お喜び と お慶び の使い方の違いは?
挨拶文でお喜び と お慶びにはどんな違いがあるんでしょうか?
歓び、喜び、慶び、悦び、の違いは?
お喜び・お慶び 違いは?使い分け・意味は?
挨拶文お「貴社ますますご清栄のことと【およろこび申し上げます】」とする場合、
お喜び と お慶び の使い方の違いについて、《お慶び》の方はお祝いごとに使うものです。
この場合はお祝いではないから《お喜び》の方でしょう。ちなみに、「ご清栄」は個人の活躍に対して使うので、会社は「ご隆盛」の方がいいと思います。
ただ常用漢字表には「慶」の読みに「よろこぶ」はないので、「喜ぶ」を使うのが正解のようです(「喜」には「よろこぶ」という読みがある)。
お喜び・お慶び、歓び、喜び、慶び、悦び 違いは?使い分け・意味は?
歓びは「歓声をあげるほどに嬉しいこと」。
喜びは「嬉しいという気持ちのこと」。
自分が嬉しいと感じたときに使います。
慶びは、お祝いの品を持って行くときの明朗な感情を表している。
つまり、この字を使うのはお祝いに限られる。
悦びは「自分が嬉しいときや他人を喜ばせたときの気持ちのこと」。
他人を喜ばせたときにも使う言葉です。
声をあげてしまうほどに、ものすごい喜ばしい出来事があったときに、この歓びという言葉を使うことになります。
まとめ:お喜び・お慶び 違いは?使い分け・意味は?歓び、喜び、慶び、悦びは?
■慶
心部
《画数》15画
常用漢字
《音訓》ケイ・キョウ・よい・よろこぶ
《意味》
{動}よろこぶ。明るく力強い気持ちになる。めでたいと祝う。「慶賀」
{名・形}よろこび。めでたいこと。めでたい。
{名}幸い。また、たまもの。
{助}文頭につける、感嘆をあらわす助詞。
《解字》
会意。「鹿の略体+心+夊(足)」で、鹿の皮(お祝いの品に用いる)をお祝いに持って行くときのような、明るい気持ちをあらわす。力強く明朗な意を含む。
■喜
口部
《画数》12画
常用漢字
《音訓》キ・よろこぶ・よろこび
《意味》
{動}よろこぶ。にこにこする。うれしがる。
{動}このむ。愛好する。
{名}よろこぶ。うれしい気持ち。
{名・形}よろこび。めでたい事がら。めでたいさま。
《解字》
会意。喜の口を除いた部分は、台のついた器に、うずたかく食物を盛って、飾りをつけたさま。また、鼓の左がわと同じと考え、飾りつきの太鼓をたてたさまとも解される。喜はごちそうを供え、または音楽を奏してよろこぶことを示す。
年賀状でよく「初春のお慶びを申し上げます。」と書かれていることがありますが、めでたいと祝う気持ちがあれば「お慶び」
「喜」にも「めでたい事がら。めでたいさま。」という意味がありますが、字義としては、「うれしい気持ち。」の方が上なので、相手が元気でうれしい気持ちでめでたい場合は「お喜び」で良いでしょう。
「喜ぶ」
よいことがあったときや楽しいときは「ヨロコび」を感じますが、最も一般的な「ヨロコび」を表します。
..例:「喜びでいっぱい」「人体全体で喜びを表現する」
「悦ぶ」
「快楽」「満悦」などと使われることからもわかるように、もっぱら「満足したヨロコび」のニュアンスで使われることが多い「悦び」です。
..例:「悦びの日々」「愛の悦び」
「歓ぶ」
「歓迎・歓待・歓喜・歓声・歓楽」などと使われることからも分かるように、他人と打ち解けよろこぶ、楽しみよろこぶという「にぎやかにヨロコぶ」というニュアンスで使われます。
..例:「歓んで迎える」
「慶ぶ」
「慶弔」「慶事」の「慶」で、「めでたい・祝う」の意味で、冠婚葬祭の冠婚、また手紙文などで使われる「ヨロコび」の表記で、「めでたいことをヨロコぶ」というニュアンスで使われます。
..例:「ご清祥のこととお喜び申しあげます」「ご結婚お慶び申しあげます」
「悦」「歓」「慶」は、「常用漢字表」の音訓欄に「ヨロコび」という訓がかかげられていない(「表外音訓」)ので、常用漢字表に従って忠実に表記すれば、すべて「喜」で代用されています。
……『漢字の使い方ものしり辞典』(宇野義方監修・大和出版刊)、『デジタル大辞泉』などより