古畑任三郎「黒岩博士の恐怖」のストーリーを解説
緒形拳(現・松本白鸚)さんが犯人・監察医の黒岩健吾を演じた「黒岩博士の恐怖」について。
古畑任三郎「黒岩博士の恐怖」あらすじ
猟奇的連続殺人事件が発生し、遺体の肛門から犯行予告のおみくじが発見されるという異常な事態が続きます。この事件の捜査を進める中で、警察は古畑任三郎を引退から呼び戻します。古畑は、この事件が監察医・黒岩健吾とその助手・春木による狂言であることを見抜きますが、その真の目的が明らかになるまでには困難な道のりがありました。
古畑任三郎「黒岩博士の恐怖」ストーリー解説
■連続殺人の発生
遺体の肛門から犯行予告のおみくじが発見される猟奇的な連続殺人事件が発生します。古畑は、一連の遺体がすべて監察医・黒岩健吾とその助手・春木によって検案されていることに気付きます。
■古畑の復帰
引退して警察犬の訓練所に勤務していた古畑は、警察の依頼により捜査に復帰します。古畑は新たに加わった捜査員の西園寺や、旧知の今泉と共に捜査を進めていきます。
■黒岩博士への疑念
古畑は、黒岩博士が連続殺人事件をでっち上げていることに気付きます。彼の目的が、小木智満を殺害するためであったことが次第に明らかになります。小木は、黒岩の過去の不正を知る重要な人物でした。
■春木の死
古畑が黒岩博士を追及する中、春木が自殺したという報告が入ります。古畑は、春木が自首しようとしたため黒岩によって殺害されたのではないかと疑います。実際、春木は黒岩に殺され、その死は自殺として偽装されていました。
■決定的な証拠
古畑は、春木の遺体を一晩霊安室に保管したことから、決定的な証拠を掴みます。春木の指紋が死体に残っていたこと、そして黒岩が春木の検案に関与していたことが明らかになります。
古畑任三郎「黒岩博士の恐怖」犯行の手口と動機
■偽の連続殺人
黒岩博士は、監察医という立場を利用して、事故死や自然死の遺体におみくじを詰めることで連続殺人に見せかけていました。こうすることで、警察の捜査を混乱させ、小木智満を殺害するためのカモフラージュとしていました。
■小木智満の殺害
小木は過去に代議士の秘書を務めており、その代議士の自殺偽装を知っていました。黒岩博士は、小木がこの秘密を暴露することを恐れ、小木を殺害しました。
■春木の殺害
春木は黒岩博士の助手として協力していましたが、自首しようとしたため、黒岩に殺されました。黒岩は春木の死を自殺として偽装しようとしましたが、その計画は古畑によって暴かれました。
古畑任三郎「黒岩博士の恐怖」キャラクター設定
■古畑任三郎
引退後も鋭い洞察力を持つ古畑は、事件解決に向けて的確な推理を展開します。特に、黒岩博士のミスを見逃さず、証拠を積み重ねていく様子が描かれます。
■黒岩健吾
緒形拳が演じる黒岩博士は、冷静かつ狡猾な人物として描かれます。彼の犯行動機や手口が徐々に明らかになるにつれ、その非情さが際立ちます。
■西園寺と今泉
西園寺は、新たに加わった捜査員として古畑をサポートし、今泉は古畑の長年の相棒として協力します。二人のキャラクターが物語に深みを与えます。
古畑任三郎「黒岩博士の恐怖」|緒形拳ゲストの再放送は?
「古畑任三郎」シリーズはこれまでたびたび再放送されてきました。
ただ、緒形拳ゲストの「黒岩博士の恐怖」に関しては、再放送が見送られることもあるようです。
テレビドラマの再放送については、出演者や脚本家、原作者などの権利問題が原因で再放送されないことがあります。
特に、この作品には緒形拳さんが出演しており、彼らとの権利交渉が難航している可能性もあります。
古畑任三郎「黒岩博士の恐怖」|緒形拳について
1937年7月20日、東京に生まれた緒形拳さんは、男5人兄弟の4番目として育ちました。終戦後の貧しい暮らしの中で、三男の突然の死が彼に役者の道を歩むきっかけを与えます。高校時代に新国劇の舞台に魅了された緒形さんは、辰巳柳太郎と島田正吾という二大看板役者の弟子入りを果たします。二枚看板の師匠から演技指導を受けた緒形さんは、劇団のホープとして頭角を現します。
■大河ドラマでのブレイクと葛藤:新たな旅立ち
1965年、NHK大河ドラマ「太閤記」の主役に抜擢された緒形さんは、一躍国民的人気俳優となります。しかし、舞台とテレビの両立が難しくなり、師匠たちを裏切る形で新国劇を退団することになります。葛藤を抱えながらも、緒形さんはテレビドラマや映画で幅広い役柄を演じ、その演技は円熟味を増していく一方、ドキュメンタリー番組の案内役としても活躍します。
■鬼畜、楢山節考、火宅の人:魂を揺さぶる名演
1978年映画「鬼畜」では、見事な演技で数々の男優賞を 受賞し、その実力を世に知らしめました。その後も、「復讐するは我にあり」、「楢山節考」、「火宅の人」など、数々の名作に出演し、映画界にその名を刻みます。
■旅と芝居:二つの世界を行き来する探求者
「旅」というノンフィクションと「芝居」というフィクションの間を行き来することが、俳優としてのバランスを保つ秘訣だと語っていた緒形さん。世界各地を旅し、その経験を演技に昇華させる探求者のような姿勢は、多くのファンを魅了しました。
■最期まで役者魂を貫いた男:静かなる旅立ち
2008年10月5日、71歳で肝臓癌のためこの世を去りました。最後まで役者として生きることを貫いた緒形さんは、多くの人々に深い感動を与えました。