シートベルトは正常であれば、巻き取り式のメジャーのように、
手を離せば勝手に戻る(巻き取る)構造となっています。
また強く引っ張ることでシートベルトにロックをかけることができて、
シートベルトを伸ばしたままにできる仕組みになっていますが、
- シートベルトのねじれ
- シートベルトの汚れやほつれ
- スリット目詰まり
- リトラクター故障
といった要因でシートベルトが戻らないことがあり得ます。
このうち、「リトラクター故障」以外が原因であれば、
シートベルトを拭き掃除したりシートベルトのドアの付け根部分に
詰まった汚れを掃除すれば元に戻る可能性があります。
リトラクターという部品が故障してシートベルトの戻りにくくなっていたり、
巻き取りが弱くなっている場合には部品交換をしなければいけないので、
自動車修理工場で修理をしてもらわないといけません。
ちなみに、シートベルトの巻き取りが弱いだけであれば、
車検で落とされる心配はないものの、リトラクターの故障など、
シートベルトが正常に機能しないと判断された場合には、
車検に通らない可能性があるので注意をしましょう。
仮にシートベルトを交換修理となった場合、
故障した部品だけを交換するのではなくて、
シートベルトに関わる部品を一式すべて交換するのが一般的のようです。
シートベルトの先端を座席側にはめて固定する受け手の「バックル」
なども壊れていなくても交換することにあるので、
修理代は部品代も合わせて2万円~3万円程度になる見込みです。
シートベルトの巻き取り構造やロック装置
シートベルトは主に4つの部品で構成されています。
- シートベルト本体(ストラップ)
- バックル(シートベルトの先端を座席側にはめて固定する受け手)
- タングプレート(シートベルト先端にある金属部品)
- リトラクター(シートベルトの車体側の巻き取り部品)
シートベルトの巻き取りを行っているのがリトラクターという部品で、
内部にゼンマイ部品が配置されていて、
伸びたシートベルトと巻き取る仕組みになっています。
ゼンマイは金属の細長い板を渦巻き状に丸めた部品で、
ゼンマイを伸ばすと丸まった状態に戻ろうとする力が働くので、
この力を使ってシートベルトを巻きとるようになっています。
最近のシートベルトには、事故時の衝撃を和らげるために
エアバッグ機能が搭載されたタイプも登場しているほか、
- プリテンショナー機能
- フォースリミッター機能
といった機能を備えているシートベルトも増えています。
プリテンショナー機能とは、
事故時に素早くシートベルトを巻き取ってロックする機能で、
乗員を座席シートに強く押し付けることで、
可能な限り安全な姿勢で衝突に備えられるような仕組みです。
プリテンショナー機能搭載のシートベルトの場合、
ロックされた無理に強くひっぱたりすると、中のギヤが壊れてしまい、
シートベルトの巻き取る力が弱くなったり伸び切ってしまうことがあります。
ただ、プリテンショナー機能によって完全にロックしてしまうと、
衝突で身体が吹き飛ばされそうになっている乗員の胸部や腹部に、
シートベルトが強く食い込んでしまいます。
逆に乗員がケガをさせる恐れがあるため、
フォースリミッター機能も開発されました。
フォースリミッター機能とは、
シートベルトを完全にロックせずに、
シートベルトに加わる力をコントロールしながら徐々にロックを緩める機能。
フォースリミッター機能のあるシートベルトの場合、
ベルトの一部を折り返して軽く縫い合わせてあります。
シートベルトが強い衝撃を感知すると縫い目が解け、
ベルトに若干余裕が出来るので体に加わる衝撃を弱めることができます。
シートベルトロックの仕組みや解除法
シートベルトロックの仕組みは、
- 掃除機の電源コード
- 窓のブラインド
などと同じような仕組みで、勢いよく引っ張ることで、
ゼンマイに設置されているギアにフックが引っかかるようになり、
ゼンマイを動かなくさせる構造となっています。
シートベルトロックを解除するには、
シートベルトを少し引っ張るだけでOK。
ギアに引っかかったフックがギアから外れ、
またゼンマイの巻き取り力が復活します。
チャイルドシートのシートベルトは?
