「紅の豚」の最後でフィオにキスされたマルコ(ポルコ)は人間の姿に戻ったんでしょうか?
紅の豚でフィオのキスの後にマルコは人間の素顔?
映画「紅の豚」の最後ではカーチスとの勝負に辛くも勝利したもののマルコ(ポルコ)は顔をボコボコされていました。
そんなマルコにフィオがキスをすると、カーチスことイタリヤ野郎に「顔見せてみろ、ちょっとだけ」と叫んでいたことから、魔法が解けて人間の顔に戻っていたようです。
宮崎監督が原作書籍のインタビューでも「でもこの後ポルコ(マルコ)はすぐに豚に戻る。たまにジーナに会いにくる」と、答えていることからマルコがフィオのキスで人間に戻っていたことは間違いないようです。
ちなみに、カーチスとの勝負前夜にも、ポルコは人間の姿で弾丸をチェックしてるところをフィオに目撃されています。
※人間に戻ったポルコの姿はフィオが見た夢だったの可能性もあります。
マルコが自分で自分にかけた豚になる魔法は自分の心を揺り動かす出来事や、うっかり油断してた時には解けてしまうようです。
そもそも、マルコがなぜ豚になったのかというと、紅の豚が第1次と第2次の世界大戦の間の国際的な情勢や各国の国民の心情などを描いているという背景があります。
ですから1930年代あたりの実際の出来事がかなり含まれている、ジブリの中では最もリアルな作品です。
ポルコは人間であったとき、イタリア人で、イタリア空軍に所属してしました。
そこで仲間を含め多くの兵士の殺し合いを目にし、もう人を殺したくないと感じました。
ですが当時のイタリアを含め、特に独裁政権体制が根強い国では兵役拒否は認められないことでした。ポルコは空軍のエースでもあったため、捨て置かれることはなく、反逆者とみなされることも覚悟しなければならなかったのです。
そこで、「イタリア国民」なら国家や法律に忠実でなければなりませんが、「イタリアに居る豚」なら法律に従う必要もなく、兵役も関係ないという結論に至ったのです。
それはポルコの、「豚肉にも法律もねえよ」とか、戦友のフェラーリンの「やつらは豚を裁判に掛ける気はない(つまり人道的に扱わず殺す)」というセリフからもよく分かります。
豚になった方法は自分に魔法をかけたということです。
宮崎監督もその詳しい方法は述べていません。