ラグビーワールドカップ2019は日本代表がアイルランド代表を破る大金星を挙げ、
2015年以上に盛り上がりを見せ、各地のパブリックビューイングも大いににぎわっています。
ラグビーではトライ数が4つ以上で勝ち点が1点追加されるるルールとなっていますが、
試合を見てみるとトライゾーンに入ると選手たちはできるだけ中央付近でトライするシーンを良く見かけます。
ラグビーではなぜ、ある程度の危険は承知で中央にトライするのでしょうか?
ラグビーで中央にトライする理由はゴールキック(コンバージョンキック)が有利になるから
ラグビーではなぜできるだけ中央に近い位置でトライしようとするのかというと、
トライの後に蹴るゴールキック(コンバージョンキック)が有利になることが理由です。
ゴールキック(コンバージョンキック)を蹴る位置に関しては、
縦方向の位置はキッカーが自分の好きな場所を選ぶことができるものの、
横方向の位置はトライ位置によって決まります。
- 横方向とはグラウンドの両サイドを結ぶ方向
- 縦方向とは自陣と敵陣のゴールポストを結ぶ方向
といった感じに考えてください。
もしサイドラインのギリギリの位置でトライを決めた場合、
ゴールポストに対して縦方向にどんどん後ろに下がらないと、
2本のゴールポストの間にボールを蹴って通すのは非常に難しくなります。
けれども縦方向にゴールポストから遠くなればなるほど、
結局、キックの精度が求められるようになるため、
キッカーとしてはどの辺の位置でボールを蹴るのか?頭を悩ませることになりますし、
普段のキック練習の成果の見せ場ともいえます。
ラグビーファンとしてはサイドラインのギリギリの位置にトライをした後に、
ゴールキック(コンバージョンキック)を決めるのは難しいことは重々承知しているので、
もしキックを決めたらそれこそ大歓声が上がります。
それに対して、トライを中央付近に決めることができれば、
ゴールポストに対してほぼ真正面からゴールキック(コンバージョンキック)を蹴ることができます。
あまり縦方向に距離をとる必要なく、大きなゾーンを確保できるので
ラグビーではできるだけ中央に近い位置でトライしようと試みるわけです。
たとえば、ラグビーワールドカップ2019の日本対サモア戦のこちらのトライシーン。
サモアディフェンスの人数よりも日本のオフェンスラインの人数の方が多いので、
最後まで回しきってしまっても(ほぼ)確実にトライが取れるシーンです。
でもあえて背番号11番のラファエレ ティモシーがトライにチャレンジしたのかというと、
やはり中央付近でトライしたほうが有利だからと言えます。
サモアのディフェンスラインに隙があったので、
単に自分でトライに行きたかっただけかもしれませんが。。。
同じくサモア戦ですが、ラグビー日本代表のトライゲッター福岡堅樹がトライを決めたシーン。
ココでは福岡堅樹はトライゾーンに入ってもすぐにはトライを決めずに、
サイドすれすれの位置から中央付近までボールを運んでいることがわかります。
ラグビーで中央トライに失敗した場合はどうなる?
滅多に見かけることはありませんが、中央付近でトライしようとしたものの、
トライ失敗してしまうケースはもちろん考えられます。
トライゾーン内で、
- ノックオンしてしまった
- デッドボールラインを越えてしまった
- 敵に阻まれてトライしきれなかった
- 相手にボールを奪われてグラウンディグされた(敵が自陣でトライ行為をした)
などなどの要因が発生した場合には、敵ボールからのリスタートとなり、
トライのチャンスをみすみす逃すことになります。
敵に阻まれてトライしきれなかったり、
ノックオンしてしまった場合にはゴールラインの手前の5mラインから、
相手ボールのスクラムでリスタート。
デッドボールラインを越えてしまった場合と、
相手にボールを奪われてグラウンディグされた(敵が自陣でトライ行為をした)場合には、
敵のドロップキックでリスタートとなります。
ラグビーの得点ルールは?トライ・ゴールキック・ペナルティゴールの点数は?
ラグビーでは中央でトライしても端っこでトライをしても得点は代わりません。
- トライ:5点
- ゴールキック:2点
- ペナルティゴール:3点
- ドロップゴール:3点
となっています。
ラグビーでは1点をとる手段がないため、
スコアが「1点」「2点」「4点」になることはあり得ません。
5点から1点刻みでトライやキックの点数を組み合わせて
得点していくことになります。
ドロップゴールというのは、試合で滅多に見ることはありませんが、
ボールをいったん、地面に落としてすぐに蹴る得点方法です。
ペナルティゴールと同じく3点が得られるものの、
確実性がきわめて低いので、ドロップゴールを狙うとすると残り時間がわずかで、
逆転できるチャンスがある場合に限られるケースが多いです。