「王様の耳はロバの耳」の意味は?
原作はイソップ寓話の1つで、ギリシア神話に登場するフリギア王ミダスの物語とされる「王様の耳はロバの耳」にはどんな意味・教訓があるんでしょうか?
王様の耳はロバの耳の原作あらすじ
■「王様の耳はロバの耳」あらすじ
アポロンとパンが音楽の腕競べ。
結果:アポロンの圧勝。
音楽のセンスのないミダス王がこの判定にクレームをつけ、怒ったアポロンはミダス王の耳をロバの耳に変えてしまう。
※アポロンを怒らせた経緯も諸説が数説あるものの、ミダス王はアポロンには殺されても仕方がない状況にも関わらず命は奪われずに許されます。
ミダス王はこれを恥じて人前に出るときは耳をひた隠しにするが、床屋にだけはどうしても隠し通すことが出来ない。
秘密を知ってしまった床屋は地面に穴を掘り、「王様の耳はロバの耳!」と叫んでストレス解消。
しばらくするとそこから葦が生えてきて風でそよぐたびに「王様の耳はロバの耳」と囁くようになったので、王様の秘密は国中に広まってしまった。
なぜロバなのかというとロバには愚か者という意味が込められているからです
王様の耳はロバの耳の意味について「隠し事はどこからかバレる」とか「言ってはいけないけど、こっそり言っちゃうこと」といった意味で使われることが多いようです。
王様の耳はロバの耳の意味
「王様の耳はロバの耳」という言葉の意味について、人々に対して寛容であることの大切さを教えるための表現と考えられます。具体的には、他人の意見や考えを尊重し、偏見や差別を持たずに接することが大切だというメッセージを含んでいます。
「王様の耳はロバの耳」の由来は、寓話(ぐうわ)と呼ばれる物語です。寓話は教訓や道徳を楽しいお話として伝えるための物語です。この寓話では、王様がロバの耳を持っていることを秘密にしていました。しかし、それが床屋に知られてしまい、結局は全ての人々に知れ渡ってしまいます。
王様は最初はその事実を隠そうとしましたが、後に皆に自分の欠点を受け入れ、他人の意見を大切にする姿勢が大切だと認識します。そのため、「王様の耳はロバの耳」ということわざは、人々に自分の欠点や違いを隠さずに受け入れ、対話やコミュニケーションを大切にする姿勢を示すものとされています。
王様の耳はロバの耳の教訓|何が言いたい?伝えたいことは?
王様の耳はロバの耳の教訓は、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
「秘密は誰にも漏らさない」
「欲望は度を越えると、かえって害になる」
「大切なものは見極める」
秘密は誰にも漏らさない
王様は、立琴の神の怒りを買ったため、自分の耳がロバの耳に変えられた秘密を、床屋にのみ打ち明けました。しかし、床屋は王様の秘密を守ることができず、井戸に打ち明けてしまいました。その結果、王様の秘密は、井戸の水面に反射して、井戸を覗いた人々の目に触れてしまいました。
このことから、秘密は誰にも漏らさないことが大切だということがわかります。たとえ信頼できる相手であっても、秘密を打ち明ける際には、その相手が秘密を守ることができるかどうかを慎重に判断する必要があります。
欲望は度を越えると、かえって害になる
王様は、立琴の神と笛の神の音の勝負で、笛の音の方が好きだと言ったため、立琴の神の怒りを買いました。立琴の神は、王様の欲望を戒めるため、王様の耳をロバの耳に変えてしまいました。
このことから、欲望は度を越えると、かえって害になるということがわかります。欲望に駆られて、自分の意見や考えを曲げてしまうと、思わぬ結果につながる可能性があるのです。
大切なものは見極める
王様は、最初はロバの耳を恥ずかしいと思い、頭巾で隠していました。しかし、ある日、王様は、ロバの耳が、自分を正直で素直な人として、周囲の人に認められるためのものであることを悟りました。
このことから、大切なものは見極めることが大切だということがわかります。見た目やお金などの外的なものに惑わされず、心の奥にある大切なものを見極めることが大切なのです。
まとめ:王様の耳はロバの耳 意味・教訓は?原作は?
王様の耳はロバの耳の意味について「(知られたくない)真実を隠そうとしても、隠し通すことは困難である」の意味で使われることが多いようですが、「王様の耳はロバの耳」のお話は「さわると黄金になるお話」の一つでさらに続きがあります。
耳のことが皆にわかってしまったことを知り、 もともと耳のことを知っているのは床屋ただ1人であるので、 その床屋を殺そうとします。 アポロンも自分を殺す十分な理由があるのに許してくれたのだからと床屋を許してやります。
アポロンが現れ「よく床屋を許してやった。お前の罪をといてやろう」 と耳を元に戻してもらうのです。
話の続きから考えると、「王様の耳はロバの耳」の意味は、人に対する寛容さを説いた寓話だと考えることもできそうです。