映画『猿の惑星』は、日本人を猿に見立てた映画というのは本当?
原作者のピエール・ブールが猿の惑星に登場する猿は日本人をモデルにしたというのは実話何でしょうか?
猿の惑星の猿は日本人がモデル?
映画『猿の惑星』は、原作者のピエール・ブールは日本軍の捕虜の経験を素に日本人をモデルとして書いたという話しを見かけます。
ただ映画『猿の惑星』のwikiにある記述によると、映画『猿の惑星』は、日本人を猿に見立てた映画というのは嘘のようです。
第二次世界大戦当時、日本軍占領下の中国や東南アジアに潜入していたブールが仏領インドシナにて有色人種の現地人を使役していたところ、同じ有色人種である日本人の軍の捕虜となり、1年半の収容所生活を送ったという「立場の逆転」した苦い経験を基に描かれたとも評された[2]。しかし、実際にはブールを捕虜にしたのはヴィシー政権下のフランス軍であり[注 1]、日本軍を猿に見立てて小説を書いたという説については確証がなく、ブール本人も言及したことは一切無いため、噂の範疇に過ぎない。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8C%BF%E3%81%AE%E6%83%91%E6%98%9F
ブールはこうも言ってます。白人以外の文明に触れて、いつか白人以外の文明が世界を支配する日が来るのかもしれない、というのが着想の源だ、と。つまり、彼は日本人を「文明人」だと認めてるのです。
「人類が、進化の過程において、絶対王者として頂点に君臨することは、果たして真なのか」を問う作品だったようです。
まとめ:猿の惑星の猿は日本人がモデル?
映画『猿の惑星』原作者のピエール・ブールはその後「戦場にかける橋(クワイ河の橋)」を書きます。
日本兵が、捕虜のイギリス兵を使って鉄道橋をかけようとする話で、その過程で日本兵とイギリス兵の対立と交流を描いた物語です。
これはブール自身の体験を下に書いた小説で、そこに描かれる日本兵は尊厳のある人間として描かれます。
イギリス軍人と日本軍人が最初は立場の違いから対立し、やがて橋を架ける目的のために協力していく。そんな小説を書いた人が、日本人は猿で、イギリス人こそ文明人である、なんて発想をするなんて考えにくいものがあるんじゃないでしょうか。
映画『猿の惑星』が公開された当時は公民権運動が盛んな時代で、カウンターカルチャー全盛期。
つまり、西洋世界の価値観に疑問符がついていた時代であり、文明への懐疑論が広がっていました。
もちろん、描かれているように核戦争による終末論が盛んで、本気で核戦争が恐怖の対象となっていました。
こういう価値観が揺らぎ、人類と文明そのものへエクスキューズが付けられて時代の産物が「猿の惑星」です。
なお、自由の女神ももちろんメタファーです。
近代の人類の理想のシンボルが主人公の人間を祝福するのではなく、冷笑してるオチって寸法です。