沖縄や台湾に生息するオオムカデが国内で143年ぶりの新種であることが確認されました。
リュウジンオオムカデの生態や生息域は?オオムカデの新種
大型ムカデの新種発見、沖縄には未知の生物「まだ数多く生息の可能性」
沖縄や台湾に生息する大型のムカデが新種であることを確認したと、法政大などの研究チームが13日発表した。体長約20センチ、幅約2センチで、「リュウジンオオムカデ」との和名が付けられた。研究成果が国際専門誌に掲載された。
発表によると、リュウジンオオムカデは青緑色の光沢のあるボディーが特徴的で、普段は森林の川辺など陸上で生息している。危険を感じて身を隠したり、テナガエビを捕食したりするため、川に入ることもある。日本の生息地は沖縄本島北部や久米、西表、石垣、渡嘉敷の各島。和名は、嵐を呼ぶ竜神の耳にムカデが入って苦しめたとの沖縄の故事にちなんだという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/38fdc0b9da84b403da9c9ab482f0f612afc7d31c
体長約20cm、体幅約2cm(大人の親指くらいの太さ)のリュウジンオオムカデは新種認定される以前は高値で売買されるケースもあったことから、法政大などの研究チームが保護に乗り出していました。
観察に基づく生態に加え、体色や体形、遺伝子解析から新種と裏付けられたリュウジンオオムカデは、オオムカデ属に分類される節足動物。
日本国内で、オオムカデ属の新種が確認されたのは、1878年以来143年ぶり。
美しい青緑色(ひすい[翡翠]色)の体色を持つリュウジンオオムカデは、川に飛び込む習性にちなみ、学名をScolopendra alcyonaとした。和名は、ムカデにまつわる沖縄の故事にちなみ、「リュウジンオオムカデ(琉神大百足)」と命名されました。
また、日本には本種を含め5種のオオムカデ属が分布するが、日本からオオムカデ属の新種が記載されるのは、アオズムカデ(Scolopendra japonica)とトビズムカデ (Scolopendra mutilans)がドイツ人の手によって1878年に新種記載されて以降、実に143年ぶりとなる。
https://www.u-ryukyu.ac.jp/news/21905/
法政大の島野智之(さとし)教授(動物分類学)は「沖縄には未知の生物がまだ数多く生息している可能性がある。絶滅が危惧されるため、静かに見守ってほしい」と話した。
中野隆文・京都大准教授(動物分類学)の話「これほどの大きさの新種が国内で発見されるケースは珍しい。琉球列島や台湾の森林環境の豊かさと、そこで育まれてきた独自の生物多様性を示している」
【論文情報】
掲載誌:Zootaxa
タイトル:A new amphibious species of the genus Scolopendra Linnaeus, 1758 (Scolopendromorpha, Scolopendridae) from the Ryukyu archipelago and Taiwan(英文).
著者:SHO TSUKAMOTO, SHIMPEI F. HIRUTA, KATSUYUKI EGUCHI, JHIH-RONG LIAO & SATOSHI SHIMANO
研究協力:平良 太(あしむりの郷)、佐々木 健志(琉球大学博物館)、當山 全翔(沖縄県立辺土名高校、3年生)、佐藤文保(久米島ホタル館・館長)ほか多数
DOI:10.11646/zootaxa.4952.3.3
引用:https://www.u-ryukyu.ac.jp/news/21905/