車の座席シートベルトと
チャイルドシートのシートベルトは構造が全く異なります。
チャイルドシートのシートベルトには自動巻き取り機能はなく、
どちらかというと飛行機の座席シートベルトに近いものがありますね。
チャイルドシートのタイプによって
シートベルトの長さ調節のやり方は異なりますが、
一般的にはチャイルドシート裏側に
シートベルトの長さを調節できる装置が備え付けられています。
戻りにくいシートベルトの原因
シートベルトの仕組みが分かったところで、
戻りにくい・巻き取りが弱い原因を考えていくと、
- シートベルトのねじれ
- シートベルトの汚れやほつれ
- スリットの目詰まり
- リトラクターの故障
といった要因が考えられます。
シートベルトのねじれ
シートベルトを巻き込むリトラクターには、
スリットと呼ばれる薄い長方形上の空洞があります。
スリットからシートベルトが出入りしているわけですから、
スリットの厚みはかなり薄めになっています。
そのため、シートベルトが途中でねじれていたりすると、
ねじれた部分がスリットに引っかかってしまい、
リフレくたー付近での戻りが悪くなってまいます。
シートベルトをいったん、最後まで目いっぱい伸ばしてみて、
ねじれている部分がないか確かめてみましょう。
シートベルトの汚れやほつれ
シートベルトに食べかすなど音汚れがついてたり、
ベルトがほつれで毛羽立っているような場合、
やはりリフレクターのあたりでシートベルトの動きがにぶくなって、
戻りにくくなったり巻き取りが弱くなることがあります。
対策としては、シートベルトの汚れを丁寧にふき取ること。
シートベルトを限界まで引き出してロックさせた状態で、
根元から先っぽまで丁寧に拭き掃除をしましょう。
スリットの目詰まり
汚れたシートベルトを何度も出し入れしているうちに、
リフレクターの出入り口であるスリット部分に、
汚れがたまることもあります。
砂や泥といった汚れがスリットに詰まってしまうことで、
シートベルトが戻りにくくなったり巻き取りが弱くなることがあります。
シートベルトのリフレクター部分を注意深くのぞいてみて、
スリット周辺に汚れがたまってたら、爪楊枝などで汚れをかきだしましょう。
リトラクターの故障
シートベルトの巻き取り機能を司っているのはリトラクターです。
たとえばリトラクターの内部のゼンマイの巻き取り力が弱くなっていたら、
当然、シートベルトの戻りは弱くなります。
もしくはゼンマイが破損したりしていて、巻き取れなくなっていたら、
シートベルトは伸びっぱなしになってしまいます。
リトラクターに何らかの故障が発生している場合、
diyで治そうと思っても、ネックになるのがゼンマイです。
ゼンマイは基本的にばねのように激しく伸び縮みするため、
素人には取り扱いが難しい部品の一つです。
怪我をする危険こそ少ないものの、修理をする際にあっちこっちに飛んで、
ゼンマイを紛失してしまう可能性が高いので、
リトラクターの故障は自動車修理工場やディーラーに任せたほうが安心だし確実です。
シートベルト違反の点数・罰金は?
運転中にシートベルトをしてなかった場合には、
座席ベルト装着義務違反として罰則の点数は1点となります。
反則金はないものの、現在は運転席だけではなく、
助手席も違反対象となっているし高速道路だと、
後部座席もシートベルト違反が適用されてしまいます。
もし、違反した場合には運転手(ドライバー)が罰則の対象となり、
ゴールド免許保持者は次の免許更新ではブルー免許に格下げ。
ゴールド免許だと運転免許試験場に行かなくて済むし、
講習も30分もあれば終わるだけじゃなくて、最近は自動車保険でも、
ゴールド免許保持者は保険料が安くなったりします。
違反後3か月間に無事故・無違反だと違反こそなくなるものの、
シートベルト違反のようなしょうもない違反で、
ゴールド免許が格下げされないように気を付けましょう。
妊婦のシートベルト着用義務は?
