空気清浄機などに搭載されている
プラズマクラスター(シャープ)
ナノイー(パナソニック)
ストリーマ(ダイキン)
は何が違うのでしょうか?
またプラズマクラスター・ナノイー・ストリーマのどれが良いのでしょうか?
プラズマクラスター・ナノイー・ストリーマ違いは?
プラズマクラスター・ナノイー・ストリーマには基本的には大きな違いはありません。
■プラズマクラスター
プラズマクラスターイオンとは、空気中の水素と酸素に、プラズマ放電を加えることで作り出されます。
プラズマクラスターは、プラズマ放電により活性酸素を発生させ+(プラス)と-(マイナス)のプラズマクラスターイオンを作り空気中に放出する技術。特許を取得していますので、他メーカーがこの技術を利用出来ません。
+のイオンはH+、-のイオンはO2-で、自然界に存在する安全な物です。共に周りを水分子が取り囲んでいるため長寿命になります。
・浮遊ダニの糞や死骸等のタンパク質を切断して除去
・空気中のウイルスを除去し、浮遊ウイルスの作用を抑える
・細菌の細胞膜のタンパク質を断片化して不活化
・浮遊しているカビの細胞膜のタンパク質を切断して分解除去
などの効果が期待できますが、イオン濃度25000個/cm2(イオン発生機)の場合、肌の水分量の増加などの美肌効果もあるのです。
欠点としては、空気清浄機としての適用床面積が25畳でも、イオンは12畳に有効と、全体として約半分となっています。
イオン発生機のように、空気清浄フィルターが無い製品の場合は、フッ素樹脂やシリコーンを配合したヘアムース・制汗剤・静電気防止スプレーなどは使用できません。イオンが発生しなくなる可能性があります。
■ナノイー
ナノイーとは、(ナノ) が10億分の1メートルを表し、 (イー) とはelectricを表します。
ナノイー発生メカニズムは、金属の棒の先端を冷却して水分を結露させ、そこに高電圧をかけて超微細な霧状にして空中に飛ばすというものです。
ナノイーは、その段階では「OHラジカル」と呼ばれ、OHラジカル化しなかった水分を周囲に多くまとって空気中に飛散します。
周囲にまとった水分が、「OHラジカル」を保護する役割を果たすため、ナノイーはマイナスイオンと比較し、約6倍長持ちする特徴があります。
ナノイーには菌・ウィルス・花粉・カビ菌などを抑制する効果が代表的ですが、肌や髪の保湿による美容効果も注目されています。
■ストリーマ
ストリーマ放電は、細菌・カビはもちろん、有害化学物質・アレル物質なども除去する酸化分解力を持った高速電子を生成。
一般的なプラズマ放電と比較すると放電領域が広いので空気中の酸素や窒素と電子がより衝突しやすく、高速電子を3次元的に広範囲に発生させられるので、同じ電力を投入した時の酸化分解速度は1000倍以上。
ダイキンのストリーマ技術は、これまで難しいとされていた高速電子を安定的に発生させることに成功した素晴らしい技術です。
欠点としては、放出は出来ないので吸い込んだ物にしか効果が無い事。部屋の中の付着菌や付着ウィルスにはイオンは届かないということです。フィルターでこし取ってしまう事の方が早ければ、ストリーマ放電はあまり必要のない技術になるかも知れません。しかし、加湿空気清浄機の加湿フィルターと水にもストリーマ放電することは、常に清潔に加湿できますのでとても優れた技術と言えるでしょう。
除菌効果の違いを比較して見ましょう。
・パナソニックナノイー
(浮遊菌)
【試験方法】10立方メートル密閉空間内で直接曝露し捕集した菌数を測定。 除菌の方法「ナノイー」を放出。 対象は浮遊した菌。 【試験結果】240分で99%以上抑制。
(付着菌)
【試験方法】1立方メートル密閉容器内の布に染み込んだ菌数を測定。除菌の方法「ナノイー」を放出。 対象は標準布に染み付いた菌。 【試験結果】24時間で99.9%以上抑制。
・シャーププラズマクラスター
(浮遊菌)
試験方法:約10畳の実験空間に菌を浮遊させ、その後、実験空間内の菌を回収し、空気中の菌除去率を測定。(プラズマクラスターイオン濃度:4,700個/cm3)■試験結果:約38分で除去率99.0%。
(ウイルス)
試験方法: 1m3ボックスにウイルスを浮遊させ、プラズマクラスターイオンを放出し、空気中のウイルス除去率を測定。 試験結果: (1) プラズマクラスターイオン濃度:7,000個/cm3の場合、約10分で除去率99.0%。
(2) プラズマクラスターイオン濃度:50,000個/cm3の場合、約10分で除去率99.9%。
同じ条件ではございませんので、こちらのデータは参考にして下さい。
プラズマクラスターやナノイーの効果は実証されておりますが、お部屋を無菌状態にする事はできませんし、感染予防を保証する物でもありません。除菌効果については、過大な期待はしない方が良いでしょう。
(注意する点)
・プラズマクラスター
イオンが高濃度化(1立方メートル当たり25,000個)された専用発生機(プラズマクラスターイオン発生器)では、安定した性能を維持する為に、イオン発生ユニットの17,500時間(約2年)ごとの交換が必要となります。
イオン発生ユニットの交換が必要とされるのは、今のところシャープ製だけです。
・ナノイー
ナノイーは、空気中の水分を冷却して使用します。
湿度や温度が低いと発生装置内で結露せず、ナノイーが発生しないケースが発生します。
発生条件としては、室温約5度~約35度・湿度約30%~約85%とされています。
・結局、どちらも一長一短で、どちらかが特に優れていると言う事はありません。
ナノイーの長所としては、イオンが水分を多くまとって長持ちするために、プラズマクラスターイオンよりも広範囲に広がりやすい事です。範囲の狭いシャープ製のプラズマクラスターイオンに対して、はっきり優位に立ちます。
但し、除菌効果に関してはシャープが優位に立つ為に、広範囲に広がるナノイーが単純に優れているとは言えないのです。
現時点では
・除菌効果の高いプラズマクラスター
・消臭、美容効果が高いナノイー
とイメージされる場合が多いです。
最終的にこれらのイオン効果は、空気清浄機の付加機能程度だと考えるのであれば、別に問題は無いと思います。
しかし、本気で効果を求めてしまうと、結構厄介なのです。
ウイルス抑制効果については比べる事が出来ないと考えます。
何故なら 発生するメカニズムが違うからです。
ナノイーの発生原理は 電極に高電圧を与え 放電により発生した物に ペルチェ素子(熱電素子)が加わった物です。
電極に高電圧を与え 放電により発生する原理は オゾン発生原理と同じです。
http://www.wako-system.co.jp/005.html
オゾンは 殺菌、脱臭に効果があります。
ストリーマの発生原理は プラズマ放電に 磁界や電界を与え 分子に衝突させ分離するのが ストリーマです。
プラズマ放電には プラズマ放電式脱臭機 と言った 消臭、脱臭効果に優れた物があります。
基本となる 「オゾン発生原理」「プラズマ放電」に プラスされた物が 「ナノイー」「ストリーマ」です。
(但し +α されたからと言って 何の効果であるか?分からないので有れば 無意味 です)
根本となる物が違いますから 比較は難しいと思います。