ピーターパンって原作はどんな内容だったんでしょうか?
原作ピーターパンで、フック船長が腕を切られた理由は?
ピーターパンが大人にならない理由は原作で明らかになっているんでしょうか?
ピーターパン原作は怖い?ピーターパンが大人にならない理由は?
「ピーターパン」は原作者ジェームス・マシュー・バリー自身によって何度も書き変えられているので、どれが本当の原作なのか難しいところです。
1902年小説「小さい白い鳥」
1904年戯曲「ピーターパン 大人になりたがらない少年」
1906年小説「ケンジントン公園のピーターパン」
1911年小説「ピーターパンとウェンディ」
今日、われわれがピーターパンのお話として理解しているのは1911年版の小説を基にしたものです。
ウェンディがピーターパンに誘われてネバーランドに行き、冒険を繰り広げます。
こちらの原作のエンディングは次のようになっています。
男の子達はウェンディの家の養子になりますが、ピーターだけはネバーランドへと帰ってしまいました。ウェンディが女の子を産み本当のお母さんになった頃、ピーターは母娘の前に再び現れ、今度は娘と冒険を楽しみます。そしてウェンディがおばあちゃんになると、今度はその孫と、ピーターだけは変わることなくウェンディの子孫達と冒険を続けるのです。
ちなみに、ピーターパンでフック船長が腕を切られた理由は原作でも明らかになっていません。
「小さな白い鳥」や「 ピーターパンとウェンディー」にも描かれていません。
いずれの作品でも最初からピーターパンとジェームズ・バーソロミュー・フックの間は敵同士だったので、その辺の描写はありません。
まとめ:ピーターパン原作は怖い?ピーターパンが大人にならない理由は?
ピーターパンは原作によっては怖い設定となっているようです。
1911年に出版された原作本「ピーター・パンとウェンディ」の中に
「子供たちは大きくなるとそれは規則違反なのでピーターはできるだけ大急ぎで執念深く子供たちを殺していきました」
という一節があるようです。
ネバーランドの住人が大人になるとピーターパンが殺してしまうのです。
大人になること=悪賢さを持つこと=純粋な心ではなくなること
=妖精の存在を信じなくなること=妖精の粉の効力が付与されないこと
=飛べなくなること=大人になること=罪
ネバーランドにおける罪の象徴が大人になることだというのが原作者の意図したことなのかもしれません。
ピーターパンは非常に純粋な子供です。
それゆえ、思ったことをストレートに行動に移します。
ネバーランドは子供だけの国なんだ
だから、大人はいてはいけない
↓
でも、仲間は普通に成長して大人になっちゃう
↓
これでは子供だけの国であるはずのネバーランドの秩序は保たれない
↓
そうだ!殺しちゃえばいいんだ!
殺しちゃえば大人はいなくなる!
↓
死体山積みネバーランド。
ピーターパンは純粋に大人を殺します。
この場合、彼は悪事に対して悪いことをしているとは思っていません。
純粋だからです。
逆に、フック船長はその生き残りなんて説もあるらしい。
そう考えるとフック船長はピーターパンの毒牙にかかる前に子供を救おうとする正義の味方なのかもしれません。
ちなみに、ウェンディ殺人未遂もしていますが真相は以下の通りです。
ピーターパンがウェンディにばかり関心を持つのに嫉妬したティンカーベルが、男の子たちのおかあさんになるべくピーターに選ばれて飛行中のウェンディを鳥だと偽って射落とすように男の子たちをけしかけます。
男の子たちのひとりがそれを真に受けて放った矢は、ウェンディの首にかけたボタン(ピーターの贈り物)のネックレスに刺さり、ウェンディは九死に一生を得ます。
ピーターパン以外に原作が怖い童話|シンデレラや赤ずきん
ピーターパンは原作によってはネバーランドは「大人にならない」わけではなく「大人になったらピーターパンが殺す」という世界でした。
このように今日伝えられているのと実話が違う童話には
シンデレラ
赤ずきん
などたくさんあります。
シンデレラ(シンデレラというのは”灰かぶり”という意味で、煤けたとか小汚いといったようなニュアンスです)に関していえば、有名なところで
①物語に魔女は登場しない。 旅から帰った父親が土産を持ち帰るが、姉(継母の連れ子)達には高価な装飾品を与えるのに、実の娘のシンデレラにはマントに引っかかっていたハシバミの木の小枝しか与えなかった。彼女はその小枝を空き地に植える。後にその木は大きく育つ。舞踏会の日のドレスや靴(もちろんガラスではない)などは彼女に味方する小鳩が与えるのであるが、それらの物はその木から出てくる。
②したがって、12時に魔法が解けるなどという制約は無い。
③残された靴に足を合わせるため、シンデレラの継母は娘(異母姉)のつま先をなたで切り取る(!)。しかし、いざ挑戦しようとすると、包帯に血がにじんで目論みはばれてしまう。
④靴がはけたシンデレラは城に上がることが出来た。一方継母や姉達はシンデレラが連れていた小鳩に襲われ、両目を潰されてしまう。
ガラスの靴や、かぼちゃの馬車、魔法使いの魔法が12時に消えるといったエピソードは後のディズニーアニメによるところが大きい。
赤ずきん
これも元の話には過激なシーンが盛り込まれているため削除や改変された部分がある
①赤頭巾ではなく赤い帽子であった
②狼はお婆さんを殺し、食べてしまう。そしてその肉と血をワインと干し肉と偽って赤ずきんにも食べさせる
③狼は赤ずきんを食べやすいように言葉巧みに偽って、その着ている衣服を一枚づつ脱がせ、暖炉に投げ込ませる。すなわち、赤ずきんは丸裸にされてしまう。
④最後、赤ずきんも狼に食べられる。いわゆる猟師は登場しない。