妊婦さんはよく「シートベルトをしなくても良い」と言われるものの、
ネットの口コミでは妊婦さんでもシートベルト違反となった人がいます。
シートベルトを着用しなくても良いのは「やむを得ない理由」があるのみで、
具体的には、怪我や障害があってシートベルトをすると身体的に大きな負担になる、
といったケースです。
妊婦さんだからと言って、シートベルトをしなくて良い、というわけじゃなくて、
基本的にはシートベルトの着用義務があります。
お腹が大きくなってシートベルトをするとお腹が圧迫されてしまう場合には、
シートベルトの位置を工夫してお腹の上と下にベルトを回すようにするとか、
妊婦さん向けのシートベルト補助器具を使ってシートベルトを着けるようにしましょう。
戻らないシートベルトで車検は通る?
車検ではシートベルトも検査項目となっています。
シートベルトがついていない車は論外として、
シートベルトが正常に機能しない場合にも車検には通りません。
たとえばシートベルトを座席のバックルに固定しているのに、
シートベルト警告灯が点灯したままといったケースでも、
車検に通ることはありません。
ただ、実際の車検業務では、
座席人数分のシートベルトが設置されているか?
シートベルトが埋まっていないか?
といった点を目視で確認される程度のようなので、
シートベルトの動作までは確認されないようです。
シートベルトが戻らない・戻りが弱いかどうかを、
車検で確認されるわけではないので、現実的には、
通る可能性が高いようですが、もちろん、検査院や検査場によって
対応は異なってくるでしょう。
シートベルトの交換修理方法
シートベルトとは一般的に、
シートベルト本体
バックル
タングプレート
リトラクター
という4つの部品によって構成されていますが、
たとえばリトラクターだけが故障していたような場合でも、
全ての部品を交換するケースが多いようです。
部品代がかさむし、作業時間も長くなるため工賃もかかるようになり、
シートベルトの交換修理の代金は合計で2万~3万円といった程度。
シートベルトにもエアバッグ機能などが備わっている場合には、
部品代がさらに上乗せされるので、修理代はもう少し高くなると思われます。
シートベルトなんてめったに壊れる部品じゃないのに、そんな部品で問題が発生したわけですから、この先もいろんな部分にガタが来て修理代がかさんでしまう可能性は通常よりも高くなっているのは間違いありません。
それならば、新車に乗り換えちゃった方が、余計な修理代がかからないわけだし、経済的じゃないでしょうか。
一括見積もりサイトを使えば、
自分が住んでいる地域の業者に対して
一気に見積もり依頼を出せます。
・メーカー
・車種
・年式(多少ずれていてもOK)
・走行距離(多少ずれていてもOK)
の4項目と連絡先を入力すれば良いので、
作業はスマホからでも一分もあれば完了。
逆に言うと、サイトを使わず自力で業者を探していたら、苦労した挙句に10万円以上も損をする可能性もゼロではありません。
そう考えると、一分の手間を惜しまず、すぐに見積もりを取り寄せておいて損はないんじゃないでしょうか。
ちなみに、今すぐ売却する意思はなかったとしても、早めに査定は依頼した方が良いですよ。
車の価値は時間とともにどんどん落ちて行きますが、それ以上に深刻なのがモデルチェンジです。
こういった情報が公開されるや否や、激しい値崩れを起こしてしたことが過去にあるようです。
査定結果にはたいてい、一ヶ月くらいの保証期間がついています。
明日とか明後日に値崩れが始まっても、高い金額のまま買い取ってもらうことができますよ。
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