「説明」「論述」の意味の違いは?
「説明する」「論ずる」とはどう違うのでしょうか?
「説明」「論述」の意味の違いは?
■説明とは?
「説明」は、ある事実や事柄がなぜそのようになっているのかを分かりやすく伝えることです。たとえば、「なぜ空が青いのか」という質問に対して、太陽の光が大気中の分子によって散乱されるためだと説明します。説明では、具体的な理由や根拠を示すことが重要ですが、自分の意見や主張を述べる必要はありません。
事実を分かりやすく伝える:説明は主に事実や状況を相手に分かりやすく伝えることを目的とします。
客観的である:個人的な意見や感情は含まれず、客観的な情報提供が重視されます。
■論述とは?
「論述」は、あるテーマについて自分の意見や考えを筋道立てて述べることです。たとえば、「学校で制服を着るべきか」というテーマに対して、自分の意見を述べ、その意見を裏付ける事実や根拠を示します。論述では、説明に加えて、自分の考えを論理的に展開することが求められます。
自分の意見を述べる:論述は、テーマに対する自分の意見や考えを述べることを目的とします。
論理的に展開する:意見を裏付けるために、事実や根拠を順序立てて示し、筋道を立てて論理的に説明します。
「説明」「論述」の目的・方法
説明
■説明の目的:
説明の目的は、読者や聞き手に特定の事実や情報を理解してもらうことです。これは、情報を正確かつ明確に伝えることに重点を置いています。たとえば、歴史の授業で「第二次世界大戦の原因を説明しなさい」といった課題が出された場合、その原因を事実に基づいて説明します。ここでは、自分の意見は必要ありません。
■説明の方法:
説明では、情報を体系的に整理して提供することが重要です。具体例や統計データを用いて、わかりやすく伝える工夫が求められます。例えば、「地球温暖化の影響を説明しなさい」という課題では、温暖化の原因となる温室効果ガスについて説明し、その結果として起こる気温上昇や氷河融解の影響について具体的なデータを示します。
論述
■論述の目的:
論述の目的は、特定のテーマについて自分の意見を述べ、その意見を論理的に証明することです。例えば、「インターネットの利点と欠点について論じなさい」という課題では、インターネットの利点と欠点について自分の考えを示し、それを支持する証拠や論理を提供します。
■論述の方法:
論述では、意見を支持するための証拠や事例を論理的に組み立てることが重要です。序論でテーマに対する自分の立場を明示し、本論でその立場を裏付ける証拠や事例を示し、結論でその立場を再確認します。例えば、「オンライン教育の有効性について論じなさい」という課題では、オンライン教育の利点と欠点について論じ、最終的に自分の結論を導き出します。
「説明する」「論ずる」は何が違う?
「説明する」と「論ずる」は、その目的や方法において明確な違いがあります。
説明する
目的:相手に理解してもらうために、事実や理由を分かりやすく伝える。
方法:具体例や理由を示して、客観的に情報を提供する。
■説明の例
テーマ:雨が降る理由
説明:雨が降るのは、水蒸気が空気中で冷やされて水滴となり、それが集まって雲を形成し、やがて重くなった水滴が地上に降りるためです。
論ずる
目的:自分の意見や主張を述べ、その正当性を論理的に証明する。
方法:自分の意見を述べ、それを裏付ける根拠や事実を示して、論理的に展開する。
例を用いた違いの説明
■論述の例
テーマ:学校で制服を着るべきか
論述:私は学校で制服を着るべきだと考えます。まず、制服は生徒に一体感をもたらします。例えば、全員が同じ制服を着ることで、同じ学校の一員であるという意識が高まります。また、制服は経済的負担を軽減するという利点もあります。私服を揃えるための費用を抑えることができるからです。これらの理由から、学校で制服を着ることは良いことだと考えます。
まとめ:「説明」「論述」の意味の違いは?「説明する」「論ずる」は何が違う?
「説明」と「論述」は、どちらも情報を伝える言葉ですが、それぞれの目的や内容に違いがあります。
説明とは、ある事柄や状況について、客観的に分かりやすく伝えることを指します。具体的には、事実に基づいた情報や事例を提示し、その意味や背景を論理的に説明することが重要です。説明する際には、自分の意見や主張を述べる必要はなく、中立的な立場から情報を伝えることに重点を置きます。
一方、論述とは、あるテーマに対して自分の考えや主張を論理的に展開することを指します。単に情報を伝えるだけでなく、自分の意見を根拠に基づいて説得力を持って伝えることが重要です。論述する際には、以下の要素を意識する必要があります。
テーマに対する独自の視点: 他の人の意見とは異なる、自分だけの視点を持つことが大切です。
論理的な構成: 自分の意見を筋道立てて論理的に展開する必要があります。
根拠の提示: 自分の意見を裏付ける根拠となる事実やデータなどを示す必要があります。
客観性: 自分の意見に偏りがないように、客観的な視点も意識する必要があります。
結論: 論述の最後に、自分の意見を明確な結論としてまとめる必要があります。