドラゴン騎士団などが有名です。
騎士には、騎士階級に属する騎士と、騎士団所属の騎士がいました。
階級としての騎士は、下級貴族の下で庶民の上の階級になります。
自分で領地経営を行い、それにより生活の糧とします。
領主の要請があれば、出撃することになります。
騎士団には所属しません。
名誉騎士団所属騎士は、原則として伯爵以上の上級騎士が構成員です。
自分で領地を持っているか、国から年金をもらう立場です。
上級貴族が、名誉として受け取ります。
修道騎士団は、貴族の次男や三男が所属します。
上級貴族の子息は、部隊長クラスに、下級貴族の子息は現場指揮官に、騎士階級の子息は兵士となります。
ガーター騎士団の歴史・正装は?
ガーター騎士団は、イングランド国王エドワード三世が作ったという1344年説では、ごく限られた少数の貴族にエリート意識を持たせるために、正規の団員数を限って(26名)、そろいの装束(リプリー・お仕着せ)を与えたそうです。
象徴となっているのは、青の靴下止め(ブルーガーター)です。エドワード三世自身が率いる13名と、その長男エドワード黒太子(ブラックプリンス)が率いる13名というのは、アーサー王の円卓の騎士を意識したものだと言われています。これに対して、フランス王は星の騎士団をつくったり、その分家のブルゴーニュ公家は金羊毛騎士団を作ったりしました。
ガーター勲章は外国の王侯に外交儀礼として贈られることがありますがあくまで客員扱いです。
ちなみに、現代において騎士団というのは、ほとんどが実体のない勲章システムとしての騎士団になっています。
要するに、現代で○○騎士団の団員というのは、○○騎士団という名前の勲章をもらった人であるということです。
基本的に勲章は功労者に授与されますが、外国の要人にも儀礼として授与される例がよくあります。
ガーター騎士団に日本人は?
ガーター騎士団は英国の王族・外国の君主・英国人の功労者等に授与される勲章で、日本では昭和天皇が在位中、ガーター騎士団として認められるガーター勲章が渡されています。
逆に天皇陛下からはエリザベス2世に日本の最高位の「大勲位菊花章頸飾」が下賜されました。
第二次大戦で中止になったが戦後復活しているとの事です。キリスト教徒以外では唯一、昭和天皇がガーター騎士団でした。
それ以外にも、昭和天皇は、「金羊毛騎士団」の団員でもありました。金羊毛騎士団においても、唯一の非キリスト教徒でしょう。